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猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
鈴とナナ、墓参りに行く
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鈴とナナ、墓参りに行く(3)

 午後2時45分、鈴はリビングから窓の外を見ると、相変わらずからのどんよりとした天気。お昼の天気予報では、台風の勢力は少し弱まったが、予報円を見る限り、東京に上陸のする可能性がある。

 鈴の右手には、15年ぶりに見る、猫用のキャリーバッグ。まさか、またこれを使う日が来るとは思ってもみなかった。明後日の10月10日はリンの命日、無事に台風が通り過ぎますように。鈴は祈っていた。


 その頃、ナナはというと。完全復活をし、狭いICUユニットの中で、まるでリハビリをするかのように、ちょこまかと動いている。

 すると、そこへ早川副院長が入って来た。

「ナナ、体の調子はどう?」

「大丈夫。完全復活した感じ、どこも悪くないよ」

「それは、よかった。もうすぐしたら、鈴が迎えに来るからね」

「わかった。ところで、鈴の家ってこの近くなの?」

「そうよ、ここから歩いてすぐの2階建てのお家よ」

「そうなんだ、なんか楽しみ」

 その時、鈴が入院室のドアを開けて。

「ナナ、体の調子、あっ、瞳、いたの!?」

「ナナは完全復活したようよ、大丈夫だって」

「それはよかった。ナナ、ごめんだけど、このキャリーバッグの中に入ってもらえる?」

「私、歩けるけど……わかった」


 ナナは初めてキャリーバッグの中に入り、狭い所は嫌いじゃないようで、問題はなく。鈴はキャリーバッグを手に持ち、3人は入院室を出ると。ナナは、揺れるキャリーバッグの小窓から、景色を見ながら少し緊張しているようで、新しい暮らしが待っている、ワクワクもしていた。

 しかし、「はやっ、もう着いたの!?」、思わずナナは呟き。玄関が開くと、そこには鈴の両親が出迎え。

「いらっしゃい、ナナ。ようこそ我が家へ」

 その優しい暖かい声にナナは、ここなら本当に大丈夫だと感じた。


 ナナは、キャリーバッグの中から出ると、この家の匂いを感じながらリビングに案内され。ここで暮らすのか、そんな想いを胸にナナは、早川副院長の隣のソファーに座り、鈴の両親もソファーに座り、その前に鈴が立っていた。

「皆さんに、相談したいことがあります。この相談は、ナナがいないとできない相談です。ですので、ナナ、これから私が話すことをよく聞いて、その上で判断してください。それを決めるのはあなたの自由です」


 この発言に意味がわからず、みんな困惑気味。特にナナは、突然何を決めるというの、意味がわからない。しかし、鈴の真剣な態度に心して聞くことにした。


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