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猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
ナナと田中、動物園に行く
19/81

ナナと田中先生、動物園に行く(5)

 ここ東京第2動物園には、350種類の動物たちが飼育され。この動物園は、ペット同伴はできない。

 鈴は園長に連絡を取り、ナナの能力ことは隠し、他には何も隠さず、今後の動物たちのために今回限り猫同伴をお願いした。

 すると、意味不明の猫同伴に園長は、よくわからないが何か事情があると感じ。姪が世話になっているし、親友の娘の頼みを断るわけにもいかない、そう思い。今回限りということで許可が下り。但し、臨時飼育員として、名札を付けることになり。入園後3時間で退園することが条件だった。

 ちなみに、ここの動物園の売りは、パンダ。噂では、あの動物園と競り合っているとか、いないとか。


 本日は台風明けということもあって、午後1時から開園、入園数は少ない。

 田中先生はキャリーバッグを持ち、園内を移動する際は、キャリーバッグに布カバーをかけ全体を覆い、これで周囲の人にナナを見られることはない。

 田中先生とナナは、まず動物園の事務所に行き。休憩室を借り、飼育員の制服に着替え、臨時飼育員の名札を付け、キャリーバッグを持ち、2人は園内に入って行った。

 限られた時間の中、最初に向かったのはライオン。とりあえずネコ科から攻めて行く。果たして、どのくらいの種類の動物と会話できるのか。

 ライオンの檻の前に立つ2人。辺りには人影はなく、檻の中を見ると、木陰で休んでいるライオン。ネットであらゆる動物を見ているナナだが、実物を見るのは初めて。

 すると、怖いもの知らずのナナは、いきなりライオンに声をかけた。

「あのー、済みません。お休み中、ちょっといいですか?」

「……誰だ、俺に声をかけるのは?」

 ナナの声に反応し、ゆっくりと立ちあがり、ナナの所に歩み寄り。

「お前か!? 俺に声をかけたのは?」

「済みません。お休み中」

「それは構わんが。お前、人間の言葉を喋れるのか!?」

「喋れますよ。あのー、突然ですみませんが、ここにいて幸せですか?」

 いきなり禁断の質問をしたナナに、あきれているライオン。

「なんだ、その質問は!? 幸せ!? それは人間だけの価値観だろう!? そんなところから俺に聞くな……。エサにはありつけるが、ここは退屈だな……」

 ライオンは、檻の隅に行き、また昼寝を始め。この時、ナナは要所要所で田中先生に通訳をし、会話内容を伝え。「幸せは人間だけの価値観」、田中先生は、なるほどねと思い。ライオンと会話していることがわかり、胸のポケットからメモ帳を取り出し。ライオン〇と書き、幸せは人間だけの価値観と書いた。


 このあと、田中先生のメモ帳は伝言板化していたった。というのも、動物たちの中には、飼育員の態度、環境の問題、なぜここに連れて来た、なぜあの場所から引き放す、人間だったらもっと住みやすくしてくれ、といろいろ言われ。ナナは動物たちの愚痴を聞き、それに対応し、それをちゃんと受けとめ、苦にはしていない様子。

 その愚痴を隣で聞かされた田中先生はショックを受け、まるで人間のように、こんなにも愚痴がでるとは思っていなかった。

 ここの飼育員たちはかなり優秀な人材が揃い、愚痴などでるはずがない、私は思いあがっていたのか。動物の声が聞こえるとはこういうことなのか。しかし、救いもある、エサを食べられる感謝があった。やはり人間の身勝手なのか、双方のすれ違い、まるで人間の付き合いのようにも感じる。動物たちよかれと思ったことが、そうではなかったということのなか。田中先生は、そんな思いにかられていた。


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