ブツ切りのLINEやめてくれ! 俳句か!
ブツ切りのラインやめてくれ、ホント。
すいません。
冒頭から意味不明なんですが、まあ聞いてください。
先日、サラリーマン時代の同僚たちと、10年ぶりくらいに飲んだんです。
とつぜん同期会しようって連絡が来て。
もちろんそれは楽しかったんですが。
いやー、10年ぶりですよ。
そのころ、私たちの世界にはLINEなんてものは存在しませんでした。
当然、いまはみんなライン登録してました。
で、同僚会のライングループを作ったんです。
と、これが集合前の話。
さあ、みんなで集まるその日のこと。
ちょっとLINEのやりとりの内容を再現してみます。
※※ ※※ ※※ ※※
● MIHO
・もう駅? 10:35
● MIHO
・ひさしぶりや 10:35
● MIHO
・駅変わってない 10:36
● MIHO
・ファミマ出来てる 10:36
● MIHO
・てっちゃん来んの? 10:36
● MIHO
・寒いわ 10:36
● オレ(古川アモロ)
・もう駅出てバス乗ったとこ。
あと10分くらいで店につく。
待ってたらよかったな。 10:38
● POPO
・入った 10:39
● POPO
・店に 10:39
● POPO
・だれの名前? 10:39
● POPO
・幹事してくれたんって誰? 10:39
● MIHO
・広井くん 10:40
● MIHO
・ちゃうかった? 10:40
● MIHO
・幹事、水戸さん? 10:40
● MIHO
・古川は知ってる 10:40
● MIHO
・? 10:41
● POPO
・吸ってくる 10:41
● POPO
・タバコ 10:41
● POPO
・りっちゃん来た! 10:41
● POPO
・子ども折る 10:42
● POPO
・子どもおる 10:42
● POPO
・りっちゃんひさしぶり! 10:42
● POPO
・来れんらしい 10:42
● POPO
・水戸来れんて 10:42
● MIHO
・りっちゃん来たん! 10:42
● MIHO
・ゆうと君もいっしょ? 10:43
● MIHO
・いまバス乗った 10:43
● MIHO
・なつかしい 10:43
● MIHO
・ゆうとくんいま何年 10:43
● MIHO
・何年生やっけ? 10:43
● オレ(古川アモロ)
・幹事は広井君やけど遅れるらしい。
それから水戸さんは来れない。
残念や。 10:45
※※ ※※ ※※ ※※
俺は宇宙船ビーグル号と交信してんのか?
なんていうんだろうか。
この、九官鳥と会話してる感。
私のスマホは、ラインの受信音でピコンピコン。
ピコピコピコピコピコピコ……
瀕死のウルトラマンみたいに鳴りまくってました。
マジでうざかった。
一回で送って来いよ文章!
いや、待ってください。
日本軍の暗号じゃないんだから。
文章をブツ切りにすな。
ほんで機関銃すぎる。
いやいやいや。
これリアルの会話だったら絶対あり得ないでしょ?
水戸さんが幹事か答えるあいだに、ナンボ送ってくんねん。
というか倒置法だらけで意味がわからん。
わからん。
意味が。
倒置法だらけで。
待って。
本当にこんなことする意味がわからん。
いままでいろんな人とラインでつながってましたが、こんなんはじめてです。
比較的若い世代の場合、似たような送りかたしてくるタイプはいました。
しかしここまで顕著な例は、かつてなかった。
だから会って直接聞いたんですよ、POPOとMIHOに。
なんでこんなラインすんのと。
正直ビビってました。
まさか、ふつうの会話もこんな調子だったらどうしようと。
先月ジャパンに来た交換留学生より日本語できなかったら……
これが初対面の人なら「うわ、なにこの人!」で済むんですが。
なんせコレ、いっしょに働いてた連中ですからね?
――― いったい2人になにがあったのか……?
俺で力になれることがあったら言ってくれ。
かつて苦楽を共にした仲間じゃないか、俺たちは。
POPO:
「古川ひさしぶり! 元気してた!?」
MIHO:
「えー、ぜんぜん変わってなくない?」
私:
「いや、ふたりも変わってへんで。懐かしいなあ」
えー、2人ともふつうにしゃべってました。
そりゃ、当たり前っちゃ当たり前なんですが。
じゃあ、なんでラインだけあんな感じなん……?
聞いてみました、ご本人たちに。
なんであんなラインの送りかたしてくるの、と。
私:
「ふたりのライン早すぎんねんけど。音速ラインやねんけど」
「ていうか、なんで俳句のカットみたいなことすんの?」
POPO:
「はあ?」
MIHO:
「なに、俳句のカットて」
私:
「古池や カワズ飛びこむ 水の音って送ったらええやん」
「せやのに2人の場合ちがうねん」
「古池や で送ってくる!」
「カワズ飛びこむ で送ってくる!」
「水の音 で送ってくる!」
「1回でええのに、3回にわけて送ってくんねん」
「スマホがピコンピコン鳴りっぱやねん! 生命維持装置か!」
POPO:
「爆笑」
MIHO:
「爆笑」
私:
「いや笑いごとやあらへん、なんでそんなことすんの」
POPO:
「え、理由なんかないし」
MIHO:
「すぐ送信ボタン押したくなるだけ」
「考えるより先に送信してまうねん」
私:
「考えるより先て、どういう……なにそれ?」
「思考のほうが指に追いついてへんってこと?」
POPO:
「それ! 指のほうが脳ミソより速いねん」
MIHO:
「考えるよりも、打つスピードのほうが勝つ」
「ていうか予測変換で出てくるまま打ってまう」
私:
「予測変換はオレも使ってるで?」
「せやけど出てきた予測をそのまま送ったりせえへんやん?」
POPO:
「それが送ってまうねん」
MIHO:
「つぎつぎ必要な情報を送ったらええやん」
「相手は届いた内容から、意味を読み取ってくれるやん」
私:
「それもしかして、送信文の推敲してへんってこと?」
「いや、してたらあんな文章になるわけないか」
「ホンマに意味不明の怪文書で困っとってんで!?」
POPO:
「爆笑!」
MIHO:
「苦しい! 息できへん爆笑!」
はい。
このあと楽しくサラリーマン時代の思い出を語り合いまして。
まあ、それはそれとして。
なかなか新鮮な考えかたでしたね。
ラインは、内容よりスピードのが大事。
たしかに。
たしかにいつまでも返信来ないより親切かもしれません。
そういう意味ではふたりのほうが、誠意のあるラインの使いかたしてると言えるかもしれません。
せやけども!
最低限、オレに質問したならオレの回答待っててよ!
追いつけん、ホンマ追いつけん。
……むかし、この2人とメールしてた時代だってあったんですよ?
そのときは、ふつうの文章でメールのやりとりしたんです。
ラインになって、とつぜんこんな感じですよ。
10年の歳月が2人を変えてしまったのか?
それともラインが2人を変えてしまったのか?
もう、ハッキリ言ってやる。
POPO。
そしてMIHO。
俺とおない年のはずやのに、なんでそんな視力も指もアタマも達者なん?
うらやましいわ。




