カウンセリング開設から1ヶ月後(4)
ナナは、田中の失恋に至った経緯を知り、記録に残らない診断結果を渡した。
診断結果の内容は。別れた原因は、須藤さんがおんぶにだっこ状態は嫌だと思ったこと。その上、養ってもらうことが須藤さんとしては嫌だった。これから先のことを想像したんだと思うよ。
先輩に言わせれば、くだらんプライドだと思う。須藤さんをかばう訳ではないけど、須藤さんはいい人だと思うよ。そりゃ、今の時代というか。共働きは普通だけど、現実に食べさしてもらうとなると。これでいいのか、果たして結婚してよいのか、このままで同棲していいのか。
須藤さんとしては、結婚というものをよく考えて結論を出したと思う。確かに、それならそうとちゃんと言えばいいのが筋。それがどうしても言えなかった。
多分、本人としてはこれ以上甘える訳にはいかない、そう思ったじゃないの。これではダメだと。苦渋の選択をしたと思うよ。急に引け目を感じ、居心地が悪くなったと思う。
ただ、1つ言えることは、田中さんを嫌いになった訳ではない。むしろ今でも好き、間違いなく。それとも、いっそのこと嫌いと言われた方がよかったのか、初恋の失恋。
「で、先輩はどうしたい? 追いかけて行く?」
「……」
「私は時間を置くべきだと思うよ。ただ、こういう考えもできる」
ナナの考えは。一旦距離を置き。須藤さんが写真家として成功し時点で、もう一度話し合う。これならお父さんも文句は言わないと思うよ。そこまで先輩が待てたならの話しだけど。確かに生活面はいろいろと苦労するかもしれない、その覚悟はあるようだし、なかなかできることではない。親としたら辛いけど、諦めるしかないと腹をくくると思うよ。娘がそれで幸せなら。
ただこの場合は、須藤さんが心変わりをする場合と、よりを戻すつもりはない場合。ようは、諦めないといけない状況になった場合は、潔く諦めるしかない。非常に辛いけど、仕方がない場合もある。まず自分がどうしたいのか、そこかが肝心。
そのことはちゃんと相手に伝えないといけない、一方的なさよならは筋が通らない。私
としては、そんなに急ぐことはないと思うよ。このことは両親にもちゃんと話し。そして、この先どうしたいのか、よく考えて決断した方がいい。別れるのか、よりを戻すのか。
田中は涙を拭き。よく考えてみると言った。




