サシ飲み(2度目) 1
「もしもし、蓮から電話かけてくるなんて珍しいじゃん?……あ、そっか!今日だっけ面接!!どうだったん?もしかしてその電話?」
相変わらず察しもいい涼太。ただ、こういうことは電話で伝えるには重すぎるので直接会いたいと伝えることにする。
「この前会ったばっかであれなんだけどさ?また同じとこで会えないかな?」
「お?おけおけ!いや、もっといいとこ行こうぜ?なんとなく察したから」
「え?いや、俺あそこでいいんだけど!?」
「ん?いやいや、任せとけって!」
「ちょ、おい!!」
俺が止める間もなく涼太に電話を切られてしまった。
その後、チャットで送られてきたのは明らかに高級そうな料理店の住所だった。
さっきまでとは違う意味で緊張しながら、俺は涼太に指定された場所へと向かった。そこには、既に涼太が待っていた。
「おっす!蓮!」
「おう……あのさ、涼太」
「ん?どした?」
「本当にここ?え?ここで食べんの?」
「うん、そうだけど?」
「ま、マジで?ものすごい高そうな店なんだけど?」
「そう?まぁ、確かにめっちゃいい店だよなここ!」
「いや、うん」
俺は涼太の底しれない何かに少しだけ恐怖を覚えたけど、表情には出さずに一緒に店内へと入る。
当たり前のように店員さんと仲良さげに話しながら連れられた席は個室だった。
「いやぁ、よかったここ空いてて」
「ん?なんで?」
「大事な話するならやっぱここが1番だと思うからさ?空いてなかったらどうしようかと思っててさ」
「へぇぇ?」
「まぁ、そんな話はどうでもいいんだよ!蓮の話を聞かせてくれよ!」
そう言われた俺は、選択肢を2つ提示した。伝えたいことは2個あったから。
「わかってると思う大事な話が1個と多分涼太も知らなかったであろうびっくりな話が1個あるんだけどどっちから聞きたい?」
「え?んんんん、なんかどっちも気になるんだけど……うーん、どうしよう。でもやっぱわかるほうから、かな?」
「おっけ、じゃあ単刀直入に言うけどさ……無事にスターライトプロダクションに合格しました!!」
「おおおおおおっ!!おめでとう!!まぁ、正直面接までいったなら落ちはしないだろうって思ってたんだけどな!」
「え、そうなん?でもさ、めっちゃびっくりしたんだけどさ?」
「ん?」
「面接してくれたの、社長だったんだよな」
「は?え?社長ってことは天羽さん!?」
「知ってんの?」
「いや、そりゃ深めにVtuber知ってる人間なら誰でもわかるだろ。Vtuber黎明期からスターライトプロダクションの代表取締役として最大手にまで広げた超敏腕社長だからな?」
「あ、そりゃそうか」
「しかもあの人って今だいぶ忙しいはずなのによく直接面接してもらえたな?」
「うん、それがびっくりな話に繋がるわけなんだけどさ?」
「ほう?どゆこと?」
「俺の歌ってみた上げてるQtubeチャンネルがバズってたわ」
「ん?ほう?それがどう繋がるん?」
「あー、涼太って歌ってみたとか聞くっけ?」
「まぁ、それなりには聞いてるなぁ」
「じゃあさ、『Rain』って歌い手知ってる?」
「当たり前じゃん、投稿頻度めっちゃ少ないけど出す曲全部すぐ100万再生超える最近の中では1番強い歌い手じゃん」
「あ、そういう認識なんだなぁ……それ、俺なんだわ」
「は?」
「はぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!?」
涼太と出会ってから1番大きいんじゃないかという叫びが個室内に響き渡る。絶対これ部屋貫通してない?って思ったけど店員さんが注意とかしにくるわけじゃなかったから問題はないのかな?
とにかく、ここから俺たちの話は盛り上がっていく。
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