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叫ぶ人:食べ物
『叫ぶ人:食べ物』
「えー?なんで嫌いなのぉー。美味しいのにー。」
「ええ?嫌い?新鮮なものを食べてないからじゃないのか?うまいのに。」
「これが嫌いなんて、人生半分損してるよー。」
私はとりあえず、微笑んでおく。そして湯船で叫ぶ。
「うっせぇ!新鮮だろうが、腐っていようがまずいもんはまずいんだ!嫌いなもの、勧めてくるんじゃねぇ!お前の前で涙目になって吐けって言ってんのか!」
上に上がると、結構息が上がっている。
空気を吸い込んで再び潜る。
「あたしの人生が食べもんで、損していようがてめぇには関係ないだろうが!嫌いなもの我慢して食うほうが損だってーんだ!」
私は湯船から顔を上げるとため息をついた。
「さ。好きなものを食べよ。」