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猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
ナナと田中、動物園に行く
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ナナと田中先生、動物園に行く(3)

 突如現れた謎のアイドル。そんな雰囲気の中、従業員たちはスマホでナナの写真を撮りたい。しかし、それはできない。

 こんな猫は初めて見た、なんという猫種なのか、さっぱりわからない。超美人で超可愛いし、それに声までも可愛い。まさに世界一の容姿を持った猫。従業員たちはみんなそう思い。ナナを取り囲むようにして、なるべく過去のことに触れないように質問すると。

 趣味はパソコンで、文字も漢字も読め、英語も話せ、学力は高校生くらいだと思われ。いろんな知識を持ち、主にネットやテレビから情報を得ている。恋愛ドラマとディズニー映画が大好きな女の子だけど、女性のようで猫。

 質問攻めに合うナナだが、こうなることは鈴に言われてわかっていた。しかし、ナナは別に構わないと言い、私のことを知って欲しいし、お喋りは結構好きかもしれない、だって私は女の子、じゃなくて女性だから、と言っていた。


 鈴と早川副院長は、しばらくこの光景を見守っていると。田中先生だけは椅子に座り、何か考えている。鈴は、田中先生のことが気になりそばに行き声をかけた。

「田中さん、どうかしたの……?」

「あっ、すいません。ちょっと考えごとをしていて」

「もしかして、ナナさんのこと?」

「はい、そうです……。ナナさんは知ってるんですか!? あのことを?」

「おそらく知らないはず……。あの診断画像を見る限り、考えたくないのよね。でも、1番辛いのは本人だし。知らなくていい真実もある……」

「確かに、そうですけど、私は自然による突然変異であって欲しい……けど、それで押し切るのには無理がある。本人は自分が特別な猫だと信じているみたいだし、それでいいのか。もし私が同じ立場なら、知らない方がいいのか……」

「そこなのよね、問題は。私も副院長もそこを悩んでいるの。だって、あとでそのことを知って、なんで教えてくれなかったの、って言われると……でも、私は隠し通すしかないと思っているの。みんなを見ていると、そのことにみんな賛成してくれると思うけど」

「そうですね……。それと、問題はもう一つありますよね? ナナさんの飼い主がどこの誰なのか。おそらくナナさんのことを探しているはず。ナナさんを手放すとは考えにくい。もし本当にそうなら、私は絶対にその飼い主を許せない……」

「許してはおけませんね、絶対に。だから守るのよ、ナナさんを」

「はい、守ります、絶対に」

「ありがとう……。仕事の予定が変わったけど、午後からナナさんと一緒に動物園の方よろしくね。猫と同伴、私の方からも園長に連絡しとくから」

「はい、わかりました。多分大丈夫だと思います。あとは、台風明けで人がいなければいいんですけどね」

「そんなことを言ったら、園長に怒られるわよ。でも、今のうちに調べておかないとね」

「そうですね。でも、本当に私でいいんですか? ナナの教育係」

「私は適任だと思うけど、みんなもあなたしかいないって言うし。それに、ナナさん本人がお願いします、って言うんだから、受けるしかないでしょう?」

「そうですね、わかりました」

「お願いね……。そうだ、悪いけど、1時過ぎに自宅までナナさんを迎えに来てくれる?」

「はい、わかりました」

 このあと昼食後に、田中先生とナナは東京第2動物園に行く。そこの園長は、田中先生の叔父であり、鈴の父親の親友でもある。


 田中先生は、子供の頃、叔父に連れられて、鈴の自宅に何度か遊びに来たことがあり。早川副院長と同様で、鈴の父親にかなり影響を受け、木村動物病院にも何度も遊びに来て、人気者になり、将来の夢は獣医師になって、ここで働きたいと言っていた。

 もともと田中先生は、叔父が動物園で働いていたこともあり、その影響を受け、子供の頃から動物たちを身近に感じ、動物が大好きな女の子になり、そのせいなのか、動物たちの声が聞こえるとか、会話できるとか、ちょっと変わった女の子になり、学校では少し浮いた存在だった。しかし、時が経つにつれ、周りから動物博士とまで言われ、動物に詳しくなり。木村動物病院でも、動物に関しては1番詳しく、獣医師としての腕もかなりもので、早川副院長と同等の腕を持ち、まさに甲乙つげがたい。

 そこで、動物に最も詳しく、動物に最も寄り添える田中先生に、動物病院で働くとはどういうことなのか、動物病院の知識とここのルールを教える必要があり、そのことを教えるべく、これから一緒にここで働く先輩として、鈴はナナに教育係を頼んだ。

 鈴は、ナナを紹介した時に、従業員たちにこのことを話し、ナナと動物たちが会話している時に、動物の通訳以外にもナナの能力を生かす別な方法があると思い。ここ木村動物病院の患者の大半が猫と犬が占めているが、ナナがどんな動物と会話でき、会話できないのかを今後のために詳しく知る必要があると思いたち、このことを手っ取り早く調べるには動物園が適していると考え、田中先生の叔父がいる動物園を選び、今後のことも考えて、田中先生にお願いした。


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