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第二話:見え透いた嘘を吐くのは止めよう。身を滅ぼすぞ♪

なぜか三点リーダが使えないので普通の点を使わせてもらいました。

読みにくくなったことをここにお詫び申し上げます。

そして三点リーダが使えるようになる方法を知っている方は教えてください、お願いします。






「流時ぃ~~。今日暇かぁ~~?もし暇ならこれから町に遊びに行かなねぇかぁ~~?」


帰りのホームルームも無事に終わり、机の上に置かれたペンケースを紺のスクールバックに詰め終えるとクラスメートの潮路 黒衣がいつものようにマヌケ・・・もといい無邪気な笑顔のままで妙に間延びした声で話しかけてきた。


ーー黒衣だし別にスルーしてもいいか。


頭の中で黒衣を相手したときの疲労と相手をしなかったときの疲労を天秤にかけた結果、前者が有効だと分かった僕は話しかけてくる黒衣を無視しながら、着々と帰り支度を済ませて、黒衣がいないかのように帰るために席を立った。


「流時、これから暇か?もし暇ならこれから俺の家に来ないか?一昨日知り合いからそれなりに面白い対戦ゲームをもらったから、それをやってみないか?」


後ろから、いつも通りのさっぱりとした低音が聞こえてきたので振り返ってみるとクラスメートにして友達の赤井 涙がこれまたいつものように無表情のまま話しかけてきた。


ーーん、涙が誘ってくれるんだから結構おもしろいんだろうな・・・。あっ、でも・・・


「悪い、涙。今日流華姉に夕飯の買い物を頼まれたんだ。だから悪いんだけどまた今度誘ってくれよ。」


申し訳ない気持ちになりながら断ると、涙は特筆するような変化は無く、普段と変わりないポーカーフェイスでコクリ、と軽く頷いてから自分の席に戻っていった。


涙はいつも沈黙がデフォルトなので、大して気にせず、涙の後姿を見送った。


「なぁ~!!なんで涙と俺とじゃこんなにも扱いが違うんだよ!?おかしいと思わなねぇか、涙?てか俺は誘ってくれないのかよぉ~~。」


何かをキャンキャンうるさく吠えているバカは無視してスクールバッグを肩にかける。


「それじゃあ僕は買い物があるからそろそろ帰るね。じゃあね、涙…と見知らぬクラスメート君?」


そう言ってから教室を出た。


涙はそれに反応して一度小さく首を動かした。


出て行く途中に見知りも聞いたことも無いクラスメートが何かを叫んでいた気がするけどこの際聞かなかったことにしておいた。


ーー世の中知らないほうがいいこともあるんだね。




教室を出てから十分弱経ったとき、ポケットに入れているケータイが震えた。


ケータイを開いてディスプレイを見て確認すると流華姉からの電話。


今取っておかないとあとで底なし沼のような文句を聞くことになるのは明白なのでおとなしく電話に出ることにした。


「もしもし、流華姉、どうしたの?心配しなくても買い物は忘れてないよ。」


『そうだったんだぁ~、リュウ君は偉いねぇ~~。お姉ちゃん、リュウ君がお買い物リストをお家に忘れちゃってて困ってるんじゃないのかぁ、と思って心配しちゃったんだけど、お姉ちゃんの見間違いだったんだね。』


ーー・・・・・・あれ?確か今朝家を出るときに確かにお金と一緒に財布の中に入れたはずだよね。


流華姉の言葉遣いに妙な威圧感を感じ、嫌な汗が背筋を撫でる感覚に襲われながらもズボンのポケットから財布を取り出して中にちゃんと買い物リストが入っているとことを確認する。


「・・・・・・あれ?もしかして、家に忘れてきたとか・・・?」


『どうしたのかなぁ、リュウくん。まさかとは思うけどおねえちゃんがお願いしておいた買い物リストを忘れちゃったとか言うか言うわけじゃないよね。・・・ねぇ、リュウくん?』


「・・・・・・・・・ははは。僕が愛しくて、愛しくて仕方の無いお姉さまのお遣いに必要な買い物リストを忘れたりするわけ無いじゃないですかぁ~~。」


『それもそうよねぇ、私ったら何言っているのかしら、フフフフフ。』


と優雅にお笑いなさるお姉さま。


それにあわせて僕の口からも『ハハハ。』と乾いた笑い声が漏れる。


嫌な汗が沸々と滝のように背中から滲み出てくるような感覚に襲われながらも、心を落ち着けて正常心を保つように整える。


「・・・・・・もし。もしも仮に僕が流華姉のお買い物リストを忘れちゃったりした、とか言ったらどうなっちゃうのかなぁ~~、なんて考えてみたりしたんだけど。・・・・・・聞いてもいい?」


震えて、呂律が回っているかも分からないまま、なんとか声を絞り出して聴いてみると、流華姉は何が楽しいのか愉快そうに口を開いた。


『そうねぇ~~。まず手始めに一ヶ月ほど朝ごはんとお昼ごはんとお夕飯を抜いてもらおうかな、ダイエット感覚で。』


人はそれをダイエットとは呼ばずに餓死と言う。


ーー・・・・・・あぁ、とうとう僕は死んでしまうのかぁ。せめて一度でいいから死ぬ前に間満漢全席を食べておきたかったなぁ・・・・・・・・・。


なんてしみじみと考えていると電話越しに『クスクス』と流華姉の笑い声が聞こえてきた。


『そんなの嘘に決まっているでしょ、リュウくん。リュウくんが見え透いたうそをお姉ちゃんに吐くからついついイジめたくなっちゃっただけだよ。』


ーー全く。お茶目な姉を持つと変な気苦労を抱いて大変だなぁ。妙に嫌な汗かちゃったなぁ~~。


なんて安心しきっている僕をよそに『でも』と言葉を続けてくる流華姉。


『・・・でも今度からは本当にそうしちゃうかもしれないね。』


ーー・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハハハッ、全然笑えないや。


なんとも言えずに黙っていると流華姉は何かを思い出したらしく『あっ!』と声を上げた。


『あっ!それとお買い物リストはメールで送っておくから今度はちゃんとお遣いお願い。』


「今度は大丈夫だよ、流華姉。それじゃあこれから買い物していくからあと三十分くらいで家に帰れると思うから。じゃあね、流華姉。」


電話をそう締めくくって普段流華姉が良く使っているスーパーマーケット『タイム』に歩を進めた。



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