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絶賛青春中  作者: 東城 涼
一年生編
8/9

校外学習(前半)

中間テストも終わり新しい学校生活にも慣れてきた頃、学生にとっては楽しみな行事の一つ、校外学習の日となった。

薫はいつもよりも少し早い集合時間に合わせて朝の支度をする。

今日は校外学習ということで私服の生徒が多く、薫も皆に合わせて私服にする。

支度を終え、いつものように自転車に乗り学校へ向かう。

学校には集合時間の十五分前に着いた。

薫は先に校庭にいた椎名と篠崎を見つけて挨拶をする。

「おはよう、二人とも。」

『「おはよう(ございます)。」』

と挨拶を交わし今日の予定を確認する。

今日の予定は朝八時までに集合し、クラスごとに点呼をした後に軽い朝礼を済ましてバスに乗る。一年生は横浜に行くことになっているので、一時間くらいバスに乗り横浜の山下公園を目指す。山下公園に到着後、注意事項を確認しグループごとに十五時になるまで横浜を見て回り、山下公園に戻るということになる。

薫は智哉、美桜、椎名、篠崎のいつもの5人でグループを組み、回ることになっていて、班長は椎名、副班長は薫が務めることになっている。

確認をしているうちに美桜と智哉の二人も来て時間になった。

クラスごとに点呼をし、学年主任の先生と引率で参加する教頭先生の挨拶が終わりバスに乗り込む。

薫たちは一番後ろの五人席に座ることになっていて、全員で横並びに座る。

席は右から篠崎、椎名、美桜、薫、智哉の順で、高速道路に入るまでスマホに入れたトランプのアプリで時間を過ごしている。

最初はババ抜き、ブラックジャック、大富豪とやっているうちに高速道路に入った。

ここからクラスレクになっていてA組は罰ゲームありの爆弾ゲームをやることになっている。

罰ゲームは予め用意しておいたくじを引いて書いてあったことをする。また、くじの内容は司会も知らないお楽しみとなっていて、一度やったことがある罰ゲームは無くなるシステムになっている。

