詩音とルナとフレンドと
Tiny MoonのRevolute部門エースであるTM_lunaticことルナはこの日、ゲーム実況配信をしていた。
プロゲーマー、ストリーマーやVtuber達配信者の中では珍しくルナは昼間に配信をすることも多く、この日も昼間に配信をしていた。
『んー、今日のattackersはハイランカーが少なめかな?ボクのランク帯で中々組まれないねぇ』
ルナ無双だ!!
勝ち放題だ!!
いけいけー!!
『んー、でも流石に歯応えなさすぎるし、次のランク戦終わったらbattle royalのほうに移動しようかな』
えー?
無双しないの?
でも確かにすぐ倒すのもつまんない
それな
『でしょ?ボクも逆に申し訳ない気持ちになるしね』
そして、この日のattackers最後のオンラインマッチにインした。
『うーん、やっぱりsuper帯のランクマに入っちゃったか。とりあえず槍探してサクッと終わらせるかぁ』
ルナの得意武器は槍で、近接武器の中ではリーチが長く敵との距離を取りつつダメージを与えやすいが、懐に入られると対処が難しいこれまた玄人向けとも言える武器だった。
そして、無事に槍を手に入れ装備も整えたルナはその位置でしばらく待機をする。
『さぁ、どうしよっかなぁ……んっ、おーっと』
と、その時後ろから近づいてきていた詩音の存在に気づき、咄嗟に槍の柄で鳩尾を狙い後ろに突いた。
『ふぅ、ハイド能力が高くて間合いまで気づけなかったよぉ。まぁ、ボクの前じゃ無力だってことで……あれ、ふーん?』
どうしたの?
ルナくん?
あれ、ていうかその相手……
昨日デビューしたVtuberじゃね?
『へぇ?あの突きを上手く急所外して致命傷を避けたんだ。少しは楽しめそうな相手に出会えたっぽいねぇ』
詩音の知らないところでルナの配信が盛り上がっていた。
気合を入れた俺は、双剣を構え直す。
ルナ選手は今のところこちらを向いてはいるものの動く気配はなかった。
胸を貸してくれるってことだろう。そう俺は解釈して動き始める。
カンッ ガキンッ シュッ ブォン
俺の初撃は弾かれ、二撃目の攻撃も受け止められる。それを支点に流れるように槍を突かれたと思えばすぐにそこから横に薙がれる。
その攻撃を間一髪でイナバウアーみたいな動きでかわす。えっ、こんな操作できたんだ。自分が1番びっくり。
やっべ、いま過去一で調子いいかもしれない。感覚が研ぎ澄まされていく。
そんな中俺とルナ選手の戦いを漁夫ろうとする他のユーザーが近づいてきていたけれど、ルナ選手と俺の前に次々と斬り伏せられていく。
ただ、それでもプレイングの差はある。それにMAXで体力が残っていたルナ選手と、初撃をもらってしまった俺との差もある。徐々に削られる俺の体力。
それでも来続ける他の敵を倒しつつ目の前のルナ選手と相対し続ける。
この時点で既に残りプレイヤーは5人を切っていたけど、そんなことは気にも留めていない。
でも決着は訪れるもの。俺の体力は既に残り1割程度になっている。何発か攻撃を当てられているとはいえ、まだまだルナ選手の体力は6割程度残っていた。
「ふぅぅぅっ」
大きく息を吐く。それを合図に俺は一瞬バックステップをして推進力を溜めて一気に前に突進する。
躱すこともできたであろうルナ選手だけど、俺の事を認めてくれたのだろうか、正面から受けてくれた。
間合いに入った。ルナ選手が俺に突きを放つ。でもそれを見越していた俺は左手側の剣で槍を弾き、その勢いで右手側の剣で切り付ける。ただ、よく見ると弾いた槍の先は柄側だった。それに気づいたと同時に、槍が素早く振られ、俺の攻撃より若干早く刃が届……いや、まだだ!俺は右手側の剣を離す。要するに投擲だ。
それにより、ぎりぎり俺の攻撃の方が早く到達し、ルナ選手の体力を削るけど、致命傷にはならずそのままルナ選手の攻撃をモロに受けて俺は負けてしまった。
でも、画面に表示された順位は2位だった。意識していない間に他の敵を倒し切っていたみたいだ。
「ふぅ、悔しいなぁぁあ!!!」
俺は叫ぶけど、不思議と悔しくは無かった。そんな中だった。
【TM_lunaticからフレンド申請が来ています】
「マジで!!?」
これが俺とルナ選手との最初の出会いだったんだ。
ルナは久方ぶりの高揚感を抱いていた。
『ハハっ、このランク帯にこんな動きするプレイヤーがいるなんて、面白いなぁ』
めっちゃ楽しそう
相手もすごい動きしてる
やばすぎ
おもろい
『ぁぁあ、邪魔してくるんじゃないぜ周り如きがぁ』
ルナはものすごい勢いで漁夫ろうとして近づく他の敵を倒していく。
最終的には、詩音の攻撃を読んでいたルナが槍を持ち替えて対応したことによりルナの勝利で終わったものの、このランク帯でのマッチでは初めて体力を残り3割程度まで減らされていた。
『グッドゲームだね、この「sion_amamiya」って人、これからもっと鍛えればボク達のレベルに近いところまでは絶対に来れると思うな。んー、なんだったらボクが直接教えたいくらいだ。こういう時は……』
ルナは初めて、個人的な興味でフレンド申請を送った。その事は、Revolute界隈で密かに広まり、雨宮詩音という名前もまた知らない間に有名になっていくのだった。
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