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2話はヒロイン登場です!

「だ、大丈夫ですか!?」


少女が泣きそうな顔で、パタパタと駆け寄ってくる。


この世界に来てから、もう二回怪我した。特に腰。

主人公補正って身体能力そのものが上がるわけじゃないのか……割と不便である。

じわじわと地味に痛む腰を抑え、とりあえずその場に起き上がる。


「全然平気だよ。それより君は?」


「わ、私も大丈夫です……あの、危ないところを助けていただき、ありがとうございます!」


少女の身長は150センチほどで、かわいらしいロリータ衣装であることも重なり、まだまだ成長途中のような印象を受ける。

そんな幼い見た目だが、自分が知っている中でこんなにきちんとした振る舞いで、礼儀正しい少女を僕は知らない。


「いや、間に合ってよかったよ。僕はナルエリョウ。リョウって呼んでよ」


「リョウさんですね。私はマリーズ・ゴールドです」


「じゃあマリーちゃんだね。よろしく」


「は、はい。よろしくおねがいします」


僕が手を差し出すと、マリーちゃんはゆっくりと僕の手を取ってくれた。

急に自分にプレイボーイ感が出てきたのは気の所為だろう。

……いや、主人公補正か?


「色々聞きたいことがあるんだけど、今じゃなくていっか。近くに町とかあるかな?」


「わ、私も行くのでご一緒したいです。というかリョウさんはどこから来たんですか?リョウさんが来た方向は何も無いですし、ここ一帯はほとんど森のはずなんですけど……」


「えっと……別の世界?」


「え?」


「まあ、そうなるよね」


突然現れた男が別の世界から来たなんて言っても誰も理解できないと思う。

誰だってそうなる。

僕もそうなる。


「じゃあ、リョウさんは異世界人ってことですか」


異世界って概念あるのか。


「信じてくれるの?」


「はい、稀にそういう人がいると、昔聞いたことがあります」


ということは他にも日本から来た人がいるのか。

そういえばあの女神が確率とか言ってたな……

今は何故か姿が見えないけど。


「それに、リョウさんの服は見たことありませんし……これが異世界の服なんですね……」


マリーちゃんは、僕の服に興味を示しているようだ。

上下ユ○クロとか言えない。

僕の学校、私服登校だったからなぁ……

ちなみに靴は○○○マート。


「リョウさんはどうやって異世界から来たんですか?」


「ちょっと説明が難しいんだけど、前の世界で一回死んじゃったんだよね」


「え?」


「やっぱりそうなるよね」


突然現れた男が以下略。


「まあ、なんやかんやあって今さっきこの世界に来たんだ。そこで偶然マリーちゃんに会ったんだよ。これも運命の出会い……みたいな」


なぜだろう。恥ずかしくない。

主人公補正ってこういう能力だったの?


「運命、ですか…………ふふっ、そうですね!リョウさんは私の命の恩人ですから」


確かめるようにつぶやき、彼女は満更でもなさそうに微笑む。

その屈託のない笑顔を見ていると、僕も温かい気持ちに包まれていた。

守りたい、この笑顔とはこのことだろう。


「じゃあ、お話しながら行きましょうか」


「うん、行こうか」


こうして僕達は町に向かって歩き始めた。





……なにか忘れている気がするけど、まあいいか。

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