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猫の動物カウンセラー  作者: K・Sメッセ
鈴とナナ、墓参りに行く
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鈴とナナ、墓参りに行く(6)

 リンの行動は、鈴への無言の訴えなのか。鈴が部屋に引きこもって1週間経ち。鈴は両親が仕事に行った後、部屋のドア開け、リンを凝視し、いきなり怒鳴った。

「あなたいったい何が言いたいの!? 私にどうしろって言うの!?」

 リンは、あきれたような態度で、そっぽを向く。ドアを開けたまま鈴はトイレに行き、2階へ上がると。リンは眠っている。鈴はそのままドアを開けっぱなしにして、ベッドに横になった。


 午前9時40分。鈴がベッドに横になって10分経ち。2階へ上がってくる足音が聞こえ、母親のか、こんな時間に母親が来るとは思っていない鈴だが、ドアが開いている。

 すると、母親は鈴の部屋に入らず、リンの様子を気にしている。

 その時、鈴はドアをゆっくりと閉めようとすると。母親がリンの異変に気づき。

「リンちゃん、大丈夫!? リンちゃん!? リンちゃん……! 鈴! 鈴、こっちに来なさい!」

 滅多なことでは怒鳴らない母親の怒鳴り声。鈴は久しぶりにその声を聞き。

「どうしたの?」

「どうしたのじゃないの! あなたリンちゃんに何をしたの!? いいからついてきなさい!」

 母親は怒りの表情でリンを抱きかかえ、急ぎ階段を下り、動物病院に行き。鈴は怒鳴られた意味がわからないまま、母親のあとをついて行った。


 副院長でもある鈴の母親は、そのまま処置室に入り。この時、鈴の父親は獣医師学会に出ていた。

 鈴は処置室の前で座り込んでしまい、何がなんだかわからない状態。しかし、処置室に入ったことだけはわかっている。いったいリン何が起きたのか、青ざめる鈴は、もしリンに何かあったらと頭をよぎる。

 

 その時、1人の女性看護師が処置室から出で来た。

 鈴は目を真っ赤にし、取り乱したかのようにその女性看護師にしがみつき。

「リンちゃんに何があったの!? 教えて!」

 女性看護師は、腰を落とし。

「大丈夫。しっかりしなさい! あなたも獣医師の娘でしょう? 今お母さんが見ているから、待合室で待っていなさい」

 女性看護師は、鈴の手を引いて待合室に連れていった。

 待合室には、患者と飼い主の姿はなく、鈴は1人椅子に座りふさぎ込んでいる。

 その時、鈴はあることを思いだした。そういえば、私はご飯を食べたのに、リンちゃんはご飯を食べていない。そう、母親はそれを気にしていた。


 リンが処置室に入って1時間が経過し。容態が急変し、リンは亡くなった。

 そのことを知った鈴は泣きながら、処置室のベッドの上で亡くなったリンの顔を見て、呆然とした。そこには、とても悲しい表情をしたリンの姿だった。

 鈴はその場に泣き崩れ、ごめんなさいと言い続け。私は、リンちゃんを部屋から追い出し、怒鳴りつけ。自分の身勝手な行動がリンちゃんを精神的に追いこみ。ごめんなさいも言えず。何も言えない妹を見捨てたんだと思った。


 リンの死因は、急性ストレスによる心筋症。

 あの時、鈴が2階へ上がった時、リンは眠っていたのではない、痙攣を起こし意識を失っていた。あの時、気づいていればと、鈴は悔やんでも悔やみきれない思いだった。


 リンの居場所は鈴の部屋。その場所を突然失い。なぜ、私の居場所を奪うのかわからない。けど、大好きな鈴が心配だった。鈴か苦しいのなら、私も同じ。なぜ、そんなに怒鳴るのかわからない。叱られる理由がわからない。私は非常に悲しい、何もかもがわからない。

 これがストレスの原因だと、母親は見解を示し。こんなことになるとは、両親は獣医師として恥じ、リンに謝っていた。そして父親は、このことを親友の松岡に話し謝罪した。


 リンは、果たして幸せだったのか。

 鈴はこの日を境に、完全に水泳を止め。両親の前で土下座し、獣医師になりたいと許しを請い、両親は了承した。


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