真相
[第3話] 真相
今日の私は就職活動で忙しい。
趣味?の地下アイドル活動もなんとか並行して続けているんだけど、早く内定をもらわないと!
面接を受けた数週間後、雑誌編集の会社に内定を頂いた。
内定理由は、社長がアイドル好きで私が地下アイドルをしているのを知っていてのことだった。
実はライブに社長が見に来ていたらしく、推しは私らしい。
まぁ、何はともあれ就職戦線に勝ち残ればいいんだから。
無事に内定を勝ち取った飛鳥は、1ヶ月後、見事入社が決定した。
女子大を卒業すると、直ぐに社会人デビュー。
編集部に配属となった。
雑誌編集の業務は、街ぶらやオカルト、時事ネタに関するまでなんでも取り扱う。
全国で有名なタウン情報誌である。
早速、初日から取材に同行することになった。
その取材先というのは、彼氏の会社だった。
彼氏には就職が決まった事は伝えていたが、会社名だけは特に言う必要ないと思って黙っていた。
まさか初日から彼氏の会社なんて。
上司に関係がバレたら面倒臭いから飛鳥はアイコンタクトした。
早速お互いに名刺交換をするが、違和感が半端ない...。
初仕事となる取材内容とは、
近年の宇宙事業と都市伝説についてだ。
同行の上司は、取材を進める一方、私は隣でメモを片手に聞き入る。
「御社では宇宙開発に力を入れていらっしゃいますが、宇宙旅行は人気なんでしょうか?」
「お陰様で、いつも予約が満杯で有難い気持ちでございます」
取材を進める中で、近年流行っているタイムスリップについてに触れた。
彼の返答は、
「私も仕事上、タイムスリップを何回もしていますよ」
「仕事のために先回りして世の中の動向を調べているんです」
「だから、体はボロボロですけどね...」
「噂だと、タイムスリップには限度があって、超えてしまうと病にかかるらしいですが本当ですか?」
「噂だと思いますが、一応回数には気をつけてます」
「ありがとうございました」
「またご縁がありましたらお願いいたします」
と取材は無事に終了した。
そして、帰宅後に彼と会うことになった。
彼は取材された事でタイムスリップの真相を打ち明けた。
「あのタイムスリップは仕事上、必要なんだけど、未来に行ったらたまたま、飛鳥が別の男と付き合っているのを見ちゃって...。」
「だから過去に行ってお前に会わないようにコントロールしてきたんだ。犯罪になるような事は全くしてないから安心して。」
(男の前で体調を崩すフリをしたり、目の前で書類をぶち撒けたりして出会いのタイミングをズラしていた...)
彼は、幼少期の約束を頑なに守ろうとして私に近づく男を遠ざけさる行動に出ていたのだ。
その反面、体は宇宙放射線を浴びてボロボロなのだ。
そして彼は、体に宇宙放射線を浴びていることを告白した。
「そこまでしなくても私の心は決まっていたのに...」
彼は「いや、現実は分からないものだよ」と。
「そう思っていても、一度切りの人生、意外にも衝撃的な出会いで結ばれることもありえるから不安になってね」
「確かに...」と、飛鳥は頷く。
「だから時をコントロールしたら、完全に好きなものを手にできるかもしれない。そう思って、タイムスリップしたんだ」
最初はショックだったが、飛鳥は最終的に彼の想いを理解した。
しかし、彼がしたタイムスリップでの行動よりも、病にかかってしまった方が気になった。
果たして飛鳥は彼とどう向き合うのか?
" 結婚 " 、" タイムスリップ " 、" 病気 " 。
飛鳥は幸せな未来を切り開くことが出来るのか?