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『いま』を

作者: 花優いのり

学生時代を懐かしく思えるような作品になったと思います。

お楽しみいただけますように♪

高校1年生のある日のこと。

今日も私達を照らしてくれて輝いている太陽があって、そして変わらない日々が続いている。


私が沙雪ちゃんのいる席に行って楽しく話をしていると、花梨ちゃんが猛ダッシュで教室に駆け込んで来て私達のところへやってきた。


「沙雪ちゃん、水美〜おはよう!ギリギリセーフ〜!!」と、友達の花梨ちゃんは言った。

「「おはよう〜!!」」

「今日の朝は、間に合って良かったね〜」と沙雪ちゃん。

「遅刻してくると思っていたよ」と私。


最近、遅刻が当たり前になって来ている花梨ちゃんたちと仲良く楽しく話し始めていたちょうどそのとき。


キーンコーンカーンコーン  

              キーンコーンカーンコーン

 キーンコーンカーンコーン 

                キーンコーンカーンコーン


学校に通うようになってから、かれこれ10年目すっかり聞き慣れてしまっているチャイムが鳴りだした。

慌てて私達は、自分の席についた。(3人して少し笑いながら)


そんな今日、この頃である〜〜〜。


 その後、担任の先生がすぐに教室へ来て、朝読書を初めて数分後に朝の会が始まった。先生からの連絡などをしているとき、私は先生の話などに耳を傾けながら窓の方をそっと見上げた。そして、動いていく空を眺めながら思った。

過ぎていく日々があっという間だと。

それは、私が毎日思ったり、実感したりしていることである。

たぶん、多くの人々が感じていることだ。

1日が、時間が、気がついたら一瞬で過ぎてしまうのは、不思議なことだなぁ〜とそういうことを考えていたら、朝の会が終わった。


今日の朝の会は意外と速く終わったので、これから始まる授業までの時間にゆとりができた。1時間目の授業の教科書やノートを机の上に出して置いたりと準備をしていると、花梨ちゃんと沙雪ちゃんがやってきた。


「さっきのチャイム、ナイスタイミングだったよね〜」

「あれはさすがに笑っちゃた」

とみんなして思い出し笑いをしながら話をしていると。


「水美ちょっとそのまま待ってて、返すものあった」

「あっ、私も」


花梨ちゃんと沙雪ちゃんはふっと思い出したことがあったようで、何かを取りに自分の席へいったん戻って行った。そうして、私のところへ戻って来ると。


「忘れかけてた。小説返すね。今回の作品もとても面白かった!」

「私もマンガと小説返すね。いつもありがとう!」


と花梨ちゃんと沙雪ちゃんに貸していた本たちが一気に帰って来た。

私はいつもの癖で、本に向かって「おかえり〜」と言ってしまった。

すると、案の定2人は笑い出した。


「さすが、水美だね〜!」と花梨ちゃん。

「物に挨拶するの何回見ても飽きないね〜!」と沙雪ちゃん。


「癖がついちゃったんだからしょうがないでしょ〜!!えっと、また違う作品貸すね〜!!」とちょっと笑いそうになりながらもいつも通りに私は言い返した。


そのあと、本のことでいろいろなお話をしていると沙雪ちゃんがそろそろ1時間目の授業が始まることに気がつき、かるく一言二言、話しそれぞれ自分の席のほうへ戻って行った。



そして、運動音痴過ぎて嫌いな体育や指名されまくりの脱線が多い地理などの午前の授業が終わってお昼休みになった。お昼休みのときはいつも、私と沙雪ちゃんと花梨ちゃんと一緒にお弁当を食べている。今日もいつも通りに空き教室にある机を3つ、くっつけて席に座りお昼の用意をした。


「はぁ〜疲れた〜。眠い。あとお腹すいた〜」と花梨ちゃん。

「私もお腹すいちゃった〜」と沙雪ちゃん。

「本当だよ。でも、いまから食べれる!」と私。


それぞれのペースで昼食を食べ始めた。楽しくおしゃべりをしながら食べていってお弁当の残りが半分を過ぎた頃。私はいつも思ったり、実感したりしていることを話し始めてみた。


「あのね、いつも思うことなんだけど、1日1日って、本当にあっという間だよね〜」

「確かにそうだね〜。小学生や中学生の頃の給食とか、あと行事でいうと運動会や音楽会も懐かしいよね〜」

「本当に懐かしいですね〜。高校生になると中学生の頃の校歌とか、そうそう!そういう歌詞だったね〜ってなる」と今までのいろいろな出来事について時間を忘れてたくさん語り合った。


そうして、話に終わりがつかないでいたら。


キーンコーンカーンコーン 

              キーンコーンカーンコーン

 キーンコーンカーンコーン   

                キーンコーンカーンコーン 

と予鈴が鳴り響いた。


私たちは慌てて席を立ち、机を元の位置に直して空き教室を飛び出し、自分たちのクラスの方へ走った。急いで来たのでなんとか、授業に間に合った。

そうして、教科書に沿って日本語訳をしていく英語。音楽、美術、などの選択科目などの午後の授業を終えた。


そのあと、掃除や帰りの会が終わって放課後になった。

私たち3人は部活動をしていないので教室に少し残った。

空いている席を借りて椅子に座って今日の出来事について話し始めた。


「お昼休みのあとの授業に無事に間に合って良かったよね〜」

「思い出話には話が尽きないからしょうがないよ〜」

「うん!そうだね。私、今思ったんだけど現在というか『いま』があるからこそ過去があるんだよね」


私の急な言葉にびっくりしたのか、沙雪ちゃんと花梨ちゃんは目を大きく見開いた。

そのあと優しく微笑みながら話し始めた。


「確かにそうだね。人は嬉しいこととか、悲しいこと、辛いことがあってそれを繰り返してできているからこそ『いま』の自分がいるんだもんね」

「うんうん!人は『いま』をこの瞬間をずっと記憶として残っているもの、忘れてしまうものもあるけど、精一杯自分らしく後悔がないように生きていくのが大切なのかもしれないね!!」


本当にそうだなぁ〜と私は思った。


「そうだね。後悔がないように生きていくことは難しいかもしれないけど、私たちが生活していく時間は 1秒、1分、1時間……とどんどん過ぎていくから。やだ、嫌と逃げたくても逃げることができないときがこれから先あるかもしれないけど、一歩踏み出して、挑戦して、進んでいかないといけないね。無理しすぎるのも良くないけど。できる範囲で!」


「それなら高校生は3年生のときの自分が後悔しないように頑張らないといけないね!!」とやる気、満々の沙雪ちゃん。

「そうだけど、たくさん勉強するのやだなぁ〜。現実逃避していい?」とすごくやりたくないと訴えてくる花梨ちゃん。

「ううん〜それはダメだから。とりあえずコツコツ頑張ろう!」とちょっと苦笑いで言う私。


これからのことなどいろいろなお話をしていきながら、そろそろ帰りましょうかということで席を立ち椅子をしっかりと元に位置に戻した。そして、教室から、学校の校門から外に出た。


夕方の学校からの帰り道。ゆっくりと、たわいもない話をしながら仲良く楽しく歩いて行った。





人生は、きっとあっという間なのかもしれない。

高校生の頃など学生時代を懐かしく思うときが来るのかもしれない。

今日、明日、明後日と、1日、1日がどんどん過ぎていって文化祭などの行事をやってきた記憶が儚く消えていくのかもしれない。

それでも、やってきたことや得た知識、経験はどこかできっと役立つから。

『いま』を、自分なりに頑張っていこうと私はそう思った。

読んでくださってありがとうございます(๑>◡<๑)



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