矛盾合一
「僕達は、君達二人が倒されるまでの間も彼に挑んでいたけど、倒されてちゃった子達は戻ってこなかった。それと、君達が僕達と合流した事を踏まえると、、、仮説だけどこの夢の世界は、階層になってるんだと思う。」
「、、、じゃあ、訓練が失敗するってこともあるかもな」
白髪の少年は、大きくうなづいた。
「階層には終わりがあるだろうからね、出来るだけ死なないように立ち回ろう」
そう言うと、少年は剣ではなく、弓を手に取った。
「あれ、弓なんてあったっけ?」
「ここは夢の中だろう?、、権能以外は結構自由みたいだよ。ーーーさあ、行こう!!!」
少年は、ランスロット(影)に向かって弓を引き絞る。
「そう言えば、君の名前は!?」
剣を手に創り出し、走りながら聞く。
彼の名は、知っておくべきだと思った。
「僕の名前はブレン=シルバ!!!よろしく!ノークス=ストリンガー君!!」
ーーー作戦名「矛盾合一〔フォーシンフォニー〕」
剣隊、槍隊、盾隊、弓隊がそれぞれの長所のみを活かして戦闘を展開する。
俺、アレンを含む剣隊は8人、槍隊6人、盾隊5人、弓隊4人で構成される陣形は、権能が現出する以前の世界で重用されていた。
「ノークス、お前これでいいのか?」
アレンが並走しながら話しかけてくる。
「作戦のことか?、、、まあ、いいんじゃないかな?結局僕達剣隊が1番槍なんだ。なんか紛らわしいけど。取り敢えずは乗っかっとこうよ」
「、、じゃあ、行くか!!!」
アレンが大きく跳躍し、父上(影)に飛びかかる。負けじと残りの剣隊も斬りかかる。もちろん、俺も。
剣隊の剣撃が、父上(影)を取り囲む。
、、、が、その剣筋は一閃にして弾かれる。
剣隊が崩れていく中、アレンと俺はなんとか耐えている。
「ぐくっ、、っ!おい、槍と盾!来い!!!」
「槍隊、側面から援護!!」
鋭い突きが背後から父上(影)に襲いかかる。しかし、またも一閃で弾かれるが、今度は盾隊によって追撃を阻む。そしてその隙を、
「君達、今だ!」
ブレンの合図で弓隊が射線を通す。
矢が雨のように降り注ぐ。
しかし、父上(影)は当然のように全てを斬り落とす。
その姿は、まるで剣が一つの生き物のように、全ての攻撃を捕食しているようだ。
「ハア、ハア、、、。こんなんいつまでやってもダメなんじゃないか、、?」
「、、、そうかもな。ーーーでも、ちょっと分かってきたよ」
「何がだよ」
ニヤリと笑みをこぼす。
「父上の剣だよ」
「、、、教えろよ」
「斬りたいもの斬ればいいんだ」
そう、それが騎士の剣だ。