表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
90/122

83、勇者マイカと聖女カロテラ

  ●【No.083】●



 ここは "バイオメドリグス" の国の "SMエロスの町" にて。


 その街中に勇者マイカたち『ブラックファントム』がいて、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』がいて、巨大昆虫カマキリモンスター【デスキラー・シャ】がいて、上位魔族トウがいる状態。


 先程まで約250人の通常兵士と約240人の[黒兵](ブラッククーデター)が熾烈・壮絶な闘争をしており、双方兵の数をどんどんと減らし、同じ国の兵士同士が殺しあい、気づいた時には、約250人の通常兵士も約240人の[黒兵](ブラッククーデター)も双方全滅して、この街から正規の兵士が居なくなる。



 そんな現状を私たちは(ほう)けながら見つめていた。


「あら、あの兵士も[黒兵](ブラッククーデター)も全滅したわね。」

「おお、兵士同士が全滅しあったか!」

「やっと、兵士の時間が終わったか!」

「とんだ茶番だったね!」

『……』

「全くもって不毛だったよ。」


 結局、通常兵士も[黒兵](ブラッククーデター)も居なくなったところで、この茶番で不毛な勝負も両者引き分けで幕を閉じた。 でも…本番はこれからなのよ。



 上位魔族トウが空を見上げる。

 見ると空は既に暗くなっており、満月が浮かび上がり曇りひとつない。 そのせいで辺りは意外に明るく夜空もしっかり見える。


「今夜もいい満月だね。 ()()()が出てくるいいタイミングだよ。」

「「「「?」」」」

「……アイツ?」

「そう…()()()さ。

 もうそろそろ出てくる頃さ。」

『……』

「タイミング? 頃? 一体何を?」

「ふっ、あんたが会いたかった()()さ。

 空を見てみなマイカ」

「?」


 トウの言われるままに私も空を見上げる。


 すると夜空に浮かぶ女性がまた現れた。

 そこには槍を持ち青色の教会仕様の戦闘服 [教会戦闘衣鎖(えさ)]を着用。 腰には剣を背中には弓矢を装備した武士風の女性『聖女』カロテラの姿があった。


 そのカロテラが私たちを見下ろし、私たちがカロテラを見上げる。 あらあら、心なしか、私たちのことを(にら)み付けているわね。


「あの女が…?」

「そう…聖女カロテラさ…」

「そう…彼女が…」

「……」

「聖女というより、まるで戦士だね」

「いっぱい武器持ってるよね?」

「聖女なのに、何故武器を?」

「それにしてもスゲエ顔…!」

「ええ、なんだかこちらを(にら)み付けているわね。」

「ああ、そうだな」

『……』

「ふふふ、ようやく来たわね」


 あの『聖女』カロテラの登場に、みんなが思い思いの感想を()べてる。 見た目が普通の人間の女性なので、よく見ても上位魔族だとは思えない。 もっとも空を飛んでる時点で既に普通の人間の女性ではない。



 彼女が『聖女』カロテラよ。

 まぁ…『聖女』というと人間の女性だと思われがちだけど、彼女は上位魔族みたい。 そもそも上位魔族が『聖女』になれる訳がないけど…?


 彼女の本当の名前が上位魔族カイ。 大魔王ゼンの元部下だった女らしい。 それが一体どうなったのか知らないけど、いつの間にか悪魔神復活の信仰狂者に成り下がったらしい。

 同僚の上位魔族トウも最初は説得を試みたけど、残念ながら説得が不能なため、そのまま上位魔族同士の戦闘になったみたい。

 トウも手ぶらで大魔王ゼンの(もと)へ戻る訳にもいかないから、なんとか必死に食らいついていたけど、結局は私が倒したあのオークの身体の中に閉じ込められてたんだって。

 現在でも、この国のこの町の上空で戦闘を繰り広げていて、ちゃんと今夜も現れてくれたようね。 良かったわ。 今夜もしっかり来てくれたお陰で、これで彼女を突き止めれば、きっと彼女の本拠地もわかるはずよ。


 見た感じ、洗脳されてる気配はないわね。

 否、瞳がかなり異常ね。 ()()はイッてるわ。

 やっぱり、()()()が上位魔族カイを『聖女』カロテラに仕立て上げた張本人なのかしら? この国の主、カラスクイーンアテナ…。 いつも『聖女』カロテラはカラスクイーンアテナの(もと)にいる。 そこで言葉(たく)みに(そそのか)して、カイを悪魔神復活の信仰狂者に仕立て上げた。 でも一体どうやって上位魔族を洗脳したのか、非常に興味があるわね。 もしかして私も洗脳させられるかしら? とにかく早くカラスクイーンアテナを倒して、あの『聖女』カロテラを元の上位魔族カイに戻さないといけないわね。


 さて、果たしてカラスクイーンアテナとは、一体何者なのか? どういった存在なのか、今から会うのが楽しみね。



 その『聖女』カロテラが静かに降りてきて、私たちの目の前に立つ。 ここで遂に私とカロテラが初めて対峙・対面する。


「……」

「……」


 降りてきたカロテラが早速(さっそく)私のことを(にら)み付ける。 私も彼女(カロテラ)を不適な()みで見つめる。 その後すぐに彼女(カロテラ)がトウの方を見て言った。


「……誰?」

「……誰? ふふふ、彼女が勇者マイカさ」

「!!?」

「ようやく会えたわね。 聖女カロテラさん。 いいえ、上位魔族カイさんかしら?」

「!!?」

「そして見えているわね! 私のことを! カラスクイーンアテナよ!」

「!!?」

「えっ、何っ!?」

「………」

『……』

「一体どういうことだ? 勇者マイカ!」

「あら、気づかなかったかしら?

 あの聖女カロテラの眼を通して、私たちのことをよく見ているはずよ。 ねぇカラスクイーンアテナさん!」

「な、なんだってぇ!?」

「ちっ、さすが…勇者!」

「別に驚くことはないわ。 あの聖女カロテラの瞳をよく見なさい。」

「えっ!?」

「なっ!?」

「おっ!?」

「うっ!?」

「あっ!?」

「くっ!?」

『むっ!?』

「………」


 私の発言でみんなが驚く。 でも…よく見ればわかることよ。


 あの『聖女』の瞳…虹彩(こうさい)に色彩はなく光もないわ。 ()()は完全に操られているわね。 やっぱりカラスクイーンアテナに洗脳されているわね。 だからおそらく彼女の瞳を通して、私たちのこともよく見えているはずよ。 これで決まりね。 今回のボスは、あのカラスクイーンアテナで間違いないわね。



 まぁ…上位魔族を助けるつもりなんてないけど、なりゆき上、そうなってしまうわね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=629877154&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