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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
B.バイオメドリグスの国編
88/124

81、言っておくけど、私は天才じゃないわよ!

  ●【No.081】●



 ここは "バイオメドリグス" の国の "SMエロスの町" にて。


 街中には約290人の兵士がいて、巨大昆虫カマキリモンスター【デスキラー・シャ】がいて、勇者マイカたち『ブラックファントム』がいて、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』がいて、上位魔族トウがいる状態。 先程までは勇者マイカと上位魔族トウが闘っていた。 もともとはマイカの力を試すために勝負を挑んだはずなのに、終わってみればあっさり負けてしまった。 気絶して、今はマイカの膝枕で眠っている。 マイカにとっては全く相手にしておらず、最大限手加減した状態で技を出した形になる。 だから言ったはずだ……マイカは最強だと…。



 (マイカ)はトウを膝枕した状態で気絶してるトウを静かに優しく見てる。


「……」


「!?」


 するとトウが目が()めて突然起き上がる。


「こ…ここは…?」

「あら、起きたのね?」

「えっ!?」


 トウが後ろを振り向いて見ると、私がニコリと微笑(ほほえ)む。


「…あんたは……マイカ…?」

「ええ、そうよ。 あなた…記憶にないの?」

「……?」


 そこでミドリがトウの現状を解説する。


「これは一時的な記憶障害だね。

 マイカのあの技が凄すぎて、あの闘いの前後の記憶が一時的に欠如してるんじゃないかな?」

「なるほど、あの技…そんなに凄い威力なの?

 もの凄く手加減したつもりなんだけど?」

「そ、そーなんだ…」

「……?」


 しばらくすると、トウもようやくさっきの出来事を思い出す。


「そうか……あた……私の負け……か……」

「残念だけどね」

『アホか! お前ごときがマイカに勝てる訳がないやろ!』

「……」

『身の程を知れ! おのれは!』

「別にあんたの力じゃないクセに、なんでそんなに威張ってんだ?」

『フン!』

「ようやく思い出したようね。

 私との約束」

「……なんで私を殺さないんだい?」

「あら、そんなことをしたらあなたから情報が聞き出せないじゃない?」

「……後悔するかもしれないよ?」


「あら、あなた……私の敵になるのかしら?」

「!」

『!』


 ゾクリ!


 私はニコリと微笑(ほほえ)みながら言うけど、心までは笑っていない。 ()()を見たトウと【デスキラー・シャ】の背筋から冷や汗が出てきて、顔がみるみるうちに青ざめる。 二人とも理解できた。 この女に敵対して楽に死なせてくれない……絶対に敵対してはいけないと……本能的に悟った。


『オレは終生マイカの味方やで!

