第一章07 初めて行ったよ商人ギルド!着物のイケメンロマンスグレー
―昼過ぎ―
少し忙しいお昼の時間が終わると商人ギルドに母さんと行くことになった。
レシピをまとめようと食堂の椅子に座り腸詰とパスタと薄いパン、サラダとドレッシングを二品とオムレツのレシピ、ペペロンチーノのソース、スープ三種類のレシピを書きまとめた。
母さんに手を引かれレシピと昼に余分に作っておいたペペロンチーノと薄いパンを落とさないようにマジックバックに入れて商業ギルドに向かう。
俺もギルド登録をして口座を作るらしい。
大きなにぎわった建物があり、そこかと聞くと冒険者ギルドだった。
冒険者ギがいるのだからギルドがあるのも当然だなと向かい側の少し大きめの建物には金貨の袋のようなマークが書いてある。
ここが商人ギルドらしい。
冒険者ギルドは剣がぶつかり合ったようなマークが書いてあった。
「母さんほかにもギルドはあるんですか?」
「そうね…薬師ギルドにテイマーギルドに鍛冶ギルドに装飾ギルドなんかもあるわよ。」
「いろいろあるんですね。」
「アーヴァンはポーション売り出すなら薬師ギルドにも登録しないとならないわよ。」
「そうですね…ポーションも作ってみないので出来たら登録したいです。」
「商人ギルドに行った後に登録しましょうか。」
「はい。よろしくお願いいたします。」
「さ、商人ギルドに入りましょ。」
商人ギルドに入るとすごい美人な受付さんが迎えてくれた。
「ようこそ商人ギルドへ!ナターシャ様何かご入用でしょうか?私ハマリが受けたわまります。」
「こんにちはハマリさん。今日は息子のギルド登録と口座を作りに来たのだけれど。こほん…ここだけの話特許をとれるレシピを売りに来たの…個室は使えないかしら?」
「ナターシャ様がそこまで言うのでしたらギルマスも呼んできましょう。こちらの個室へどうぞ。」
受付から近い個室に通されて少し広い個室のふかふかのソファーに腰かけた。
上等な机とふかふかなソファーと花瓶に入った花に見とれていると隣に腰かけた母さんが再度背筋を伸ばしたのをみて背筋を伸ばす。
程なくするとがっしりとした見た目イケメンのロマンスグレーの黒の着物を着た男性がきた。
着物がこちらにも存在していたなんて吃驚である。
「またせたのう。アーヴァンといったな。初めましてギルドマスターのキースだ。して、わしを呼び出した程とは何事じゃ?」
「キース様私ナターシャから話させていただきますわ。家の息子のアーヴァンが先日誕生日でしてスキルを授かったのですが料理系のスキルが開花しましてすごいレシピを開発したんです。そのレシピで特許が取れないかとご相談に参りました。」
「ほう…オーガストが認めたレシピならばわしも興味がある。ひとまずみせてくれ。」
「レシピはこちらになります。どうぞ。」
「ふむ…ほう!これは見たことがないものばかりだ。これは一度作ってもらわないとわからないものばかりだな…なにかこう出来上がったものなどはないのか?」
「そう来ると思いましてマジックバックにペペロンチーノパスタ一人前は作ってきました。サラダはレシピ通りで大丈夫だとおもいます。腸詰はさすがに食べきってしまいましたが家に食べにきてください。」
マジックバックからペペロンチーノと薄いパンを取り出しファーくとともに差し出す。
一応時間停止機能が付いているのでほかほかだ。
「そのパンにパスタを挟んでも美味しいと思います。どうぞ召し上がってみてください。」
「ほう…これは…いただいてみよう。ん…うむ…うまいなこれは。この薄いパンも斬新だが食べやすいな。」
「薄いパンは今回レシピはないですが色々応用がきくんです。まずは薄く延ばしてソースを塗りチーズをのせればピザという料理に。パン生地で具材を包んで蒸かして焼けばおやきというものにもなります。こちらのレシピは次回お持ちしようと思います。」
「このパスタもパンも本当にうまい。これは特許をとれると思う。こちらで買い取らせてもらおう。ほかにも何かあったら言ってくれ。」
「ありがとうございます。パスタにもほかにもいろいろなソースがあるのでベースとなるものはこちとらに後日売りますのでどんどん町の料理人の方々に美味しいものをあみだしていただきたいのです。」
「なるほど…可能性が秘められた料理なのだな…で買い取り価格だが一つに着き金貨2枚だ。このレシピが売れるたびに1割がアーヴァンの口座に入る。」
「結構高い金額なのですね…」
「そうでもないぞ。いままで食べたことのないレシピを売ってくれるのだ。これが流行れば金貨2枚以上のもうけになる。一枚大銀貨3枚で売るんだからな。」
一つにつき日本円で20万で商業ギルドからの販売が一3万円。
料理人達が買う分にはそこまで高くないらしい。
今日もってきたレシピだけでも10品ほどある…金貨20枚ということは大金貨2枚ということで日本円で200万となる。
「あと口座つくりはここに名前と血判で、ギルドカードはこの水晶にてをあてると制作できる。スキルの開示は個人の自由だ。ここに血液をたらしてもらう。」
「わかりました。」
「針はこの機械を使って指から血を出してね」
母さんに言われて水晶に手を当てると下の台からカードが出てくる。
商人ギルドと書かれていて俺の名前とレベルが書かれていた。
「級はS~F級がある。アーヴァンはFからだ。Fだと屋台ぐらいは自分で持てるが店を持てるのはC級からだな。しかし今回のレシピがとても売れそうなのでD級にしておこう。C級からは専属護衛も雇うことが可能だ。上納金はF級は銀貨8枚、E級は大銀貨8枚以上、D級は金貨2枚以上、C級は金貨5枚以上、B級は大金貨2枚以上、A級は大金貨5枚以上、S級は白金貨1枚以以上を払うとなれる。S級ともなると伝説級になるし、王家御用達の商人になれる。王家しか相手にしなくても大丈夫になるし金も稼げるので目指す商人も多いんだが、君はどれほどの商人になるのだろうな…いまから大変たのしみだ。」
「ありがとうございます。」
「あとは口座はこれでよし。」
俺が血判をあし名前を書くと紙が光りギルドカードに吸い込まれた。
凄い魔法だな…。
これで口座が開設されたらしい。
「登録料の銀貨5枚は差し引かせてもらうぞ。あわせて金貨1枚と大銀貨9枚と銀貨5枚を振り込ませてもらう。」
「はい、大丈夫です。」
「素晴らしいレシピに登録料を免除してもよかったんだが…副ギルマスがうるさくてのう。」
「いえ。しっかり徴収していただいたほうが助かります。」
「アーヴァンは本当に5歳かのう?」
「一応5歳です。」
「手続きは以上じゃ。パスタ御馳走様。」
「お粗末様でした。」
「今日はほかにも行くところがあるのかのう?」
「一応この後薬師ギルドにも行く予定です。」
「宿屋のポーションの仕入れかのう?じゃったらいそがねばな。帰って大丈夫じゃ。」
「ありがとうございます。行きましょうかアーヴァン。」
「はい母さん。有難うございましたキース様。」
食器を受け取りマジックバックにしまうと商人ギルドを後にした。
次は薬師ギルドだ。