魔王の力
信長はイフリートを見てしばらく固まっていたが、ふと我に返って女に質問した。
「そなたが、今やった、闇を出したり、化け物を出したりすることはオレにもできるようになるのか?」
「????」
女はしばらく不思議な顔をして答えた。
「何をおっしゃるのですか魔王様、魔王様は私のようなものは比べるまでもない大魔法や従魔があるではありませんか」
女は自分の事のように自慢げに話した。
「ちなみにオレの魔法はどんなものだったかわかるか?」
信長はそれとなく聞いてみた。
「そうですね、私の好きな魔王様の魔法はやはりメテオイクスプロ―ジョンでしょうか」
「あの流星が降ってきて、大爆発する様は感動ものですわ」
女は丁寧に魔法のイメージまで説明してくれた。
信長は心の中で流星と大爆発のイメージをもって、魔法を念じた。
「メテオイクスプロ―ジョン!」
突如、天空に隕石が出現し地表に降り注いだ!
「がががががーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
テラスから見える地表はすべて削り取られてしまった。
信長は自分で放った魔法ながら、あまりの強大な威力に目を丸くした。
「こ、こんな魔法を放ったら、相手を攻撃して従わせる前に国ごと全滅させてしまう・・・・」
信長は思ったことが口に出てしまっていた。
「そうなんですよね、以前から魔王様はよくおっしゃってますね!なかなか使い道がないと !」
女は顎に人差し指を添えて、かわいいそぶりをしている。
「でも、私は好きですよ!」
「であるか」
信長はどっと疲れた。
「魔法が使えることはわかった」
「女、ではオレの怪物はどんなものだった?」
続いて信長は自身の従魔について質問した。
「ああ、あのグレートドラゴンですよね。 ドラゴンの王か何か知らないですが、私はあの態度はどうかと思いますね」
女は腰をくねくねしながら答えた。
「な、なるほど。グレートドラゴンというのだな」
「よ、よし!」
「グレートドラゴンよ、いでよ」
信長は見よう見まねでやってみた。
「呼んだが、わが主よ」
空を覆いつくすような巨大な竜が信長の前に現れた。
「こ、これは竜ではないか!」
信長は思わず腰が抜けそうだった。
「確かに、竜ではあるが、われはグレートな竜である」
グレートドラゴンは自ら胸を張り、ポーズをとった。
「ほ、ほう!」
「そちの力をオレに見せてみろ!」
信長は軽い気持ちで行ってしまった。
「われの力を見たいと! ではとくと」
グレートドラゴンはそういうと大空に飛び立って。口から、漆黒の炎をだした。
信長の魔法で消滅した大地が、その炎の衝撃でさらに巨大な穴が開いた。
「お。おう!!」
信長は驚きのあまり口を開けたままで固まっている。