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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~王都の反乱を阻止せよ~
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72、リンク・コンビネーション [聖女カロテラ&上位魔族トウ編]

  ●【No.072】●



 ここアリスノヴァイン王国にある王都・城下町 "プリデミア" の王宮内にある『玉座の間』にて。


 その玉座の間の奥にある玉座に座る国王とヤナイ姫。 一時は反逆者共に奪われたこの玉座も今は真の持ち主である少年王とお姉様が座る。 その手前には勇者マイカたち『ブラックファントム』と勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の八人が立ってる。 最早(もはや)少年王やお姉様の前でも(ひざまず)いて(こうべ)を下げる必要も義理もない。 もし仮に『無礼者! 国王の御前(ごぜん)にあるぞ!』とかいって兵士たちが取り押さえようとしても、とてもじゃないけど歯が立たない。 まさしく『触らぬ神に祟りなし』状態なのだ。 だから黙って見てるだけ。 そもそも王様がマイカたちに対して『無礼』にあたらないように命令しており、普通に自由にさせている。 なにしろこの国の恩人だからね。 当然の事だ。


 王様とお姉様がマイカたちに話しかける。


「お姉ちゃんたちと別れるのは…少し寂しいな。」

「少しのお別れですね。 マイカさん」

「心配ありません。

 情報収集と調査が終われば…またこの国に戻ってきます。 私たちの船を取りに…」


 その頃には大型船も出来上がっていると思われる。


「うん、わかったよ。 お姉ちゃん」

「マイカさんたちもご武運をお祈りします。」

「どうもありがとうございます。」

「それでは失礼して―――」

「ええ、またね。 あっ、そうだ。」

「「?」」

「船ってさ。 誰が動かすの? 私なんかが船を動かすこともできないわよ。 誰か別の人が操縦してくれるのかしら?」

「それは勿論、熟練の船乗りの逞しい男たちがお姉ちゃんたちの船に乗って、見事に目的地まで操縦してくれるよ。」

「へぇ~、なるほどねぇ~」

「おお、なるほど。 そうですか」


「ところでお姉ちゃんたちは『聖女』と上位魔族を捜してるんだね?」

「ええ、そうね。

 コイツらの情報―――できれば居場所もつかみたいけれど、最悪あの国に滞在してることを願うばかり……ね!」

「…『聖女』と上位魔族ですか…これはまた大変な事ですよね…」

「ええ、そうね。

 確かに大変かもしれないけど、やらないといけないことだからね」

「まぁ…いきなり戦闘になることもないでしょうけど、とりあえずは情報収集と調査のみですから。」

「でももし、戦闘になっても今のお姉ちゃんたちなら絶対に負けないよ!」

「私もそう思います。 マイカさんに勝てる者などいないと思います!」

「ありがとう、二人とも」

「あとは "バイオメドリグス" の国がどういう反応を示すか……ですね」

「なかなか謎だらけらしいからね」

「あの秘密主義の国… "バイオメドリグス" の国…だよね? 姉さん」

「はい、そうですね。

 あの秘密主義の "バイオメドリグス" の国に…聖女カロテラと上位魔族トウ…。

 一体何が出てくるのか…?」

「「「「……」」」」

「かなり厄介そうですけど…」

「ふふふ、今から楽しみね♪」


 マイカやマトオたち混成チームが次に向かう予定の秘密主義の国… "バイオメドリグス" の国に『聖女』であるはずの "カロテラ" と上位魔族トウが必ずいるはず。 そう思いながらもまだ居ればいいけど…。 もし仮に居なくとも二人に関する情報と二人があの国で一体何をやっていたのか調査する必要がある。 その時の状況次第では戦闘になるかもしれない。 もしまだ二人が居ればの話だけど―――







 あの日の深夜(よる)のこと。


 ここは秘密主義の国… "バイオメドリグス" の国内のはるか上空にて。


 そこに槍を持ち青色の教会仕様の戦闘服 [教会戦闘衣鎖(えさ)]を着用。 腰には剣を背中には弓矢を装備した武士風の女性『聖女』カロテラと、銀髪.褐色肌.巨乳の容姿の全裸の女性・上位魔族トウが空中戦闘をしてる最中だった。 まず『聖女』カロテラが(たく)みに素早く槍を操って上位魔族トウを刺し殺そうとする。 それをトウが(たく)みに素早く回避して後退する。


「……」

「ちっ、相変わらず強いな。 この女…」


 両者共に(にら)み合う。

 なんと二人共にまだこの国に居た。

 しかも、いきなり戦闘中である。


 先程から何度もカロテラの槍の鋭い突きがトウによって全てかわされてしまい、トウも自分の攻撃が全て(ふせ)がれてる状態だ。 二人ともに実力が拮抗していて勝負は互角と見た。


「あなた…よくあのオークから脱け出せたわね?」

「ふふふ、勇者マイカのお陰さ」

「…勇者マイカ…?」

「そ。 あの勇者マイカにオークを倒させたのさ。 お陰でオークの力が消滅して、このあたしがあの身体(なか)から出られた訳さ。」

「ちっ、余計な真似を!」

「ふふふ、勇者は凶悪なモンスターを倒すのが仕事さ。 あんたがあたしをオークなんかに閉じ込めた時点で失敗したのさ。」

「バカな! この地にいる雑魚勇者などの力であのオークが倒されるはずがない!」

「残念だったな。 あんたの情報不足が露呈したな。 あの勇者マイカは上位魔族ヒョウさえも倒し、貴族伯爵カシオスト卿に扮したオークをも討伐に成功してるからねぇ。」

「何っ!?」

「そ。 彼女は相当に強いのさ」

「!!」


 この時、カロテラが驚きの表情を見せる。


「あはは、あんたでもそんな表情をするんだねぇ。 これはイイモンを見せてもらった。」

「ちっ、私の計画に狂いが生じたようね。

 その勇者マイカとやらも倒さないといけないわね。」

「あはは、『聖女』が『勇者』を倒す?

 面白い冗談だよ。 だが…それは無理だね。

 その前にあんたはこのあたしに倒されるんだからねぇ。」

「ぬかせぇ! この邪魔魔族がぁ!」

「ふふふ、やるかい?」


 再び『聖女』カロテラと上位魔族トウとの戦闘が開始された。 槍を突いてトウを刺し殺そうとするカロテラと槍を(ふせ)いで彼女(カロテラ)の懐に潜り込もうとするトウ。 だが互角ゆえに決定打にならない。


 これは悪魔神ヴォグゲロルスの復活を目指す『聖女』カロテラと悪魔神ヴォグゲロルスの復活を阻止して再度封印したい『勇者』マイカとの戦いでもある。


 そして、皮肉にもこの上位魔族トウもまた大魔王ゼンの為に全力で悪魔神ヴォグゲロルスの復活を阻止しようと動いていた。


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