これからどうする?
「ではⅠ組の諸君、初めまして。私はこのクラスを担当する、タダノ=マートンです。よろしく。、、、とは言っても、ここはいわば特別な権能を持つ生徒を集めたクラスであるので、私の役割は少ないものです。、、、何かあったら私の研究室まで来るように」
教室に生徒が到着して早々に、担当の教師は教室を後にした。
「おいおい、ノークス、自由だって聞いてたからこのクラスを志望したが、ここまでとは思わなかったぞ」
「、、、まあ、良いんじゃないか?僕にはやりたいこともあるし。君もだろう?」
そう、僕には目的がある。
父上にも話したことのない、あることを成し遂げる。
「まあ、そうだな。俺はとりあえず学院の剣術訓練には出る事にする。権能だけでは強くはなれないからな」
「そうだよね。君は初等部の権能試験ではいつも上から5番には入っていたしね。、、うん、良いんじゃないか?」
アレンは、僕の返答に少し不満げな表情を見せながらも、頷いた。
「お前は、どうするんだ?権能試験では、1位以外取ったことがないノークス君?」
「ハハッ、、、取り敢えず僕も剣術訓練に行くよ。中等部から入学してきた人達とも仲良くなりたいしね」
「!そうか、、!」
権能試験で選別されたこのクラスでは測れない力もあるだろう。
権能はこの世界を支配する力ではあるが、また剣術も過去、この世界を支配していた力でもある。
「そもそも騎士って剣を扱っていたらしいしな。そう考えると、剣を扱えてこそ騎士って感じだよな」
いつの間にか、先程まで20人ほどいた教室には、僕とアレンの二人だけしかいなくなっていた。
「さあ、僕らも行こうか」
剣。
それは太古の昔、この世界を支配した力。
そして権能に支配されたこの世界で、力なき者に許された唯一の力。