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UNDEAD  作者: 暇神
4/4

UNDEAD 3

ヴォルドの服とレイナを埋葬し、黙ったまま座っているディン。大男はいつの間にかいなくなっていた。

「あの…ディン?」

「………。」

「ディン?」

もう一度呼んでみるがやはり返事は無い。

「zzZ…zzZ…」

「寝てんのかよ!!」

「ぐふぉっ!?」

ツッコミと同時に首にチョップを入れる。

「ゲホッゲホッ死ぬだろうが!!」

「どうせ死なないでしょうが。」

やれやれといった手つきをするニーダ。「それで、あんたはこれからどうするの?」

「とりあえず当初の目的の通り兄貴探しと研究の破壊。後、あるとは思えないが人間に戻る方法だな。」

「あてはあるの?」

「まぁ行きあたりばったりで何とかなるだろ。」

「あんた何言ってんのよ、そんな事言ってたらいつまで経っても終わるわけないじゃない!!あんたと違ってこっちは不死身じゃないんだからね!!」

「は?」

「………わ、私もついて行くって言ってんの。」

「だってUNDEADの事。」

「今日の出来事を見てあんたみたいな奴もいるってわかったから。それに、私の両親を喰ったのは多分…多分あんたの兄貴。」

「確かなのか?」

「もう十年ぐらい前だけど、雰囲気とか目つきとか似てたと思う。」

「そうか…ごめん。」

「いいよ、あんたなんかに謝られても嬉しくないから。」

「なんだ、それ。」

「家壊すしUNDEADだし、あんたの事嫌いだから。あんたについて行くのも、一番の理由は家がなくなったからよ」

「ひどいなそれ、なんでもかんでも俺のせいにして。差別だ差別だぁ。」

「ふん、悔しかったら人間になりなさい。」

「イィ〜だ。」

「プッ、ハハハハ…ッ」

「な、なんだよ。笑うなよ。」

「だ、だって…ククッ今、すごいププッ、変な顔だったんだもん。」

「クク、ハハハ…。」

「アハハハ…。」

心地良い、人と触れ合う事がこんなに心地良いものだったなんて。

そのまましばらく二人は笑い合った。

 

「それでこれから何処に向かうの?」

「うぅ〜ん、とりあえず寝るかな。」

「動け!!」

「ぐぁっ!?」

寝転がるディンを踏む。

―夜―

「…ツカレタ。」

疲れているせいで片言で喋るニーダ。

「しょうがない、ここで野宿だな。」

「えぇ〜、野宿ぅ?」「文句言うな、なけなしのたった一個の寝袋は貸してやるから。」

金の問題で一つしか買えなかったのだ。

「ねぇ。」

「ん?」

焚火をいじりながら返事をするディン。

「あの二人も兄妹だったね。」

「あぁ…UNDEADは双子が絶対条件らしい。」

「双子?っていうことはディンが探してるって言う兄も?」

「そう、双子だ。全く今何処で何をしてるんだか。」

焚火の光で映し出されるディンはどこか悲しげに見える。

「だが双子という条件をもってしても、できたのは不完全だった。」

「それがUNDEAD。」

「そう、肉を喰らい生気をすすることで生き永らえる異形の生物。」

「でも、ディンはUNDEADからしか生気を取らないんでしょ?」

「UNDEAEも元は人間だ、それに俺も結局は他人の犠牲の上に立っている。変わりはないさ。」

重い、空気が重い。何とか話題を変えないと。

「そういえば目的を果たしたらどうするの?」「…とりあえず寝るかな。」

(そう、深く深く…永遠に)

「ハハッディンらしいね。さて私もそろそろ寝ようかな。ディンは寝ないの?」

「あぁ、俺は火守りをしてる。その気になれば歩きながらでも寝れるからな。」

「クスクスッおやすみ。」

「おやすみ。」

(そして明日はおはようか、もう俺は独りじゃないんだな)

 

夜は嫌いだった

光が無いから

余計孤独を感じるから

でももう独りじゃない

だから怖くない

苦難も越えられる

運命も抗える

どんな事も耐えられる

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