サシ飲み 1
「おう、涼太」
「おっ!蓮ー!ごめんな?急に飲みたいとか言ってさ」
「いや、たまにはこういうのもアリかなって思うしそれは全然いいんだけどさ?なんかめっちゃ高そうなとこじゃね?ここ」
「ん?あー、外観と違って結構安くてさ、ここおすすめなのよ。しかも個室なんだぜ?ほら、個室だったら色々話せるだろ?」
「確かにそうだな、よくこんなとこ知ってんな涼太」
「ま、色々やってるしな!」
そう、涼太はとにかく人脈もやってることも幅広くてオタクじゃなかったら俺達が関わることはなかったんじゃないかと思うほどのハイスペック陽キャだ。
正直俺よりも涼太の方が普段忙しいはずなのに、こうして時間を作ってくれてる。
と、いうことはだ。なんか俺に話さないといけないようなことがあるんじゃないか?と友達のことを邪推してしまった。
残念ながらその考察は半分ハズレで半分はアタリだった。
「よし、今日はじゃんじゃん食べて飲もーぜ!蓮」
「お、おう。でも、ほんと急に誘ってきたからびっくりしたんだけど」
「ん?まぁな!蓮の話を聞いたら俺もワクワクしてきたからさ?一緒に話したいなってのと……」
「のと?」
「俺から蓮にプレゼントってわけじゃないけど色々固まってからじゃ遅いから先に一枚噛ませてもらおっかなっていうビジネスの話」
「び、ビジネスぅ?」
全然ピンとこない。ビジネスってなんだ?そもそも友達なのにそんな関係になるの嫌なんだけど?
っていうのを全部飲み込んで、とりあえずは話すことにする。
「それでさ、蓮は個人でやんの?それとも企業に応募する感じ?」
「えっと、涼太だから話してもいいか。俺としては企業に所属したいなと思ってて」
「ふむふむ、どして?」
「めっちゃ個人的な感情なんだけど、推しに認知されたいからさ?個人より企業所属の方が名前が知られる可能性が高いじゃん?」
「それはそうだ。でも企業勢って審査厳しくね?入れる算段付いてんの?」
「いや、まだ算段付いてるわけじゃないけど、一応明後日1カ所面接してもらえることになってる、かな」
「おっ!いいじゃんいいじゃん?ちなみにそれどこかって聞いてもいいやつ……?」
一瞬答えるかどうか迷った俺だけど、むしろVtuberに対する知識も熱量も深い涼太にアドバイスだったり協力してもらった方がやりやすいな、なんて思ったから、正直に答える。
「えっとな……スターライトプロダクションなんだ」
「ま?マジで?」
涼太は珍しく素で驚いていた。何かやらかしてるんだろうか?と、少し気にはなったけれど気にしないでおいた。
その均衡は涼太本人の言葉で破られるわけだけど。
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