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猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
飼い主を守る猫
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飼い主を守る猫(7)

 現在、タマは3歳になり。人間の年齢で例えると28歳。このあと、ナナたちは、タマの過去を知る。


 俺は人間に捨てられ、あの出来事はあまりにも突然だった。

 俺が1歳になり、それから少し時が過ぎた頃、俺は楽しい夢をみていた。しかし、その夢は突然悪夢となった。

 もの凄く叩きつける雨の音が聞こえ、俺は目が覚め、いつも違う匂いがする。暗く、狭いところに押し込められている感じがし、別に狭いところは嫌いじゃない、そういう問題ではない、容赦なく叩きつける雨。その時、天井から冷たい物が。


 突然景色が変わった。急に明るくなり、天井から雨が吹き込み、俺は雨に叩きつけられ、見知らぬ公園に捨てられていた、段ボールに入れられて。


 俺は、悲しくて、辛くて、惜しい想いだった。あんに優しかった主人に裏切られ、なぜ俺を捨てた、俺が何をした、俺は人間を信じない、そう誓った。


 そのあと、俺はどこへ行くあてもなく彷徨い、これかどうすればいいのか、こんな時でも腹が減る。

 そんな時、1件の家を見つけ、古びた家。誰も住んでいないように感じ。この時、自分と同じ匂いがした。

 すると、目の前には食い物がある。俺はそれを食べ、わずかな量だが食べ。軒下で眠った。

 そこへ2匹猫がやって来ると。俺を受け入れ。その2匹の猫は、俺のあとをついて来るようになった。


 しばらくして、俺は思った。人間の作った物を今も食べている情けない。人間がいないと俺たちは生きていけないのか、ネズミなんか食いたくない、人間の施しは受けない。

 

 数日経ったある日。俺は路地を歩いていると、女の子が歩いている。彼女が気になりあとをついて行った。

 すると、そこには庭がある、花壇もある、小さなウッドデッキ。日向ぼっこには最適な場所を見つけ。しばらくその場所にとどまっていると。あの女の子が花壇に水をあげている。その光景を見ていると、その女の子が俺に気づいた。しかし、彼女は俺を追い払うことはしなかった。


 この日から、俺は毎日のようにこの場所に来るようになり、まさみの母親が優しく接し、いつもご飯を持ってくる。


「じゃ、なんで、まさみちゃんの母親を避けるの?」


 避ける、なんのことだ。俺はそんなことはしていない。ただ、俺は人間の施しは受けたくないだけだ。それに、人間が嫌いとは言っていない。2度と裏切られるのはごめんだと言っているだけだ。

 俺はなんでまさみの家に来るのか。真っ先に、まさみの顔が浮び、気づいた。俺はまさみの優しい目が見たくてここに来た。まさみは、家の中から俺を見ていた、見守られている感じだった。あの優しい目は絶対に忘れない、今も変わらない。

 

 そんな時、憎きあいつが現れた。俺たちはいつも行く公園を散歩していると。ベンチに座る男の前を横切った。その時、その男が突然石を投げてきた。驚いた俺たちは逃げ、この時はそれで済んだ。しかし、その2日後、事件が起きた。

 石を投げつけ、眼鏡をかけているあの男。憎きあいつが俺たちを目の仇にし。あの公園で待ち伏せしていた。その事に気がつかず。またしても石を投げつけられ。俺はあいつらを守るために、おとりになった。

 この時、俺はあまりご飯を食べておらず、体力を失っていた。そのせいでドジを踏んだ。後ろ足に石が当り怪我をした。

 そのあと、なんとか逃げ切り。いつのまにかあの犬小屋の中にいた。俺はあんな人間にやられたのか、情けなくて悔しい想いだった。なんか疲れてしまい、もうダメだと思った。


 その時、まさみの匂いがした。俺は、まさみにこんな姿を見せたくなかった。助ける手を払いのけ、これでいいのだと思った、その時だった。

 まさみの声が、生きろと聞こえ、あの優しい目から涙がこぼれていた。俺のために泣いているか。俺は何をやっている、まさみを悲しませてどうする、そう思ったら俺は泣いていた。そして、俺はこいつを信じることに決めた。


 あのあと、あいつらとは会っていない。無事に逃げたはず、そう信じている。どこかで元気でいて欲しいと願っている。

 ただ、許せんのはあいつだ。あいつの顔は忘れない。微かだがあいつの匂いも忘れない、思い出したくもないが。

 つい最近、公園前のコンビニであいつを見た。俺は、まさみの車に乗っていて、車の窓が開いた時、微かだがあいつの匂いがした。車のフロントガラス越しに、憎きあいつを見た。あのコンビニの店員だと思う。あの時も、あの服装であいつはまさみの家に来た。


 俺はその時、ウッドデッキで日向ぼっこをしていた。そしたら、風に乗ってあいつの匂いがする。急いでその匂いのする方に行き。玄関先にあいつがいる。

 あいつ何しにきやがった、そう思いながら様子を窺っていると。ポケットから何かを取り出し。その瞬間、火が見えた。火の意味は知っている。あいつは火を見て笑った。

 俺はとっさにあいつに飛びかり、顔に猫パンチをくらわし。そのあと記憶がない。


 気がついたら、このざまだ。俺は何をやっている。俺はただ、大切な家を守りたかった。まさみを悲しませたくなかった。俺にとっては大切な家、この家がなかったら。結局、俺はまさみを悲しましただけなのか。俺はいったい何をやっている。


 ナナは、まるで拳を握るような思いだった。


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