このゲームで智哉が罰ゲームになり、歌を一曲分歌うことになった。

薫は罰ゲームにならなかったこととこのくじを智哉が引いてくれたことに安堵した。

「危なかったね、薫。もしかした歌うことになってたかもよ。」

「ああ、智哉が引いてくれてほんとに良かった。」

「確かに、もし後で薫が罰ゲームになってもこれで歌うことは無くなったからね。」

と智哉が歌っている最中に美桜と話す。

 智哉の罰ゲームから3ゲーム経ったところで高速道路から出ることになり、レクが終わった。

 その後すぐに山下公園に着き、バスから降りる。

 降りた後は班ごとにまとまり、工藤先生と共に注意事項を確認し活動を開始する。

 薫たちは今回横浜関帝廟と横浜媽祖廟に行き、その途中で昼食をとったり、お土産を買うことになっている。

 活動開始後、椎名がスマホの地図アプリを開き、最初の目的地の横浜媽祖廟に向かう。

「それにしても中華街に入って随分と雰囲気が変わったね。」

『ああ、さっきまでは普通の都会って感じだったもんな。』

「こうしてみると、中華料理店ばかりね。」

と話していると、

「あれって、よくテレビや雑誌に載ってる有名店じゃないか。」

『本当です。』

「昼まで時間があるし、寄ってみない?」

 美桜の提案に全員が賛成し、店に行く。

 薫が見つけた店は肉まんなどの蒸し饅頭を主体に扱っていて、肉まん以外にもあんまんやピザまんなどといったものもあった。

 薫と椎名は肉まんを、智哉はチャーシューまんを、美桜はピザまんを、篠崎はあんまんを頼んだ。

 頼み終わった後、食べる前に皆で店の前で並んだり、食べているところの写真を撮り、食べながら目的地に向かう。

「智哉のチャーシューまんってどんな感じ?」

『皮は肉まんと変わらないけど、肉は甘辛く煮込まれてる感じがする。』

「一口いいか?」

『いいけど、そっちのも一口貰うぞ。』

 そう言って薫と智哉は食べ比べした。

 薫と智哉のやり取りを見た美桜たち女子三人も互いに交換し食べ比べする。

 そんなやり取りをしていると目的の横浜媽祖廟に着いた。

「改めてみるとすごいね。」

「門からして煌びやかって感じだもんな。」

「実際に中国の特定の人物を祀っているから、外見が宮殿みたいになるらしいわ。」

美桜と薫の感想に対して椎名が事前に調べた情報を伝える。

 薫たちがいるこの横浜媽祖廟は中国の媽祖祖廟湄洲天后宮より分霊されたもの祀っている。

 祀られている「媽祖」とは北宋時代に実在した人物であり、護国救民の神として祀られ、今では華僑が住む世界各地で信仰されている。

『それにしても文化が違うと参拝の仕方まで結構変わるんだな。』

と智哉が入り口で買った線香の火を手で消しながら言う。

「日本の神社だとお賽銭だけだったりするからな。」

「しかも、五つも香炉があって順番も決まってるんだもんね。」

 そう言いながら線香を供え終え、おみくじを引く。

 おみくじにも引き方があり、その指示に従って行う。

 その後おみくじ棒を係りの人に渡し、おみくじを受け取る。

「いやー、結構やることがあったね。」

『そうですね、日本の神社のように気軽に引けませんでしたね。』

 すんなりと終わった美桜と篠崎が話している間に、残りの三人もおみくじを持って合流する。

「全員揃ったし、一斉に開こう。いくよ、せーのっ。」

と美桜の掛け声に合わせて全員がおみくじを開く。

 おみくじは両面書かれており、表には中国語で裏には日本語で書かれていた。

『うわっ、下下だ。』

「私は中吉ね。」

『私も忠吉でした。』

「俺は中平だった。」

「うちは上吉。」

 各々がおみくじの結果を口にする。

 結果は美桜、椎名、篠崎、薫、智哉の順に御利益があった。

 その後、薫たちは媽祖廟を出て昼食をとるため、あらかじめ決めておいた店に向かう。

 薫たちが向かった店は小籠包が特に有名で、観光客の多くが利用している店の一店だった。

 媽祖廟から五分ほど歩き、店に着に着いて席に案内される。

メニューを見て、全員が決め終わり注文をする。

注文から十分ほどで最初に小籠包が出てきて、それから各々が頼んだ料理が出てくる。

テーブルには小籠包の他、羽根つき焼きそば、北京ダック、春巻き、餃子などといった中華料理が並んだ。

『おー、こう見ると凄いな。』

「全料理中華一色だな。」

「美味しそー。」

「意外と量があるわね。」

『いい匂いです。』

 テーブルに並んだ料理を見て感想を言う。

「それじゃあ、」

「『いただきます。』」

と全員で食べる。

 料理を一口入れて、美味しいと思う。

 媽祖廟に行く前に食べた肉まんもそうだったが、家でつくっているものとは全然違う。

 日本人好みに合わせた本場の中華料理なので、食べやすく箸が進む。

 黙々と食べる五人に対して、テーブルの料理はみるみる無くなっていく。

「『ごちそうさまでした。』」

 全ての料理を食べ終え、店を出る。

「意外とすぐに食べ終わるもんだな。」

「だね、結構量があると思ったんだけど。」

『じゃあ、今度は関帝廟だな。早速行こうぜ。』

『そうですね。時間もあと半分ないですからね。』

「それじゃあ、行くわよ。」

 再びスマホの地図アプリを開いた椎名を中心にして、目的の横浜関帝廟に向かう。


長くなりそうだったので前後半に分けました。

なるべく早めに後半も更新する予定です。

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