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絶賛青春中  作者: 東城 涼
一年生編
6/9

ゴールデンウイーク

今回はタイトルにもあるようにゴールデンウイークの話をします。

そして、美桜目線で話を進めていきます。

ゴールデンウイークの中盤、高校生になって初の中間テストまで3週間を切り、不安を覚え勉強をしているとピロンとスマホが鳴った。

 画面を見るとRINEの新着メッセージがあった。開いてみると「ずっ友」のグループで美桜からだった。内容はゴールデンウイークの最終日に遊びに行こうとのことだった。


「何かないかなー。」

 そう言って美桜はベッドの上でゴロゴロとしながらTweetにアップされたものを適当に眺める。

 暇。とにかくそう思った。

中学生の頃は部活が忙し過ぎて何もない連休に憧れていたが、いざとなれば退屈で仕方がなかった。

いつものメンバーと一緒に遊びに行こうと話題が出たのだが、楓が家族旅行で最初の方は参加できないということで先送りになった。

どうやって退屈を紛らわせようと再びゴロゴロしながら考えていると

「美桜―。」

とリビングから自分のことを呼ぶ声が聞こえた。

 すぐにリビングに行き、声の主姉の咲に尋ねる。

「咲姉、どうしたの?」

「いや、ちょっとね。友達に頼まれて私のアルバイト先の割引券を貰ってきたんだけど、ドタキャンされてさー。日曜日までが期限なんだけど、美桜いる?」

 そう言われて考える。確か明後日の木曜日に楓が帰ってくると言っていた。楓の旅行疲れを考えても皆で行けると思う、そう考えて

「うん、いる。ありがとね、咲姉。」

 そう言って、部屋に戻りRINEを開きずっ友のグループで呼びかけをした。

 幸い的にその日は皆予定はなく、楓も参加できると返信が来た。


当日。天候に恵まれ快晴の中、美桜は待ち合わせ場所の駅前に時間の10分くらい前に着いた。

あたりを見まわすと、楓がいた。見つけてからすぐに向かい、声をかける。

「やっほー、楓。」

『おはようございます、美桜さん。』

「楓は早いね。どれくらい前に着いてたの?」

『美桜さんが着く5分くらい前です。私は相手を待たせるのが苦手なので。』

とそんな話をしていると薫がやって来るのが見えた。

「薫、こっち。」

と手を振りながら呼ぶとこちらに気づいた。

 薫はそのままこっちに来て挨拶をした。

「おはよう、二人とも早いね。」

『いえいえ、私たちもさっき来たところですから。』

「そういう薫も早い方だと思うよ。」

「そうか?俺の場合は家が近かったからな。それよりも、俺は美桜がこんな時間に来ている方が意外なんだが。」

「確かに、普段だったら時間ぎりぎりだったね。だけど、今回はうちがみんなのことを誘ったんだから待たせちゃ悪いかなって。」

「なるほど。じゃあ、今回は智哉が最後かな。」

「多分そうだね。って葵だ」

と話している最中に葵が駅から来た。

「おはよう、みんな。待たせてしまったかしら。」

「いや、大丈夫。俺も来たばっかだし、最後は智哉だから。」

「それは良かった。美桜が来てたから最後だと思ったの。」

「それは酷くない。何で二人ともそう思うの。さっき薫にも言ったけど——」

と美桜が反論しているうちに智哉が来た。

『おーっすって、もうみんな来てるんだな。』

「ああ、智哉が最後だ。」

『まじか、待った?』

「時間通りだし、そんな待ってない。」

 智哉と軽く話をし振り返ると美桜が未だに椎名に反論していた。

「おーい美桜、全員揃ったぞ。」

「うん、わかった。じゃあ、無料バスがアミューズメント施設まで出ているからそれに乗っていこう。」

と美桜の計画に合わせてバスに乗車し目的地に向かう。

 その途中でどこで最初に遊ぶかなどを決め、10分くらいで着いた。

 バスを降り施設内に入りカウンターに向かう。

「あれ、美桜じゃん。何今日にしたの?」

とカウンターから声をかけられた。

 声のかけ主は薫たちより少し年上の感じがして、長い髪を後ろに1つに束ねていた。そして目元が美桜と似ていた。

「あっ咲姉、うんそうだよ。それより、今日シフト入ってたんだ。教えてくれれば先に言ったのに。」

「そうだ、紹介するね。こっちはうちの姉の竹本咲。3つ上で今は大学1年。」

「今しがた紹介された美桜の姉の咲です。何か困ったことがあったら、言ってくれればすぐに対処するからね。今日は楽しんでね。」

と美桜の紹介から姉の咲が薫たちに挨拶をした。

