組織での生活
「能力の暴走は普通の怪我とは少し違ってね、普通の病院では治療ができないんだ。」
亜瞳はそう言って、軽く笑った。
その後、しばらくは安静にするように言われ、藍はエモルフォースの施設内で過ごすことになった。
施設内見学
エモルフォースの施設内は、想像以上に広かった。
治療部隊の医務室を出て少し歩いていくと、訓練場、開発部隊の研究室、戦闘部隊の詰め所など、さまざまな場所があった。
「おーい、そこの少年よ!」
突然、後ろから声をかけられる。振り返ると、兎羽が腕を組んで立ってた。
「傷はもう大丈夫か?」
「はい、まだ少し痛いですけど……。」
「まあ、昨日の暴走の後なら当然だな。」
兎羽は軽く肩をすくめると、藍の横に並んで歩き始めた。
「せっかくだし、少し施設を案内しようか。」
訓練場
兎羽に付いていき、最初にたどり着いたのは戦闘部隊の訓練場だった。
そこでは戦闘部隊の隊員たちが、激しい戦闘訓練を行っていた。
「……すごい。」
藍は思わず息をのんだ。
隊員たちはそれぞれの能力を駆使しながら、互いに攻防を繰り広げていた。
「すごい…」
そう眺めていると
「藍、もしかしてエモルフォース志望?」
「!」
突然心を読まれ驚いていると彼女は続けて言った。
「やっぱりそうなんだ、応援してるよ」
「入れると思いますか?」
その質問に彼女は
「分からないね、根性はあるけど、
身体も能力も未熟だからね」
そう言われ少し落ち込んでいると、
「最初から完璧にできるやつなんていないさ。人を助けられる能力があるだけでも、十分な才能だ。」
兎羽はふっと笑いながら言った。
天使のようだ
「ま、どうするかはお前次第だけどな。」
「そうですね、」
そう答えた
しばらく眺めていると不思議なものが見えた
1体1の模擬戦だ、黄色い髪をした男がブラズマを、長い黒髪が黒い何かを操る、
黄色が取り押さえられて勝負が終わった、
「すごい…」
思わずそう言うと
「彼は噴雷くんと病奏さんだね、確かまだ訓練生だよ。この第一訓練場は訓練生も使うんだ、」
「模擬戦とかできるんですか」
「そうだね、でも今の君の体じゃ…」
兎羽さんが何か言い終わる前に黄色が入ってきた
「おい!さっきの試合見てたよな!」
突然話しかけられて驚いた
「はい、見てました」
その返事に噴雷さんは
「今俺は負けて悔しいんだ!!俺と勝負しろ!」
兎羽さんの方を見ると
「すまないね、この少年は負傷中で」
その言葉に噴雷は
「そうか、ならまた今度だ!!
ここにいるってことはお前も戦闘隊員志望だろ」
こくりと頷くと満面の笑みを浮かべ、他の人に勝負を挑みに行った
「すごい人ですね、戦闘しながら僕の目線に気づくなんて、」
そう言うと
「そうだね、彼の能力はリラックスだからね、
ああ見えても冷静なんだよ、受かって欲しいね」
感心していると兎羽さんが観戦席から立ち上がり、
「次は研究室だ」
と言い、歩き出した
研究室
次に訪れたのは開発部隊の研究室だった。
そこでは亜瞳さんが何かの装置を組み立てていた。
「お疲れー。」
亜瞳は作業を中断し、藍の方をじっと見つめる。
「施設の様子はどうだった?」
「すごかったです……。みんな能力を使いこなしていて。」
「やっぱすごいよね。私ももっと能力を使いこなせればいいんだけどね」
その発言に僕は
「そんなことないですよ、助けて下さった時、ものすごく輝いて見えました」
亜瞳さんが言う、
「ありがとね、あ、そういえば」
そう言うと1泊開けて、
「能力、今使えないでしょ、これ使いな」
亜瞳さんは椅子を少し引いて引き出しから何かを取り出した
「これは…?」
困惑していると
「その銃は僕の作った銃だよ。人によって感情を、どのようなものに変換することができるのかは限られているんだけど、それを僕の能力と同じ、プラズマに変えれる銃だよ、お礼として貰っておいて」
その贈り物を
「ありがとうございます!」
受け取っておいた
その後も色々なところを見てまわり、病室に戻ってきた
「どう?覚えた?」
兎羽さんが言う、
「はい!助かりました!」
兎羽さんに礼を言い、解散した
ここでの生活は続く