 敵対なんかとんでもない!』

「あなたには言ってないわ」

『あ……はい…』


 あの巨大昆虫カマキリモンスター【デスキラー・シャ】が慌てて弁明していて、私に軽くあしらわれると小さく(しぼ)んでおとなしくなる。


「……私は一応、大魔王ゼン様の部下……あんたとゼン様が敵対しなければ、私もあんたと戦うつもりはない…」

「自分の意思では動けないのは宮仕えのサガだけど、自由になりないなら私たちがいつでも協力するわよ?」

「今のところ、間に合ってる」

「あら、そう……残念ね…」

「……」

『……』


 これを機に上位魔族も仲間に引き込むつもりなのか? と思ったトウと【デスキラー・シャ】の二人。 この二人…既に私の掌中にあるみたいね…。


「それで…『聖女』について聞きたいんだけど…?」

「ああ、そうだったな。

 あの『聖女』カロテラは人間ではない。

 私たちと同じ上位魔族だ。」

「えっ!?」

「なにっ!?」

「「「!?」」」

「ふ~ん、そう…」


「ヤツの名前は上位魔族カイ。 大魔王ゼン様の元部下だった女だ。 それが一体どうなったか知らんけど、いつの間にか悪魔神復活の信仰狂者に成り下がったんだ。」

「へぇ~、あの『聖女』カロテラが上位魔族カイ…ねぇ~」

「「「……」」」

『……』

「最初は私も説得を試みたけど、アイツ『悪魔神復活を(さまた)げる愚か者め!』とかいって、私に襲いかかってきた。 説得が不能なため、そのまま戦闘になった。」

「へぇ~、そうなのねぇ~」

「「「……」」」

『……』

「あた……私も手ぶらで大魔王様の(もと)へ戻る訳にもいかないから、なんとか食らいついていたら、アイツ妙な術を使ってオークの身体の中に閉じ込めやがったんだ…」

「オークの身体の中…?」

「あんたが倒したあのオークの身体の中さ。

 一応、礼は言っておく。 ありがとう」

「あぁ~、あのオークね。 なるほど」

「今でもこの国のこの町の上空で戦闘を繰り広げている。」

「その彼女は一体何処(どこ)にいるのかしら?」

「心配ない。 いつも通りなら夜になれば、この国のこの町の上空に当然現れるはずだ。 アイツを突き止めれば、きっとアイツの本拠地もわかるはず」

「なるほど、そういうことなのね。

 よくわかったわ」


「ちくしょう! なんでアイツ…ゼン様を裏切ったんだ! あれほどゼン様に忠誠を誓っていたはずなのに…!」

「私の仮説なんだけど、おそらく上位魔族カイは洗脳されているわね。」

「……洗脳?」

「そう、おそらく上位魔族カイを『聖女』カロテラに仕立て上げた張本人がいるはず…」

「そいつは誰だ!」

「それはこの国の主、カラスクイーンアテナじゃないかしら?」

「なにっ!?」

『なんやとっ!?』

「「「!?」」」


 私の発言に上位魔族トウや【デスキラー・シャ】は勿論、この国の兵士たちも驚く。


「いつも『聖女』カロテラはカラスクイーンアテナの(もと)にいる。 それだったら言葉(たく)みに(そそのか)して、カイを悪魔神復活の信仰狂者に仕立て上げた。 それだったら辻褄が合うんだけど…ね?」

「一体どうやって洗脳した!」

「それは本人に聞かないと解らないわね。

 勿論、洗脳を解いた後でね。」

「……」

『……』

「それはつまり…カラスクイーンアテナを倒さないと、その『聖女』カロテラも元の上位魔族カイに戻らない…ってことですか…?」

「おそらくね。

 これで全ての辻褄が合うわね。」

「「「「……」」」」

『……』

「あんた……天才か……?」

「あら、普通よ普通。 前世の記憶に頼ってる部分もあるし、私には優秀なナビゲーターもいるしね」

「エッヘン!」


 ミドリが偉そうにドヤ顔する。


「私の見立てでは、もうまもなくここに新たな兵士がたくさん現れる……とか?」

「えっ!?」

「なにっ!?」

「そんなぁ!?」

『なんやとっ!?』

「なんで、そんなことがわかるんだ!」

「今までの経験上、これで終わる様な奴なら上位魔族を洗脳できたりしないわ。 先の先まで読んで行動しないと、悪魔神なんて復活できないわよ。」

「あんた……やっぱり天才か……?

 なんで…ゼン様がマイカには手を出すなって言ったのか、ようやく判りかけてきた…」


「うふふ、私は天才じゃないわよ」

「!」

『!』


 ゾクリ!


 また私はニコリと微笑(ほほえ)みながら言うけど、心までは笑っていない。 ()()を見たトウと【デスキラー・シャ】の背筋からまた冷や汗が出て、顔がみるみるうちに青ざめる。 思わず視線を逸らす。 どうやらいらぬ恐怖心(トラウマ)を与えてしまったようね。



 相変わらずトウや【デスキラー・シャ】や兵士たちは驚くけど、私たち八人はもう驚かない。 おそらくそのカラスクイーンアテナが私並みの頭脳の持ち主なら、もう次の手を打ってるはず。 もうそろそろ現れるはず―――()()黒い鎧の兵士たちが…。



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