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1年B組

入学式が終わって私たちは教室に移動した。

1年B組は北校舎の2階。出席番号順に座るから窓側必然的に窓側の席になる。

転校してきたと言っても思わぬ入学してすぐ再会を果たした人がいた。


西丸誠。12歳。私と同じ小学校出身である。

教師の父と事務員の母のもとのびのびと成長した子である。英会話や水泳、書道沢山の習い事をしており

二つほど同じところに私も通っていた。


 春休み、誠の父の名前を見た時はびっくりしたな。

学校への登校道を探す途中、新しい一軒家が建てられていた。そこには―西丸―とローマ字で書かれていた。まことが引越してきたのは祖母が何かあったとき、すぐ大きな病院に行けるようにするためだ。

私たちのまちには大きな病院が一つしかなかった。

それも山の奥で市街地からは20分もかかるのだ。

それに今年の7月になくなる噂もあった。

祖母のことを考えると引越しが一番いい選択だろう。


 同じ小学校から同じ中学校に転校なんてこれまた運命を感じるな。仲良くなりたいな。


自己紹介の順番が回ってくるまで、私の前には38人もいた。みんなの名前を必死に覚えようとメモをとる。

 いい自己紹介を真似させてもらおう。今のところ、

 みんなにいい印象が与えられていないからね。


そう思い、考えてきた自己紹介をしたが、そんなに簡単に自分の気持ちは伝わらないらしい。

虚しくもみんなからヤンキー判定をまだされているように感じた。

 うぅ…どこで巻き返そうか…


その日は終わり帰宅してまことに電話をかけた。

「私、なんか浮いてるよね。何もしてないのにー」

「多分、一月の新入生説明会で誰も発表しない中、

ちょう張り切って手を挙げてたからだよ。みんなびっくりしてたよ。」

まことがそう言って笑う。そんなこともあったなと思い出す。

「頑張らなくちゃ!って張り切ったら誰も手を挙げてなかったんだよね。後ろの男の子が笑ってた」

「まこと、覚えてるその場面笑

まあ、焦らず一緒に頑張ろう。花子のいいところは

少しずつみんながわかってくれるはずだから」



そう言われて少しばかり安心する。

 「まことがいてくれて心強い。

 なんか入学式でのちょっとしたミスでネガティブに

 なっていたみたい。スタートを気持ちよくきること って難しいのね。私らしく明日は頑張るね。」

まことにそう伝え、私は電話をきた。

 

先生が自分のやりたい専門部を決めなさい。と言っていたことを思い出し、考える。

 総務やってみようかな!!私、みんなをまとめるの 得意だし!あっでも、合唱コンクールもあるから文 化部長もいいな〜!食べるの好きだし、厚生部長  は?なんかワクワクしてきた!!



次の日、配布されたプリントに―総務―を第一希望に記入して、先生に提出する。

 どうなるかな?

一通り、みんなの希望を見た先生が言った。

「昼休みに総務を希望した人は少人数教室に集まりなさい。」


昼休み、集まるとそこには私を含めて6人のクラスメイトがいた。

「男子、女子1人ずつ。どちらかは副総務になってもらうから話し合いなさいね。」

女子は花子、まこと、杉浦清香、吉村美希だった。

「以外だ!山田さんってヤンキー側だと思ってた」

「そんなことないよ笑国歌歌えなかったからでしょ?うちの小学校は卒業式で歌ってないんだ」

「コロナの影響でか!でも西丸さんは歌ってたよね」 「まことはなぜか歌えたらしいの。それで後からまことに非国民ってからかわれたんだよ笑」

きよか、みきちゃんと会話が弾んだ。

 なんだ、全然話せるじゃない?!嬉しい…!

「みきは、小学校でこういう役やったことないから

挑戦してみたいの!」

「きよかは、誰もなりたい人いないとおもってて立候補したらまさかの6人もいたよ笑」

「まことは、別にならなくても他の部長とかしようかな…」

「私はいいクラスにしたいなって思って希望したわだ!!」

「いい志を持つ人が沢山いて先生嬉しいです。どうやって決めますか?じゃんけんで決めるわけにはいきませんね」

先生がいい、みんなの表情が少し固まる。

 正直に言ったらみんなきっと本当はなりたいんだよ な…

花子にはその気持ちが伝わった。

 きっとこの中なら誰でもいいクラスを作ってくれる だろう。

「よかった〜私安心して厚生部長行ける!!

みんなの話きいて安心した」

するときよかちゃんが花子に笑いかけて乗ってくれる

「きよかもだ!じゃあ、私は保体部長なるか〜」

 あとは、1人だ。

ひとりっ子でのびのび育ったまこには花子ときよかの考えていることは伝わらなかったらしい。

仕方ないなという感じでみきも自分は別のことをやると先生に伝える。

 これじゃ、みきが可哀想だ。

「まことは凄いやつだから、2人とも安心してね!

小6の時、先生にサプライズでクラス全員でプレゼントして泣かせたんだよ!!」

「まこと、任せたぞ!

いいクラスみんなで作っていこうね!

まことの右腕としてなんでもするぞ!!」

そう言って私はまことにプロポーズをするように膝をついた。

するときよかも笑って膝をつく。

「まこと、きよかも任せたぞ!!」

2人の突拍子もないことにみんなが笑う。

みきはプロポーズはしなかったが、笑っていた。

 よかった。いい決め方できたんじゃないの!?

私は心の中でガッツポーズした。

3時間目、1年B組の総務と副総務があらためて自己紹介をすることになった。

 総務、西丸まこと 副総務、今北かいと


きっといい一年になるな!頑張ろう!






担任 山下さなえ

副担任 竹下ふみ

総務 西丸誠

副総務 今北海斗

文化部長 山本颯太

学習部長 松田華子

厚生部長 山田花子

保体部長 吉村美希

美化部長 森山結奈

生活部長 幣旗達郎

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