 姉の挨拶が終わったところで美桜が中間に入り、

「こっちはうちの高校の友達で右から智哉、薫、葵、楓。多分ママに聞いたかもしれないけど、入学式のときに写真を一緒撮ったメンバーだよ。」

 美桜の紹介が終わり葵が話す。

「あの、咲さん本日はありがとうございます。美桜から聞いたんですけど、今回私たちが無料で遊べるのも咲さんのチケットのおかげだとか。」

「いいよいいよ、予定が合わなくて使わなくなったチケットなんだし。」

と葵が話し終わったところで薫たち3人も咲にお礼を言い、ボウリング場へ向かう。

 ボウリング場に着き指定された席に行き、荷物を置いて各自靴とボールを取りに行く。

 全員が戻り投げる順番を決め、最初は葵で次に薫、美桜、楓、智哉といった感じになった。

 葵が投げる前に自分の鞄から何かを取り出した。見るとそれはボウリング用のグローブだった。

 葵はそれを手に着けボールを投げた。

 ボールは勢い良く中央のピンに当たり、全てのピンを倒した。画面にはストライクと大きく表示された。

 それを見届けた後、美桜が席に戻ってきた。

「まさか美桜ってボウリングガチ勢?」

「ガチ勢って、別にそこまでのじゃないわよ。」

「じゃあ何でグローブなんか着けてるの?」

「私の両親がボウリング好きでね。それでよく家族で来ていたんだけど、その時に買って貰ったの。」

「へー、で美桜の次に投げる薫はどう?」

「正直緊張するな。勝負事は勝ちに行くタイプなんだけど、勝てる気が全くしない。」

 そう言いながら、薫は1本残しという成績だった。

 そのまま投げ進め、3ゲームを遊んだ。

 全てのゲームの1位は葵だったが全員元運動部だったことにより最後のゲームは白熱した展開になった。

 ボウリングを終えた後はゲームセンターに行き、ホッケーや音ゲークレーンゲームをし、カラオケの場所に行った。

 カラオケの場所に着き個室に案内され昼食代わりの食事を注文し、食べながら歌うことにした。順番はボウリングのときと同じで葵から始まった。

 それから何回か回ったときに美桜は疑問を浮かべた。

「薫って1回も歌ってなくない?」

「そうか?」

『そういえば確かに。』

 そう、薫は今回まだ歌っていなかったのだ。

 順番が回ってくるとちょうど食べていたり、席を外していたりしたのだ。

「順番が変わるけど薫も歌いなよ。」

「いいよ、すぐに回ってくるし。」

「別に気にすることないよ。」

「大丈夫だって。」

と進めることに対して頑なに遠慮する。

 薫以外には不思議に思うやり取りだが、薫とってはこれがせめてもの抵抗だった。

 そして、抵抗も空しく終わり薫の順番になった。

 薫は諦めと決心をした顔でマイクをとり、歌いだした。

 その歌は特段上手いというわけでもなければ下手というわけでもなかった。言ってしまえばヘタウマよりも少し上手いというレベルだった。

 その歌を聞いて4人は納得と同時に驚いた。

 薫は壊滅的な音痴というわけではないが、音痴だったのだ。

『いやー、まさか薫が音痴だったとは。』

「ほんと意外だったよ。」

「だからなかなか歌わなかったのね。」

『でもリズムは取れていましたよ。』

「そうそう、気にすることないよ。」

「別に気にはしてないよ。ただ歌うのが少しにがてだっただけ。」

「いや、言うほど音痴じゃないし、リズムは取れてたよ。」

『そうそう、歌ってたらすぐ良くなるって。』

 音痴がばれ開き直った薫も本格的に参加し19時頃まで歌い通してカラオケを終了した。

 その後カウンターに行き咲に挨拶をして、バスに乗り駅に向かった。

 駅に着き解散して各々帰宅することした。

 21時頃、美桜は家に着きひと段落し「ずっ友」のグループに写真を載せる。それに合わせるようにみんなも写真を載せていく。

 その光景を見てこれから起こることに期待をし、微笑みをこぼした。


 現在アルバムの写真は53枚


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

感想などいただけると幸いです。

いいねをしてくださった夜明秋次@小説などさん、フォローしてくださった呂返夭loveyouさん、れんおうさん、レンga★創作総合さん、ドン・ブレイザーさん、pakijoさん、mak-wing-kiさん、ありがとうございました。

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