初配信! 1
蓮と別れた涼太と梨華の2人は、涼太の家に移動していた。
「これから何するの?」
「んー?俺が手がけたVtuberの初配信が20時から始まるからさ?一緒に見ようぜ?」
「そうなの?……あっ、蓮くんか!」
「ん?あれっ、なんで梨華が知ってんの?」
「え、だってこの前涼太が蓮くんのイラストは俺が描くんだーって言ってたじゃん。涼太は常々自分の知り合いにしか描かないって言ってたんだから、必然的に蓮くんしかいないでしょ?」
「あー、そうだったわ。まさか配信前に梨華に身バレさせちゃうと思ってなかった」
「んー?他の人に言ったりはしないよ!それに、情報出た時から知ってるし、なんなら登録も済ませてるからね!」
そう言って梨華は自慢げに雨宮詩音のチャンネルを登録してあるQtubeの画面を涼太に見せつける。
「でも、まさかスタプロなんて大手からデビューするなんて私も思ってなかったよー!……コラボとかしてもらえるのかな」
「んー?それはむしろ蓮の方から声かかってくると思うけどな」
「え、そうかなぁ?」
「そりゃそうだろ?だって蓮がVtuberを始めるきっかけが梨華……東堂瑠璃の存在なんだから」
「えへへ、そっかぁ!楽しみにしとこっと!!」
2人はそのまま、涼太の住むマンションへと入っていく。
19時55分
いよいよ、チャンネルの配信待機画面に開始を予告するBGMが流れ始める。既に待機人数は1万人を軽く超えている。
実は、デビューまでのスピード感を大事にするために告知から初配信までの期間が従来の半分以下な上に、スタプロの伝統である〜回生という5人ずつでのデビュー体制を覆すソロでのデビューという異例ずくめの蓮のデビューだが、当の本人はそんな事は知らない。
ただ、目の前に迫っている初配信の開始に向けて集中力を高めている段階だった。
そして、時刻は20時を迎えた。
『あー、あー、みんな聞こえてるかな?初めまして!!今日、このスターライトプロダクションからデビューしました!雨宮詩音です!!みんなよろしく!!』
ついに始まった俺の初配信。画面に表示されている俺が動く。コメント欄は……すごい勢いで動いてる!!出だしは上手くいってるんだろうか?
『俺の好きなことは歌を歌う事!!物語に出てくる主人公みたいになりたくて、歌でみんなを元気にしたいと思ってるんだ!!』
おおおー!!!
歌聴きたい
聴きたいーー!!!!!!!!
おっとっと、みんな歌を聴きたいって盛り上がってきちゃった。本当は最後の方に歌おうと思ったんだけど……あっ、スタッフさんがOKサイン出してる。
『しょうがないなぁ、本当はもっと後に歌おうと思ったんだけどさ?みんな聴きたそうにしてるみたいだし?1曲歌っちゃおっかな!』
わくわく!
何歌うのかな
お?
『スターライトプロダクションに所属させていただくって事で、やっぱり最初に歌うならこの曲かなって事で……まずは、スタプロの、「 StarRevo」を歌わせてもらいます!!ちなみになんですけど……今回のためにオケとかハモリとか作ってきたんで、ちょーーっとだけ期待してくれよな!!』
と、いうことで俺が仕込んできたStarRevoの音源を再生する。
我ながらだいぶ上手く作り込めた自信があるこの音源。俺が雨宮詩音として作り上げたこの音源は、よっぽどのRainファンじゃないと俺とRainを結びつけられないだろうってくらいに発声を変えている。
いずれはバレる運命だと思うけど、最初から気付かれるのはあまりよろしくないから。
そして、Aメロが始まる。
『〜〜〜〜♪』
歌うのってやっぱり気持ちいい。歌いつつコメント欄を見るけど、なぜかコメント欄は止まっている。みんないなくなった?
そのまま俺は歌い終える。そうするとようやくコメント欄が動き始め……もんのすごい勢いで流れるんだけど!?しかも全部
パチパチパチパチ
すげぇぇぇ
上手すぎワロタ
ばっかり並んでる。まぁ、どうやら満足いただけてるようで何よりだ。
まだ配信が始まってから30分も経ってないけど、既に同接は3万人を突破してまだまだ増え続けていた。
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