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猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
飼い主を守る猫
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飼い主を守る猫(6)

 入院室のある場所は、裏口のドアを開け。目の前に見える入院棟の中にあり。その入院棟の右側にある建物がリハビリ棟。関係者以外は、正面玄関から裏側を周って行く。


 入院棟には、一般入院室、隔離入院室、ICU入院室があり。一般入院室は、ケージが積み重ねられた部屋があり。個室もあって、飼い主と一緒に泊まれる部屋もある。

 タマの怪我の状態は、かなりの重傷で1ヶ月間入院。箒で殴られ足の骨も折っている。鈴の判断で、今日から3日間だけ飼い主と泊まれる部屋で入院する。そのあとは、本人の希望も聞きながら部屋を決める。


 4人は、タマが入院している個室のドアの前に来ると。キャリーバッグの中に入っていたナナを出し。鈴はドアを開け、ナナだけがこの部屋に入り。残りの3人は個室のドアの前で待機。


 この個室は、6畳の広さで、エアコン完備。左側の壁には、折りたたみベッドが横に立てかけてあり。目の前には開閉式の窓が1つ。その窓のすぐそばの右側には、畳1畳分の広さより少し小さめな台があり、台の高さは1メートルくらい。その台上にはケージが置かれ、正面からしかケージ中は見えない。このケージの中で、タマは体中に包帯を巻かれ、麻酔によって眠っている。


 ナナは、辺りを見ていると。

「ここが個室か!? 広さは、こんなもんね」

 この時、ケージの中のタマが目を覚まし。

「……ここは、どこだ? あれ? 体が動かない。なんだ、この痛みは? 体が動かない……。くっそー、あいつめ、絶対に許さん……」

 ナナは、タマの声を黙って聞き、台の下で様子を窺っていた。

「あなた、いったい誰にやられたの!? あいつって誰? どんな人なの?」

「……誰だ!? 人間の言葉で俺に話しかける猫は?」

「えっ!? すごいね、どうして私が猫だってわかったの?」

 ナナは、窓のそばに置いてある椅子に飛び乗り、出窓に飛び移った。身動きが取れないタマだが、気配でわかる。

「誰だ、お前は? 俺になんのようだ? くっそー、なんで体が動かない?」

「もしかして麻酔ボケ!? 箒で殴られたの、覚えてないの?」

「殴られ……!? そうだ、思い出した。あいつ、火を見て笑いやがった。俺は、嗟にあいつの顔に猫パンチを喰らわせ、そのあとの記憶がない」

「火を見て笑った!? まさか、放火するつもりだったの!?」

「……もし、またあいつがきたら……」

「その犯人の顔、覚えてるのね?」

「覚えてるに決まってるだろう、前に俺に石を投げて怪我を負わせたやつだ。あのコンビニの店員だ」

「わかった。その犯人、私たち捕まえてあげる、タマの仇は私たちがとる」

「私たち!? お前に何ができる? あいては人間だぞ!? 俺がこのざまだ」

「お姉ちゃん、入ってきていいよ、犯人わかったよ」


 鈴たち3人は、入院室に入ると。タマは、長谷川の声に気づき。

「まさみ、まさみもいるのか? 匂いが……」

「いるよ、あっ、そうだ、今日から友達ということで、よろしくね」

「友達!? 勝手に決めんな」

「それより、まさみちゃんがどんな想いだったかわかっての、家は壊れても修理できる。しかし、あなたが死んだらもともこもないでしょ、残された者の身になって考えたことがある!? どんなに辛い想いをするか」

「うるさい! お前に俺の何がわかる? 俺には命をかけても返さないといけない恩義がある。人間に捨てらたこともないお前に、俺の気持がわかってたまるか!」

「確かに、そうだね、恩義か!? その気持ちはわかるけど、だからって、まさみちゃんを悲しませてどうするの?」

「……」

 長谷川は、ケージの前に行き。

「タマ、私を守ってくれて、ありがとう。でもね、お願いだから、もう無茶はしないでよ」

「……」


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