相対する者は
ぺちんっ
ぺちんっぺちっ
「、、んん〜〜、何、、、?」
「おい、起きろ。ノークス」
目を開くと、アレンが顔を覗き込んでいる。
「ああ、ここは、、、どこだ?」
「恐らくここは、教官殿の創り出した夢の中だろう。お前も聞いただろ?夢幻の騎士って」
「ああ、、、」
周りを見渡すと、先程までいた訓練場が拡がっている。
しかし、その周りには何もない。黒い霧がかかっている。ここが夢というのは、間違っていないだろう。
、、、しかし、何故だか頬が痛い。
「ねえアレン、君僕の頬、、」
「早く剣を取れノークス、もう訓練は始まってるぞ」
俺の言葉を遮り、アレンは剣を構える。
話を逸らしたように感じたが、アレンは一方向を見つめ続ける。
「、、、?なに?」
剣の先に目を向けると、男が立っている。
ーーーー人間の山の上に。
「初めは30人はいたんだけどな、、。ちょうど今、俺たち二人だけになったようだな」
「あれは、、、」
アレンがニヤリと笑みを浮かべる。
「分かるか?流石だな」
「ーーー当たり前だ」
剣を握り、構える。
「父上、、、いや、ランスロット=ストリンガー卿。こんな所で闘えるとは思いませんでしたが、、、今の僕の全力で、斬らせていただきます」
僕とアレンの長すぎる訓練が、始まる。
「ーーーまず言っておくと、ここでは権能は使えない。お前でもな。そういう世界だ。、、、それと、もう分かっているだろうが彼を倒すのが訓練の最終目的だと思う」
「ーーーじゃあ、父上から剣術を学び取るしかないな。こっちは二人だし、いつかは倒せる」
「相変わらずの性格だが、今は頼もしいな」
そう言うと共に、アレンが突進していく。
作戦を組もうかとも考えていたが、アレンは脇目も振らずに突進していく。
まあ、訓練の目的である、剣術の上達の事を考えると、1番効果のある作戦名は、
「、、、突進か」
そう決断した俺は、ラインハルト=ストリンガーに突進した。