そしていよいよ(擬装)ステータス公開
そしていよいよ夕飯の時間だ。
貴族らしい豪勢な料理が食卓を彩っている。
記憶としては食べたことあるが生ではやはり違う、本当にうまそうである。
ロバスト家は装飾品などはほとんどなく、屋敷も*辺境伯家なのに大きいだけでとても質素なのだが、食事だけはとても豪華で多く、美味しい。
辺境伯という立場上、常に外敵には備えていないといけないため体だけは丈夫に、もし屋敷が奪われたり壊されたりしても大被害を被らないようにしているのだという。
テーブルのいわゆる誕生席と呼ばれる場所には当主であるリアム、リアムから見て右側がリアムから近い順でエマ、ソフィア、ルナ、左側がリアムから近い順でルーカス、そして僕だ。
リアムが「皆揃ったな。ではノア、ステータスを見せてくれ」
と言ったので
「わかりました父様、僕のステータスをお見せします。その前に一つ聞いても良いですか?」
「いいぞ」
「なぜステータス公開は10歳の誕生日なのでしょうか?」
「それはだな、えっとだな、確かな…」
リアムが言い詰まると
「ふふ、リアムは勉強不足ですね。代わりに答えてあげましょう。人間の年代的に魔力が体に定着するのは10歳だということがわかっています。知っての通りステータス公開は魔力を使うのですが魔力が体に定着する前に自然消費より多くの魔力を使うと魔力ではなくて生命力を使ってしまう、つまり寿命が減ってしまうのです。そのため10歳を過ぎてからステータス公開は行うのですよ」
「母様は父様より物知りなのですね、ありがとうございます」
というとリアムは「ウグッ」と精神にダメージを喰らっていた。
「では、はじめます。ステータスオープン」
~【(擬装)ステータス】~
【名前】ノア=フォン=ロバスト
【種族】人族
【称号】リアム=フォン=ロバストの次男 オリビア=フォン=プロシオスの許嫁
【体力】750/750
【魔力】5000/5000
【筋力】450/450
【敏捷】850/850
【器用】650/650
【精神】700/700
【所持基本魔法属性】火 水 風 地 無
【所持希少魔法属性】雷 氷
【所持特殊魔法属性】時空 召喚 治癒 重力
【所持スキル】高速回復 武芸之才 魔法之才 空間収納 鑑定 探査 見切 魔力感知 魔力回復 魔力操作
【所持固有スキル】《魔法之王》 《武術之天》
「「「「…………」」」」「?」まだ理解できないルナ以外が口を開けた固まっている、どうしたのだろうか?
「みんな固まってしまって、どうしたのですか?」
と聞くとリアムが何かから解放されたかのように喋り出した。
「基本数値がおかしい。現宮廷魔術師筆頭の魔力が確か5000より少し上だと聞いているぞ、それに10歳なら全ステータスが10台が普通だ。しかもスキルを俺より持っている上に固有スキルが…」
そこからはエマが引き継ぎ
「普通、固有スキルは《使》級が普通、《者》級を持っていればすごいと言われて《将》級は国に1人いればいい方で《王》級は英雄譚などで描かれる英雄が持っているような代物、《天》級なんて神話の生物が持っているようなもので、今まで観測されたことがない神と同等の《神》級の1個下でものすごい力を持つとされているのよ、それを持っているだけでもすごいのにさらにもう一個《王》級も持っているなんて、あり得ないわよ」
ごめんなさい、もっと大量の《神》級固有スキルを持っています。
予想以上に騒がれている。
もう少しステータスを弱くしなくてはいけなかったようだ。
弱くし過ぎて舐められないようにって思ってステータスをいじっていたらやり過ぎてしまったみたいだ。
「まあいい、もう10歳だから冒険者登録ができるはずだ。小遣いを渡すから登録後に冒険者でも雇って戦闘のこととかを教えてもらうといい。」
リアムにそう言われたので元気よく
「わかりました父様、これから楽しみです」
と答えた。
なぜか夕食の場が微妙な空気なっていたが気にせず料理を味わった。
読んでいただきありがとうございました。次も読んでいただけると嬉しいです。