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飼い主を守る猫(2)
午後5時。鈴の自宅では、長谷川が鈴からの連絡を待っている。やはり、怪我の具合から判断して時間がかかるのか。
すると、長谷川は自宅待機している母親に、連絡するのをすっかり忘れていたことに気づき。急ぎ現状をスマホで伝え、鈴の母親に礼を言い、K事務室に向かった。
長谷川は、動物病院の裏口から入り、西側の通路を歩いていると。鈴が手術室から出て来るのが見え、駆け寄り。
「お姉ちゃん、タマは!?」
「大丈夫、手術は成功よ。今、麻酔で眠っているけどね。もう少し遅かったら危なかったけど。さすがまさみちゃんね、応急処置は完璧。いい獣医になれるわよ、私みたいにね。それと、私もK事務室行くから、タマのことでちょっと気になってね」
「えっ!? タマになにか!?」
「勘違いしないで、怪我のことじゃなくて、なんていうか、タマの生きようとする執念!?
みたいなものを感じて」
「執念!?」
「そのことは、あとでタマに聞くとして、K事務室に行きましょう!?」
長谷川は、執念ってどういう事なのか、タマに聞くとはどういうことなのか。疑問を残しつつ、鈴のあとをついて行った。




