カウンセリング開設から1ヶ月後(2)
名前の件から、2日後。ナナは、その異変に気づいた。
朝からK事務室では、田中先生の様子がおかしい。顔色が悪い、寝不足なのか、それともどこか具合でも悪いのか。
ナナは、これではカウセリングができないと思い。
「先輩、どこか具合でも悪いの?」
「……」
「先輩、聞いてます?」
「……えっ!? 何か言った?」
「今日、お弁当はどうしました?」
「お弁当!? あっ、作るのを忘れた」
「今日の予約は、何件だっけ?」
「今日!? 10件」
「家で何かありました?」
「……別に、何もないわよ」
今日の予約は8件。こんな単純ミスは絶対にしない、お弁当を忘れたこともない。心ここにあらず、そんな感じだった。
ナナは、もしや何か悩みがあるのかと思い。無理に聞きだすより、少しかまをかけてみることに、冗談を踏まえて。
「先輩、もしかして失恋でもした?」
「えっ!? なんでわかったの?」
「失恋って、顔に書いてるよ!?」
田中先生、思わず顔を触り。ナナは、この光景に重症だな、それもかなりの重傷。これはなんとかしないといけないと思い。
「今から、カウセリングをします? 先輩のカウセリングをね」
「えっ!? 私の!?」
「こんな状態でカウセリングができと思う? カウセリングには、私たちの事情は関係ない。そんな気持ちでは依頼者に失礼だよ」
「……確かに、そうね」
「話くらいなら聞くけど、無理にとは言わない。どうする? それとも早川副院長と変わる?」
「……わかった。カウセリング受ける」
猫が人間をカウセリングする。もしかしたら、そういう時代がくるかもしれない。ナナのような猫が増えた場合だが。この場合はこうなるのが必然なのか。
本日1件目の予約は、午前10時から、40分は時間がある。
2人は、Kルームに行き。ナナはソファーに座り。田中は椅子を用意し座り、その表情はどことなく悲しそうだった。




