修羅場?
屋敷に着いた僕たちはオリビアに連れられオリビアが止まる予定の客室まできた。
「ノア、そこに正座なさい」
とオリビアに言われたので
「はいっ」
と言って急いで正座した。動きが過去1速かったかもしれない。
というかオリビア怖い…
「ノアはそのままにしておくとして。ミュウさん、あなたはノアの何になるつもりですか?正妻ですか?側室ですか?それとも妾ですか?」
オリビアが問い詰めるように言う。それに対してミュウは
「わたしは政略結婚のオリビア様と違ってノアくんを愛していますし愛されています。なのでオリビア様とは違って正妻やら側室やらの地位には拘りません。愛されればそれだけでいいのです」
と答えた。やたらと強調している言葉があるが、普段の様子からは見られない凛とした様子だった。
「わ、私だって別にノアとは政略結婚だけではないと言うかなんと言うか…」
ん?急にオリビアの雲行きが怪しいぞ、どうしたんだろうか?
「オリビア様はノアくんのことは別に好きではないのですよね?」
すかさずミュウの反撃が入る
「そ、そうですよ。ノアのことなんて、す、好きではありませんから」
オリビアがめちゃくちゃ必死になってきている、さっきの余裕はどこへやら。
「なら私がノアくんをもらっても大丈夫ですよね?」
ミュウが今日は鋭いぞ、やっちゃえミュウ
「だ、ダメだもん、ノアは私のだもん」
一気に子供っぽくなってきている
「でも、好きではないのですよね?」
いいぞいいぞ、このままやっちゃえミュウ
あ、れ、とうとうオリビアが泣目になってしまった。
そして言う。
「す、好きだもん。好きなのに、病気で苦しんでるって聞いて急いで王城から飛び出てきたのに、こっちに着いたらいないし、治ったって聞いて、久しぶりに遊ぼうと思って鍛冶屋に行ったら膝枕されてるし、キスされてるし、大好きだよ僕もだよとか言い合ってるし、う、う、うえええええん」
と泣き出してしまった。
なるほど、典型的なツンデレだったのか、じゃなくて
よくよく考えてみたら罪悪感が、
オリビアの立場で言うと、好きな婚約者が病気にかかったときいて心配で心配で駆けつけたら治っていた、それで久しぶりに遊ぼうと婚約者のところに行ったら目の前で他の女の子とキスをして大好きだよ僕もだよと言っている婚約者がいた、と言うことだ。
うん、僕の罪は相当でかいぞ。
そんなことを考えているとミュウが
「ようやく好きって言いましたね、好きでもない相手を心配してここまできたり問い詰めたりしませんからね」
と少し勝ち誇った顔で言う。
すると今まで黙っていたスミスさんが口を開いた。
「ミュウ、理由やら過程やらはどうあれお前はノアくんの浮気相手であり婚約者のオリビア様にどうこう言う権利はない、家に帰るぞ。オリビア様失礼します、愚娘は家でしばいとくのでノアくんの始末はお任せします。私もノアくんに婚約者がいることを知っていながらこのことを許していたので罰するのが決まり次第お呼びください」
そう言ってスミスとスミスに引きずりられるようにしてミュウが帰っていった。
「オリビア、僕も失礼するよ」
と客間を出ようとしたが
「何をしているのかなノア?こちらへいらっしゃい」
と黒い笑みを浮かべるオリビアに逆らえずオリビアの正面に行き正座する。
このあとこってり絞られました。
だけど途中からオリビアが甘えてきて可愛かったです。
そして次の日の朝にはオリビアは帰っていきました。
僕たちロバスト一家とミュウ、スミスが見送りをした際、
「ノア、ミュウに甘えるのは減らしなさい、あと1週間に1回は手紙出しなさいよ、ミュウ、側室としてなら認めてあげましょう。でも忘れないでくださいね、1番は私ですから」
と言って。
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