ネクストステップ
正直、俺と梨華は涼太繋がりで知り合ったっていう事情があって2人になると若干気まずく感じるのはお互い様じゃないだろうか?
そんな中、先に話をしてくれたのは梨華の方だった。
「蓮くん、Vtuberになるの?」
「ん?おう!まぁ、なれるかどうかわかんないけどな!」
「?個人でやるならそんなに難しくないんじゃないかな?」
「よく知ってるんだな梨華。そうなんだよ。お金はかかるけどその分くらいはバイトの貯蓄があるからデビューまでは個人でもできるんだけどさ」
「うん?」
「俺は推しに認知されたいからさ?そうなると企業勢の方が目に付きやすいかなって思ってるからさ、オーディション受けたいんだよね」
「なるほど……私も応援してるね!!」
「おう!」
「じゃ、じゃあ私もバイトあるから行くね!またね!」
そう言って梨華は足早に教室を後にしていった。
かくいう俺もまだ3限以降の授業があるので次の教室に移動する。
4限まであった授業を終えて家に帰ってきた俺は、部屋に入るといつも通りパソコンを起動する。すると、1件のメールが届いている。
差出人は……スターライトプロダクションだった。
今日の朝送ったばかりの応募フォームなのにもう返事が来ている、ということは多分書類時点で不合格だったんだろう。
そんな軽い気持ちでメールを開く。
『吉良 蓮様〜〜〜〜〜』
丁寧に作られている文章。とはいえ内容はご応募ありがとうございますとかそういう当たり障りがない感じだから流し読みしていると、本題に入った。
『つきましては、一度直接面接をさせていただきたいと思いますのでご都合の合う日時を記載の上、ご返信をお願いいたします』
んん?め、面接?どうやら、てっきり不合格のメールだと思ったら次のステップに進めているようだった。
応募フォームの時点では俺に手応えもなにもなかったから嬉しさはもちろんだけど戸惑いの方が強くある。
ともかく、俺は急いで空いてる日を何個か打って送る。
そして、やり取りして、面接の日時が2日後の13時からに決まった。
すごいハイペースで話が進んでいく。まぁ、面接で落とされてしまったらそこまでなんだけど、俺のことを自分の口で説明したり想いを伝えるチャンスを得られたことが嬉しかった。
そんな中、珍しく涼太から連絡が来る。
「もしもし?涼太が俺にかけてくるなんて珍しいじゃん」
「そう?まぁ、確かにそっか。いや、さっきVになるって話してたじゃん?その話詳しく聞きたいなって思ってさ?今日暇?」
「ん?まぁ、暇だけど?」
「じゃあさ、ちょっと飲みに行こうぜ?サシでさ」
涼太からの誘い、普段はあまり酒は飲まないけど今日はちょっと俺も飲みたい気分だ。だから二つ返事でOKする。
そして、家に帰って間もないけど俺はまた家を出た。
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