Rainとして、詩音として
デザインと名前、キャラが定まった日の次の日。俺は、都内にある録音スタジオにやってきていた。
「Rain君、お疲れ!!今日はどの曲録るのかな?」
「えっと、今日はですね……」
俺がいつも使っているスタジオの店長さんとは、仲良くさせてもらってるので俺のことは歌い手のRainとして呼んでくれる。
なのに、気も遣ってくれてるのか俺がバズってたことも気付かせないくらいに最初からずっと同じ対応をしてくれる。
おかげで天羽社長に言われるまで俺のチャンネルが100万人を超えてることも知らなかったわけだけど……
「なんか考え事でもしてる?」
「え、なんでですか?」
「ん?言っちゃえば長年の勘ってやつ?声の波形がいつもより乱れてるしさ?」
「さすがですね、店長」
「伊達にやってないよねスタジオ、それに音楽業界にいないよこういうの気付けなかったらさ?」
その理論だと音楽業界からだいぶ人が消えていく気がするんだけど?というツッコミはさておき、俺のこれからのことについて相談することにした。
「実は……俺、Vtuberとしてデビューすることになりまして、このRainとしての活動は今日のこの録音で最後にしようと思うんですよね。そのことを考えてたから曲に集中できてなかったかもしれないです」
俺の言葉を静かに聞いてくれた店長は、俺の方に来るとバシッと背中を叩く。
「そうかそうか!よかった、深刻な話じゃなくてさ?要するにステップアップみたいなもんだろ?活動が変わったって俺のRainへの対応は変わらんし……あっ、名前だけ教えてくれよな?Vtuberってことはさ、歌録ることだってあるだろ?その時はうちのスタジオ使ってくれよ」
「店長……」
「まぁ、おめぇのファンからしたら最後ってのは悲しいわけだしさ?そこは別に最後って打つ必要もないんじゃないの?また動かすことだってあるだろうし普段だって投稿頻度低めだろ?」
「確かに、やめないといけないと思い込んでましたけど必ずしもやめないといけないわけじゃないんですよね」
「そうだぜ?だから今はそういうのも全部ひっくるめて歌に乗せてみ?いいの録れるはずだからさ!」
「はい!ありがとうございます!!」
そして完成したこの日の音源が投稿から最速で1000万回再生を突破するメガヒットを果たすのは、また別のお話。
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