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私は未来のあなたと結婚します。  作者: 山手みなと
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奇跡

[第1話] 奇跡


「なんだか世の中は何かと便利になりすぎた時代になったもんだ」

「連絡を取りたければ、瞬時に繋がることができて、居場所も特定できてしまう...」

「そうなると、恋の駆け引きは昔と違ってドラマチックさに欠けてしまうんだよなぁ」

彼女のそんな想いとは裏腹に、現代の恋愛はドラマチックな展開を求めるよりも、確実に好きな人を計画的に手にする方法が世間で流行っているのだ。

「なぜそんな時代になってしまったのかな?」

連絡が瞬時に出来てしまう時代の影響なのか恋愛は奇跡的な出会いや運命的な展開は、当たり前すぎて感覚が麻痺してしまっている。

その一方、世の中では宇宙開発が進んでおり、タイムスリップによる旅行が可能になっている。

ツアー旅行に参加すれば気軽に誰でも行けるらしい。

参加者の中には、旅行を恋の駆け引きに利用しようと企む人々が増えている。

意中の相手の過去と未来をコントロールすれば、恋の駆け引きに勝てるという魂胆だ。

「運命は自分で手繰り寄せる物だというが、なんか違う気がする...」

「なんか信じられない...」

だって、昔は携帯電話なんて無いし連絡手段は家の電話のみ。公衆電話からこっそり掛けるんだけど、親が出て諦める。だから、しばらく恋人に辿り着けないことも...。

でも相手を想う気持ちが伝わるとタイミングよく電話に出てくれて喜んだものだ...。

デートの待ち合わせも、少しすれ違いが起きても最後に会えた時は運命を感じて、さらに仲が深まったものだ...。

奇跡の連続の上に恋愛は成り立っているものなのに...。

全てコントロールしたら、ドラマチックなんてひとつもない...。

それを捨ててまで、現代の人間はコントロールに奔走するのか...?


そんな世の中に対して考えをぶつける彼女の恋愛奮闘劇が始まるのだ。

果たして意中の彼をゲットできるのか?


私の名は飛鳥。卒業を間近に控えている女子大生。

最近、過去の恋愛について考える時があるんだよね。

中学生の頃から彼氏は何人かいたが、なぜか胸がときめく事は無くて自然消滅...。

気が付いたら今は独りぼっちなんだよね...。

でも、たまに思い出す地元の幼馴染に言われた言葉がなぜか忘れられなくて、考えるだけで胸がザワつく自分がいる。

幼稚園児だった頃、その彼に「大人になったら結婚しよう」と言われていたのだ。

よくある、子供同士の戯言でしかないと今は思うんだけど...。

ある日、女子大生である飛鳥は、就職活動に追われて忙しい日々を過ごしていた。

とある会社の入社面接に行く途中、バッタリ彼に出会う。

顔を合わせるのは小学生以来のことで懐かしい。

実は中学生に上がる頃には彼は遠くに引っ越しをしてしまい、お互い離れ離れになっていた。

久々に会えた喜びに、2人は夕飯を食べに行く約束をする。

無事に面接が終わり、2人は待ち合わせの後、夕飯へ。

連れてこられたのは、高層ビルの最上階。お洒落なフレンチレストランだ。

食べながら、なんだか幼い頃の話に花が咲く。

しばらくすると、彼が口を開く...。

「そういえば俺、あの約束今でも忘れてないよ」

飛鳥は驚いたが、同じ気持ちだった...。

話は別の内容になり、

彼はあの時、偶然にもビジネス街にいたから就職活動していると思ったが、実はしていないそうだ。

既に実業家になっていて実家も資産家らしいのだ。

「知らない間に、差をつけられちゃったね!!」なんて笑い返す。

「私は就職活動しているんだけど、勉強の傍ら、夢だったアイドル活動をしていたんだ。でも、なかなか日の目を見なくてね。未だ地下アイドル止まりなの」

現在に至るまでの話をお互いにして夕食は盛り上がった。

気が付いたら終電が無い。彼女は彼の家に泊まることに...。

その夜、2人は自然に結ばれた。


しかし、その出会いは彼の未来のコントロールによるものだったとは飛鳥は知らないのであった...。

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