第一章06 昼食は食べておいしいペペロンチーノ!
―昼前―
今日の昼ごはんはパスタにしようと思う。
簡単に作れるトマトベースにしたほうがいいかと思ったのだが、ペペロンチーノが簡単なので蒸し鶏とキノコのペペロンチーノにする。
ベーコンも作ってみたいが今夜は決まってるため次回にする。
お昼が終わったら商人ギルドにレシピを売りに行くことになった。
父さんや母さんが急いだほうがいいと言い出したのだ。
昼はスーラさんやジノさん、ラースラさんやフウさんも食べるらしい。
食べる暇が少しあるぐらい昼のお客様はまばらだと聞いたが…朝の混雑を考えると多めに用意するに越したことはない。
強力粉に塩や卵とオリーブオイルとお湯を入れてしっかりこねる。
俺は腕力があまりないので父さんにこねてもらい俺は大量のニンニクを刻む。
「アーヴァンこの生地というやつはどれぐらいこねたらいいんだ?」
「つやが出るといいますか、つるっとした見た目になるまでお願いします。」
「つや?」
「滑らかでしわがない状態です。」
「よくわからんがパンの時のような感じだな?」
「そうです。お願いします。」
父さんはパワーや体力が俺よりあるのでひたすらこねてもらってる。
こね終わった生地は休ませている。
50人前ぐらい作れば足りるだろうか?
余ったらパスタ生地でラビオリなども作れる。
30人前ぐらい平面のパスタを作ろう。
昼時近くになり、休めていた生地を打ち粉をした大で四角く薄く綿棒のようなもので延ばす。
四つ折りにしてよく切れる包丁で平内麺に似せた1㎝幅ぐらいに切っていく。
サイズがそろってないのは手作り特有だと目をつむってほしい。
切り分けなものを一人前強ぐらいに分けていく。
大鍋にお湯を沸かす。
それとは別に付け合わせのスープを作る。
鶏肉を蒸す時間がなくゆでた汁にキャベツと卵を入れて塩コショウとハーブを入れて味を調えたキャベツと卵のスープをつくる。
ペペロンチーノはアーリオオーリオペペロンチーノだという名前だと昔調べて知ったのだが、ニンニクと唐辛子とオイルのパスタというらしいが、俺はここにキャベツと鳥を細かく切ったものとキノコをたっぷり入れるつもりだ。
昼に入る前に従業員たちの昼食を作ることになっている。
パスタを大鍋に沸かしたお湯でゆでる。
おおよそ8人前ぐらい作っておこう。
沢山食べるエルフがいると父さんから聞いた。
パスタが浮いてきたらゆであがりの合図なので、多めのオリーブオイルに沢山のニンニクのみじん切りを熱し唐辛子も控えめに加える香りづけ程度だ。
ゆで汁を気持ち多めに加え、シャーっと音が鳴り油が少し跳ねるが気にせず落ち着いたところに、ゆであがったパスタを入れてからめると炒めておいたキャベツとキノコと細かく刻んだ鳥肉を加えて和えると皿に盛り付ける。
「父さんできました。」
「そうかならみんなを呼ばなきゃな…ってもういるじゃねーか」
父さんの言葉で食堂を見ると見知ったフウさんやラースラさんとエルフが二人…多分ジノさんとスーラさんだと母さんが腰かけていた。
「オーガストいい匂いがするわ…まだかしら。」
「オーガスト!早く早く!」
「スーラ…うるさい」
「ジノも早く食べたいだろ腹なってるよ?」
「オーガストさんあたしらはいつでも食べられるよ!ねえフウ?」
「そうねえおなかペコペコよね」
「今運ぶっつーかとりにくてくれ」
「「はーい。」」
各自が取りにたのでパスタとスープとパン、そして匂い消しに食後様にリンゴの皮をむいて食卓に置いた。
「英知の女神ステファン様今日の糧を有難うございます。」
「これはパスタというのですがこうやってフォークにまいて食べます。ん、いい出来です。」
「なるほどどれどれ…んぐ…こりゃ美味しいね」
「スープが温かいしこのふわふわした卵が本当に美味しい」
「ん、うまーい!このもちもちしたパスタってやつ旨いな!」
「ん…ん…美味しすぎる…」
「アーヴァンは本当に料理上手ね!私これから色々な料理が楽しみだわ。」
「商人ギルドにレシピの特許登録すればアーヴァンは金持ちになるかもな。」
「俺は金持ちというよりは料理が広まってほしいだけなんですけどね…」
「欲がないね―アーヴァンは?こんな革命的レシピ料理屋からしたら喉から手が出るほど欲しいと思うよ?絶対売れるからね。」
「スーラのいう通り…」
「そういや今更だがこいつらが護衛のスーラとジノだ。後は朝紹介した朝と昼の飯を運ぶ手伝いのフウとラースラだ。」
「今かよてかてかアーヴァンお前凄すぎ!俺がスーラだこっちが双子の妹のジノ!このパスタもっと食いたいんだがおかりあるか?」
「おかわりありますけど…お客様にもお出しするので2回まででお願いします。夕飯は沢山作るので沢山食べてください。」
「わかった。おかわりよろしく。」
「私はジノ…私もその…おかわりおねがい」
「あたしはラースラだよ。アーヴァンが産まれたときからしってるよ。よろしく。」
「そいでわたしがフウですラースラの従妹なんだ。よろしくね。」
「ラースラさんにフウさんよろしくおねがいします。では、おかわりつくってきますね。」
俺は二人のパスタ作りにいく。
手早くゆでて手早く大盛りで作ると皿に盛り付けて運ぶ。
「できました。食べ終わった方はニンニクの香りがきついと思うのでリンゴを食べてください。」
「リンゴを食べるとどうなるんだ?」
「ニンニクの強い香りが軽減するんです。」
「アーヴァンは物知りだな。」
みんながリンゴを食べ始めたので俺は食器を片付ける。
みんなが食べ終わると戦争の準備をする。
戦争のように混むのは夕飯だから大げさかもしれないが…。
昼食時になるといつもより少し多めの人が押し寄せてきた。
ひたすらパスタを茹でてペペロンチーノをつくる。
薄いパンとスープとリンゴをつけて運ぶ。
30人前はあっという間に売り切れた。
気持ちの良い疲れを感じながら商人ギルドに向かう前にベットメイキングを手伝うことにした。
少し気になっていたので母さんに見せてもらうことにした。
ペンションでの経験からどんなもんかと思っていたのだ。
各部屋のベットはきれいだがやはりベットメイキングって程でも無かったので、母さんに見せてみた。
「こうやって端を揃えたらどうでしょうか?」
「たしかにいつもより綺麗ね。橋の整え方も、もう一回見せてもらえる?」
「はいこうです。」
綺麗にベットメイキングを見せると母さんが全部やってくれるらしいので俺は父さんに腸詰の制作を頼み母さんと商人ギルドに向かうことになった。