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追放された無能貴族、実は全属性魔法と鑑定EX持ちでした 〜婚約破棄された翌日、王国が崩壊しましたが俺は関係ありません〜

作者: 白昼夢

「レオン・アルヴァレス。貴様との婚約を、ここに破棄する!」


 王立魔法学園の大広間。

 卒業式を兼ねた舞踏会の最中、俺は壇上でそう宣告された。


 告げたのは、王女セシリア・ルミナス。

 金色の髪を揺らし、蔑むような視線をこちらに向けている。


「理由は明白ですわ。あなたは三年間、魔法適性なし。貴族として、王家の婚約者として――無能すぎます」


 会場がざわめく。

 嘲笑、同情、侮蔑。すべてが俺に突き刺さった。


「代わりに、わたくしは真に優秀な方を選びます。――炎属性上級、剣術Aランク。英雄候補、ガイル・フォルテス様ですわ!」


 赤髪の青年が一歩前に出て、得意げに胸を張る。


 ……ああ、そうか。


(これが、“イベント”か)


 その瞬間、俺の中で何かが弾けた。




 ――前世の記憶が、完全に戻った。


 俺は日本で社畜をしていた男。

 トラック事故で死亡し、気づけばこの世界の無能貴族・レオンとして生まれ変わっていた。


 そして今。


(条件達成。隠蔽制限、解除)


 視界に、半透明のウィンドウが展開される。


【ステータス】

名前:レオン・アルヴァレス

職業:賢者(EX)

魔法適性:全属性(EX)

固有スキル:

・鑑定(EX)

・魔力無限

・スキル創造

・世界干渉(制限解除)


(……やれやれ)


 どうやら俺は、気づかないフリをしていただけらしい。


 この世界、詰んでるな。



「……何か言い残すことは?」


 セシリアが勝ち誇ったように言う。


 俺は一歩前に出て、微笑んだ。


「婚約破棄、受け入れるよ。――その代わり」


 パチン、と指を鳴らす。


 次の瞬間。


 会場中央に、巨大な魔法陣が展開された。


「なっ――!?」


「全属性同時展開。真・鑑定」


 光が走り、会場全員の情報が暴かれる。


【ガイル・フォルテス】

・剣術A → 偽装(薬物強化)

・炎魔法 → 魔力供給:外部依存

・称号:なし


「そ、それは違う!」


「さらに」


【セシリア・ルミナス】

・王族権限:乱用

・横領:有

・闇属性契約:魔族と密約済み


 ――静寂。


「……え?」


 王女の顔から血の気が引いた。


「王国法第七十二条。魔族との密約は――死罪だ」


 俺の声は、なぜか会場中に響いた。


 その瞬間、近衛騎士たちが一斉に剣を抜く。


「な、なぜ私が……!」


「安心しろ」


 俺は優しく笑った。


「全部、記録してある」




 その日。


 王女セシリアは拘束され、

 ガイルは不正が暴かれ、爵位剥奪。

 アルヴァレス家への「無能貴族」迫害は、王命により謝罪付きで撤回された。


 そして俺は――


「冒険者登録、ですね?」


「ああ。ついでにSランクで」


 ギルド職員が白目を剥いた。



 数日後。


 王都の片隅で、俺は奴隷商から一人の少女を買った。


「……助けて、くれるの?」


「ああ」


 鑑定済みだ。


【リリア】

・種族:ハイエルフ

・才能:時空魔法(EX)

・状態:呪い拘束


「これからは、自由だ」


 呪いを解除すると、彼女は泣きながら笑った。


「ご主人様……!」


「いや、仲間だ」


 こうして俺は、仲間と共に王都を出た。



 ――半年後。


 魔族の侵攻により、王国は崩壊寸前。


「レオン様! どうかお力を!」


 元国王が土下座してきたが、俺は肩をすくめる。


「婚約破棄した“無能”に、何か用か?」


 俺は振り返り、仲間たちに告げた。


「――別の国、作るか」


 空には、俺が創った浮遊都市が浮かんでいた。


 これは、

 追放された無能が、世界のルールをひっくり返す物語。


 ざまぁは、これからだ。


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