サシ飲み(2度目) 2
「え、マジで言ってる?冗談とかじゃなく?」
「そうなんだよ。あのチャンネルって俺の自己満でやってたからさ?ぜんっぜん登録者とか再生数とか気にしてなかったわけよ」
「おん?」
「そしたらさ、俺万って表記見落としててさ」
「はいぃ?」
「今登録者100人だと思ってたら100万人だったってわけ。ちなみにこれが証拠ね?俺のチャンネル」
さすがに疑われると思った俺は本人しか入れないチャンネルのページを開いて涼太に見せる。
「うっわ、マジじゃん。うわぁ、俺がSpicaだっていうのが霞むじゃんこれ」
「え?そうか?っていうか天羽社長はどう考えてるか知らないけど俺がRainだってことは公表しないから、全然涼太が……Spicaという名前が霞むなんてことはないと思う」
「え、出さないの?絶対出した方が話題性あるのに?」
確かに、涼太が言ってることはもっともだし、一般論もそうだと思う。だけど、俺には信念が1つあった。
「俺はさ、あくまでもVtuberとして1から登録者を増やしていきたいんだ。だから、もちろん歌もやってくからいずれはバレることだとは思うけど、この事を最初から出すことはしないでおこうって決めたんだ」
「そっか」
「それにさ?スタプロでデビューできて、涼太に描いてもらえる時点で話題性なら十分じゃん?」
「蓮……ん?俺が蓮のデザインをするのは確定したってことでいいのか?」
「あっ、そうだ。そこ言ってなかったわまだ。そう、涼太に……Spicaさんに俺のデザインをお願いします」
「任せなっ!!向こう2、3ヶ月の予定空けとかなきゃだな」
「えっ?そこまで?」
「いや、蓮がVtuberデビューするって聞いた時点で頭下げて1ヶ月分はリスケしてんだけどさ?スタプロからデビューな上に、公開しないとはいえあのRainの中身ってなったら、より生半可なデザインできんじゃん?がっつりデザイン練らなきゃ」
そう語る涼太の目はめっちゃキラキラしていた。俺のデビューをまるで自分のことのように喜んでくれる涼太の存在に、俺も胸が熱くなる。
「そうだ、今のうちにデザインの希望とか聞いとくけど?」
「え?それって会社が決めるんじゃね?」
「いや、スタプロのVさんが言ってたけど、デザインはよっぽどこだわりがない人以外は各Vtuberの裁量に任せられてるらしいからさ?」
「へぇ、そうなんだ」
「それで、デザインの希望ってある?」
「んー、青髪、青目かな?」
「ほう、髪型とかに指定ある?」
「いや、その辺の細かいのは涼太の感覚に任せる!」
「おっけ、任せてくれ!それで、デビューするならどういう方向性で売ってくとかあるんだろ?」
「あー、その辺の話ってまだしてないんだよな。でも、ゲーム配信とかもできたらいいなって思うし、雑談もそうだし歌枠とかもしたいな」
「おー、マルチにやってく感じか!いいねいいね、デザインが湧いてくる!!」
「楽しそうだな、涼太」
「そりゃそうだろ!友達のデザインができるんだぜ?筆も乗るだろ!」
根っからのクリエイター気質な涼太の言葉は全部が全部理解しきれる訳ではないけど、俺のことでこんなに喜んで楽しんでもらえることは俺もすごく嬉しい。気合い入れて活動しなきゃだな。
「よっし!そうと決まれば飲むぞ!蓮!」
「おう!!」
そのまま、俺達は店の閉店時間まで飲み続けたのだった。
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