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作者: まゆ子

朝起きるとベットにひかれたシーツの上に卵がありました。


卵は5個ありました。


綺麗な音を立てる卵

時を刻む音を立てる卵

あたたかい卵

冷たい卵

そして何も感じられない卵でした。



私は綺麗な音をたてる卵を割りました。

「パカッ」


すると、綺麗な音を立てて笑う男の子に会いました。

男の子はとても愛してくれました。

でも私は割ってしまった卵のように満たされないままでした。



私は時を刻む音を立てる卵を割りました。

「パカッ」


すると色の白い男の子に会いました。

男の子はいつも寂しそうな顔をしていました。

寂しそうな顔で笑いました。

私で満たしたくなりました。男の子は突然割れてしまいました。

私は満たされないままでした。



私はあたたかい卵を割りました。

「パカッ」


すると私をとても楽しい気持ちでいさせてくれる

弟に出会いました。

でも弟は割れてしまうので私は愛してもらっても

愛してもらっても満たされませんでした。



私はつめたい卵を割りました。

「パカッ」


するとぬくもりが感じられない肌にあいました。

変色しているソレからは何も感じられませんでした。

綺麗な音をたててくれたソレ

時を刻んでいたソレ

ぬくもりをくれたソレ


私を満たせなかったソレ・・・。




最後に何も感じられない卵を割りました。

「カチャ」


やっぱり中身はからっぽでした。


私は殻を、彼を口に含みました。





それはとても甘いものでした。





















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