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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
89/121

82、[黒兵]《ブラッククーデター》B

  ●【No.082】●



 ここは "バイオメドリグス" の国の "SMエロスの町" にて。


 街中には約290人の通常兵士がいて、巨大昆虫カマキリモンスター【デスキラー・シャ】がいて、勇者マイカたち『ブラックファントム』がいて、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』がいて、上位魔族トウがいる状態。


 そこに黒い鎧・黒い盾・黒い剣を装備した大勢の兵士がこの街にやって来た。 これには約290人の通常兵士も驚く。 何故なら、全く見たことも聞いたこともない謎の漆黒兵士だからだ。


「なんだ? アイツら?」

「知らないぞ! あんな奴ら!」

「チクショウッ! 何なんだアイツら?」

「おいおい、あんな奴ら見たこともないぞ!」

「………」


 ここに約290人の通常兵士が謎の漆黒兵士の登場に驚くけど、そもそもこの通常兵士はあの漆黒兵士の存在を本当に何も知らないのか? あの謎の漆黒兵士は一体何者なんだ?



 一方の上位魔族トウは―――


「ちっ、()()()()()…懲りないねぇ」


 やっぱり、見覚えあるみたいね。

 おそらく奴らの正体も知ってるわね。



 それとマイカ(わたし)たち八人も一目見て、すぐにわかったわ。 ()()()()は見覚えのある連中だからね。






 ―――出たわね。 やっぱり…ここにも居たのね。

 出てくると思ったわ。… [黒兵](ブラッククーデター)ッ!

 当然マトオも()()()()のことに気づいて私に小声で話す。


「マイカさん、()()()()…」

「ええ、判っているわ。

 もしかして()()()()… あの[黒兵](ブラッククーデター)…よね?」

「何故、()()()()がここに…?」

「それはまだ解らないわ。 けど…なんとなく出てくると思ったわ。 ()()()()…」

「「「……」」」

()()()()…この国に何の用があるのでしょうか?」

「違うわマトオ。

 この国ではなく、私たちに用があるのよ。

 もっと言えば、私たちだけでなく―――」

「えっ!?」

「「「!!?」」」

「そう…()()()()こそ、この国の…いいえ、あのカラスクイーンアテナの正規の兵士…なのかもしれないわ…」

「「「「えっ!!?」」」」

「どうやら少しずつだけど、話が見えてきたわね。 今までの一連の出来事の中心にいるが、あのカラスクイーンアテナなのは…たしかね。」

「またカラスクイーンアテナなのか…?」

「「「……」」」

「ふふふ、会ってみたいわね。

 そのカラスクイーンアテナも『聖女』カロテラも…ねぇ」


『……』

「ふふふ、なんとか会わせてやりたいね。

 勇者マイカとカラスクイーンアテナを対峙・対面させたら、一体どうなるのか? ホントに楽しみだねぇ~。 その前に()()()()をなんとかしないとねぇ~」


 私の発言に【デスキラー・シャ】は沈黙していた。けど上位魔族トウは答えてくれた。


 すると[黒兵](ブラッククーデター)がどんどんと私たちの方に歩いて近づく。 その私たちの目の前に、あの約290人の通常兵士が立ち塞がる。 まるで私たちを守るみたいに、彼らが奴らの前に立ちはだかり、怒鳴るように威嚇する。


「ここから先へは行かさんぞ!」

「そうだ! ここから先へは行かさない!」

「貴様ら、一体何者なんだ?」

「我々以外にも兵士がいたのか?」

「とにかく止めろ! コイツらは危険だ!」

「勇者マイカ様は我々にとって最後の希望なのだ!」

「そうだ! あんな奴らに渡してたまるか!」

「「「おおっ!」」」

「………」


 なかなか気合いが入っているわね。

 だけど、あの[黒兵](ブラッククーデター)からは殺気も敵対心も感じられない。 確かに私たちの方に近づいてくるけれど、ゆっくりと歩いてくるだけで襲ってくる気配も感じられない。 むしろ、彼らの中の奥から「何か」異様な気配と違和感があるわね。 一体何かしらね? 否、もしかしたら―――






「ふん、裏切り者が何を言うか!」

「たかだか雑兵の分際で、我らカラスクイーンアテナ様の近衛騎士団に逆らうつもりか?」

「愚か者めが! 身の程を知れ!」

「我々こそ、カラスクイーンアテナ様をお守りする正規の兵士[黒兵](ブラッククーデター)なのだ!」


「「「「!!?」」」」

「………」


 なんと[黒兵](ブラッククーデター)からも話しかけてきた。 自分たちこそ、カラスクイーンアテナの近衛騎士団にして正規の兵士。 また約290人の通常兵士を雑兵呼ばわりする者たち。 コイツらはアリスノヴァイン王国を襲撃してきた…あの[黒兵](ブラッククーデター)と同一の軍隊…? つまり今回の一連の出来事の首謀者は、やっぱり…カラスクイーンアテナ…?


「なんだとっ、デタラメ言うな!」

「そうだそうだ! 我々こそ、正規の兵士だ!」

「お前らなんぞ、知らんぞ!」

「チクショウッ、嘘をつくな!」

「………」


 今度は約290人の通常兵士が言い返す。

 なんだか不毛な言い争いになってきたけど、彼らにとっては重要な事なのかもしれない。 もっとも "裏切り者" という言葉については、()()()()なのかもしれないけど…。






 すると突如として、約290人の通常兵士の中から黒い鎧・黒い盾・黒い剣を装備した謎の漆黒兵士たちが出現して、約290人の通常兵士に斬りかかり襲いかかる。 どうやら約290人の通常兵士の中から、あの[黒兵](ブラッククーデター)に内通していた裏切り者がいたようね。


「「「「!!?」」」」

「………」


 約290人の通常兵士の中から、約40人の[黒兵](ブラッククーデター)が突如として現れ、約250人の通常兵士を裏切って攻撃する。 さらに約250人の通常兵士の前方には、約200人の[黒兵](ブラッククーデター)が約250人の通常兵士に斬りかかり襲いかかる。 その後方に私たち八人と上位魔族トウや【デスキラー・シャ】がいる。 これは約250人の通常兵士と約240人の[黒兵](ブラッククーデター)による正規の兵士の称号とカラスクイーンアテナの忠誠を懸けた闘争となる。 なんとまぁ、不毛な闘争なのか。






「「「ぐあっ!」」」

「「「うわっ!」」」

「「「ごあっ!」」」

「「「ぐおっ!」」」


 兵力も実力も同じため、約250人の通常兵士も約240人の[黒兵](ブラッククーデター)も拮抗しており、双方兵の数をどんどん減らしていく。 意外にも壮絶な闘争となり、同じ国の兵士同士が殺しあい、気づいた時には、約250人の通常兵士も約240人の[黒兵](ブラッククーデター)も双方全滅して、この不毛な闘争に決着がついた。


 こうしてこの街に正規の兵士が居なくなった。

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