瑠璃の好きなもの
涼太と飲み明かした後、なぜか涼太に『梨華にはこの事は秘密にしておけよ?』と言われてしまった。理由を聞いてもはぐらかされたけど、まぁまだ確定的な情報が何一つ公開されていない現状では話すことも情報漏洩になりかねないことは俺でも理解できるので、そこは守ることにした。
『こんるりー!さぁ、今日も始まりました!!Vtuber東堂瑠璃のー、ミッドナイトコミュー!!』
俺はここ2日リアタイできていなかった推しの配信をつけた。相変わらず声がいい。めっちゃいい。最近はバイトもあまりできていない、というかそれどころじゃなく疲労してしまってる俺の心が癒される。
今日までの間に色々なことがあった。
自分もVtuberになろうと決意したこと、涼太が超人気イラストレーターだったこと、まさかの最大手Vtuber事務所への所属が決まったこと、何より、俺のQtubeチャンネルがバズってたこと。
こんな情報量過多な日々を、この2、3日の間に駆け抜ければ否が応でも疲労はする。
そんなことはどうでもよくて、久しぶり……というほどでもないけど久しぶりに聞く瑠璃さんの声が心に沁みる。
『さぁ、今日のトークテーマは……自分の好きなもの!食べ物とか、趣味とか、音楽とか!色んなみんなの好きなものを聞かせてね!私も自分の好きなものをみんなに共有してくね!』
おっ、今日はマイルドな話題だ。のんびり聴けそうだ。
なんて思いながら、イヤホンを付けてベッドに横になっていると……
『好きな音楽はなんですか?かぁ……んー、出てきた時からずっと好きなのは、Rainさんって知ってるかな?歌い手さんなんだけど、その人の歌ってみたがすごく好きなんだよね!たまにしか更新されないし、最後の投稿も2ヶ月前とかだから、もう更新もされないかもしれないけどね……あははっ』
急に出てきたその名前に俺は飛び起きてしまった。そっちは既に瑠璃さんに認知されるくらいに有名だったのか……
だとしたらもっとちゃんと活動しておけばよかったかな、なんて打算的な感情が湧くけど、Rainというのは、あくまでも俺が個人で楽しむために作り上げた存在で、それを推しに認知されるためなんていう目的のために動かしたくはなかった。
ただ、それはそれとしてもう2ヶ月も投稿してないことすら今の話で気付いたので、近いうちに投稿はしようと決めた。
ちなみに、コメント欄でも俺のことを知ってる人は結構いて、それについては普通に嬉しかった。
瑠璃の配信が幕を閉じ、蓮が眠りについた後。
梨華はRainの投稿を聞いていた。
「この声、蓮くんだよね。えへへ、蓮くんってこんなに歌も上手くて、すごいなぁ……いつかコラボとかできちゃったりして?あっ、でもそうなると私が瑠璃だってバレちゃうか。まだそれは隠してたいんだぁ」
梨華の独り言は部屋の闇に溶けていく。
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