魔王は戦国時代へ
「・・・・」
「・・・・」
「どこだ、ここは?」
われは、魔王だ!
ついさっきまで、オレは魔王城大広間の椅子に腰かけていた。
腹心で愛人のサキュバスとともに・・・・
それが、いったいどうしたということだ!
次の瞬間、炎に囲まれた狭い部屋の中にいる。
手には、短刀か?
「上様、どうされました?」
なんだこいつは?変な髪形の人間が我に話しかけてきている。
とにかくこのうっとおしい、炎を消そう!
こんな炎など、水魔法で一瞬のうちに消し去ることができるのだ!
魔王は立ち上がり、右手を上に掲げて、魔法を念じた!
「・・・・」
「・・・・」
「なんで? 魔法が発動しないぞ?」
「おかしい・・・・」
「よし、もう一度だ!」
魔王は、再び魔法を念じた。今度はさらに強く!
「・・・・」
「・・・・」
「どういうことだ・・・・」
魔王はこれまで何度も使ってきた魔法が発動しないことに困惑した。
「上様、どうされましたか!」
「お早く自害を! 光秀の兵が来てしまいますぞ!」
おかしな髪形の男が、おかしなことを言っている。
「上様とはわれの事か・・・・」
「だとしたら自害って!」
「何でわれが自分で死ななければならないのだ!」
魔王は困惑した表情で、眼前の男を見ている
「まさか、信長様がこんな腰抜けだったとは・・・・」
おかしな髪型の男は突然立ち上がり、刀を抜いた。
「このうえは、拙者が解釈を!」
おかしな頭の男は魔王に切りかかってきた。
「な、何をする!」
とっさに魔王は刀を振り下ろす男の腕をつかんだ。
「どさっ」
魔王は男を部屋の端まで弾き飛ばした。
到底人間業とは思えない怪力で!
「えっ?」
弾き飛ばされた男は、怪我はなかったが、その怪力に目を丸くしていた。
「おおっ、魔法は使えないが、どうやらステイタスはそのままのようだ!」
魔王は少し安心した表情になった。
「どうやら、この空間が魔法遮断の効果があるのだろう!」
「われの力を見くびるな! 魔王の力は魔法だけではないぞ!」
魔王は目をキラキラして、炎の中を進んでいった。
「おそらく、どこかの魔術師が我を別空間に飛ばしたのだろう・・・・」
「われは魔王だ、すぐに魔王城に返ってみせるぞ!」
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人生の絶頂期に転生したら魔王討伐後の魔物だった
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