表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
飼い主を守る猫
48/81

飼い主を守る猫(1)

 ナナが田中先生の家にお泊りしてから10日経ち。外気温は、だいぶ冬らしい気温になり。本日のカウセリングが終われば、ナナが楽しみにしている田中先生の家にお泊りする日。今回で3回目。ナナは、ミミと友達になり、どうやったら人間の言葉が話せるのか、どうやったら人間の言葉を理解できるのか、研究をしていた。

 

 午後4時前。木村動物病院の午後の診療が始まる。受付の女性が正面玄関のドアの鍵を開けると、駆け込むように入って来た女性。その姿尋常はじゃない、服は血まみれ状態で、その表情は必死の形相、息は荒く、タオルのようなものを抱えていた。その姿に驚く受付の女性だが。

「あなた、まさみちゃんじゃないの!?」 

「……タマが、タマが、お姉ちゃん、タマを助けて!」

 その女性は、その場に崩れるように座り込み。この非常事態に受付の女性は、急いで鈴に連絡し。2階から駆け下りる足音、鈴はその女性に駆け寄った。

「まさみちゃん、いったい何があったの!?」

「お姉ちゃん助けて、うちのタマが……」

 鈴を見て、突然泣きだした女性。鈴は、腰を落として床に膝をつき。

「しっかりしなさい、落ち着いて深呼吸しなさい」


 その女性は言われるがまま深呼吸し。少し落ち着いたのか、泣き止み。タオルにくるんでいたものを鈴に見せた。鈴は驚き、包帯まみれの猫がいる。

「……これって、タマなの? どうしてこんなことに!?」

「お姉ちゃん、タマを助けて……タマにもしものことがあったら、私……」

 その女性は、また泣き出し。鈴は立ち上がり。

「まさみちゃん、タマを処置室連れて行くから来なさい……。あなた獣医になるんでしょ……!? 大丈夫、必ず私が助けてあげる」

 すると、その女性はゆっくりと立ちあがり、鈴のあとをついて行き。2人は処置室へと入って行った。

 その2分後、処置室に早川副院長が入り、その後に獣医師2名が入り。更にその2分後、あの女性が処置室から出て来た。


 この女性は、長谷川まさみ、年齢、19歳。獣医学部1年で、一人っ子。鈴の母親の妹の子供で、いとこに当たり。鈴に影響され獣医師を目指し、鈴のことを姉のように慕っている。


 長谷川は、血まみれの服のまま処置室前に立ち尽くし。手にはティシュを数枚握りしめ、涙を拭き、祈るように頭を下げ。この動物病院の裏口から出ると、向かった先は鈴の家。そこには、鈴の母親が玄関口で待っていた。鈴から連絡をもらい事情は聞いていた。


 鈴の母親は慌てず、普段通りの態度で接し。

「まさみちゃん、鈴は天才獣医、大丈夫、あの娘は失敗しない」

「……そうだったですね。もう大丈夫です、伯母さん」

 長谷川は、そのままお風呂場に行き、15分経ち。鈴の服を着てお風呂場から出て来た。体系は鈴と同じくらい、服はピッタリ合っている。


 長谷川はリビングに行くと。ダイニングテーブルにコーヒーが置いてあり、鈴の母親が椅子に座っていた。向かい合わせに長谷川も椅子に座り、1口コーヒーを飲み、だいぶ落ち着いた様子。

 すると、鈴の母親は、鈴からの伝言を長谷川に。


 まさみちゃん、これからあなたの身に起こるは、決して多言しないようにお願いします。まさみちゃんなら、この意味、言わなくてもわかると思います。

 まさみちゃんには、午後5時5分から午後5時10分までに、行ってもらいたい場所があります。その場所は、K事務室です。そこに田中という女性がいます。

 田中には、まさみちゃんが行くことは伝えてあります。辛いかもしれないけど、タマの身になにがあったのか、その詳細を田中に話してください、時間厳守でお願いします。

 あと、私は天才獣医、忘れちゃダメよ。私、失敗しないので。どこかで聞いたセリフね、怒られるかな。でも、私、失敗しませんので。伝言内容は以上。


 長谷川は、この意味不明の伝言に困惑し。私の身に何が起こるの。多言するなって何を。K事務室って聞いたことがない。伯母さんは、行ったらわかるって言うけど。あのセリフ、私には言えないセリフね。天才獣医には間違いない。尊敬している。私もお姉ちゃんみたいになりたい。そう思いながらも鈴に従うことに。


 長谷川は、鈴の言うことはよく聞く。鈴のことを信じ、タマ頑張れ負けるなと想いながら、時を待った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