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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~王都の反乱を阻止せよ~
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70、王様との謁見D

  ●【No.070】●



 そんなアリスノヴァイン王国の王宮内にある別室に、勇者マイカたち『ブラックファントム』と勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』が待機・休憩している。 テーブルを囲ってイスに座り、オレンジジュースを飲む。 また今回の [黒兵]ブラッククーデターによる "クーデター" を阻止して、見事に活躍した勇者マイカたちが密かに別室にいたのは、本人たちのたっての希望である。 その別室に王様とお姉様がわざわざやって来た。 その王様とお姉様もさっきまで玉座の間にて、貴族や家臣たちのお祝いの挨拶をしたばかりで、少しは疲れているはず。 それでもマイカたちのいる別室まで来てくれたのだ。


「お疲れ、王様」

「お疲れ様でした、国王よ」

「「「お疲れ様です、王様」」」

「やあ、マイカお姉ちゃんたち」

「どうもです。 マイカさん」

「いやぁ、王様の仕事も大変だね」

「大変ですね、王様も…」

「そうだね。 結構大変だね」

「はい、それが王様の仕事です」

「「……」」


 ここでも私たちが王様たちの(ろう)をねぎらう。 私たちの方がはるかに疲れる事をしてるバスなのにね。 何しろ神光聖者ミラドリルスという『聖女』を倒した後に、間もなく勃発した今回の貴族伯爵カシオスト卿と [黒兵](ブラッククーデター)のクーデター鎮圧に貢献したからね。 正直いって、これはとても凄いことだけど、なかなか解りにくいよね? でもまあ、別にいいけどね。


 そこで王様が私たちに質問してくる。


「あの貴族はどうやってオークを倒したんだろうね?」

「………」

「あのオークって、実はそれほど強くないのよ。 身体もそれほど頑丈じゃないし、背後から不意打ちされたら、いくらオークでもどうしようもないわよ。 勿論だけど、あの貴族の剣さばきや太刀筋もなかなかのモノだけど、やっぱりあのオークはその程度の魔物(モノ)だったというワケよ。」

「えっ、そんなに弱いのアイツ?」

「まあ、そこまでの相手なのですか?」

「そりゃ王様やお姫様の力だけでは敵わないけど、まぁあの貴族の力ならなんとかなったというワケね。」

「「………」」

「まぁ、それでも当事者のあの貴族もオークも死亡したから、真相はよく解らないけど、私の推測だとそんな感じだね。」

「へぇ~、なるほどねぇ~」

「なるほど、そうなのですね」

「まぁ、そうだね」


 まあ…実際に見ていた私が言うのもアレだけど、あっという間の一瞬の出来事だったからね。 正直いって、私でもよく解っていないんだよね。 だから見たまんま、テキトーに言ってるだけ。 それがたとえ王様相手でもね。


 今度はお姉様が私たちに質問してきた。


「それでこれからどうされます? マイカさん」

「………」

「これから "バイオメドリグス" という国へ行って、"カロテラ" という名前の『聖女』と上位魔族トウって奴についての情報収集よ。」

「我々全員で行く予定です」

「本来ならこの二人が "かの国" に居てくれると助かるんですけど、まだこの情報自体が不確かなモノですから、実際に行ってみて確認する必要があります。」

「なるほど、あの "バイオメドリグス" の国ねぇ~」

「…『聖女』と上位魔族…なんだか大事(おおごと)になりましたね。」


「まぁね。 ところで "バイオメドリグス" って、どんな国か知ってるの?」

「あまり詳細は知りませんけど、少なくとも王政ではありませんね。 一体誰が政治や経済や軍事などを司っているのか、いまいちよく解らない国です。」

「… "バイオメドリグス" の国…。 別名 "秘密主義の国" …。 あの国が一体何なのか、そのほとんどが秘匿されていて、外部の者には一切解らないようにしている国だよ。」

「… "秘密主義の国" …。 なるほどね」

「なんだか不気味な国ですね」

「ちょっと怖くない?」

「まぁ、確かにちょっと怖いかも…」

「なぁにぃアンタたち。 ビビってんのかい?」

「う、うるさいです! ラグレテスさん」

「ラグレテスだって怖いでしょ!」

「私は怖くないね。 あの巨大昆虫とだって戦ってきたんだからね。」

「「…うっ…」」

「とにかく行ってみればわかるわよ。」

「はい、その通りです。 マイカさん」

「「………」」


 私たちと王様・お姉様との話がまだまだ続くわよ。


 というか、普通なら王様との謁見は玉座の間にて、玉座に座る王様とお姉様の目の前で(ひざまず)いて、(こうべ)を下げた状態で(おこな)うのが一般的だけど、一緒にテーブル囲んでイスに座って、オレンジジュースやお茶菓子を堪能して喋ってるあたり、これはもはや謁見というよりも、友達感覚の女子会みたいね。 あってはならないことだけど、王様は私のことを "勇者のお姉ちゃん" と認識しており、すっかり頼りきっている。 しかも、お姉様のヤナイ姫も私のことを相当信頼してるみたいだね。 でもまあ、別にいいけどね。


 そこで王様が()()()()()()()()を私たちにしてきた。


「それで今回の褒美はどうしようか?」

「えっ、褒美? もういいわよ。 いっぱい貰ったから」

「そういう訳にもいきません…マイカさん。

 活躍し貢献した者には、それだけの報酬・褒美を与えないと、こちらとしても王族としての示しがつきません。 今回の時のようにまた反乱が起こる恐れもありますから、我が国のために活躍し貢献した者には、十分な報酬・褒美を与える必要があります。」

「なるほどねぇ~、それにしても大変よねぇ~。 王様も…」

「これも王様としての仕事ですから…」

「今回の活躍は相当なモノだから、多額の報酬金は出すよ。 それとさすがに爵位はまだ男爵になったばかりだからすぐには上げられないけど、冒険者ランクならD→Cに上げられる。 なんたって、あの神光聖者ミラドリルスを倒し、続けてすぐに反逆者カシオストをも倒し、反乱分子を一掃できた功績は大きい。 それぐらいの報酬・褒美は出るだろうね。」

「………」

「「「わおおおぉぉ」」」

「おおっ!」

「よーーし!」

「凄い! 一気に冒険者ランクがCに!」

「やりましたね! マトオ!」

「ああ、ようやくここまで来たか!」


 なんだかマトオたちが喜んでるわね。

 そんなに嬉しいのかしら? ランクCって?


「おめでとうございます。 みなさん」

「あと欲しいものはない? お姉ちゃん」

「えっ、欲しいもの?」

「うん、欲しいもの」

「………」


 欲しいもの……。

 多額の報酬金。 経験値の底上げ。 特殊なアイテムの入手。 男爵の爵位。 冒険者ランクのD→Cへの昇格。 馬車の入手。 あらかた欲しいものは手に()れたわ。 あと欲しいものはないかと急に言われても…特には―――



   ━ー━ー━ー━ー━



 いやある。 ひとつだけあるわ。

 ―――船よ。 船が欲しいわ。


「あったわ。 欲しいものが…」

「えっ、何ッ!?」

「船よ。 船が欲しいわ。 私たち全員が乗れるぐらいの大きいヤツ」

「船か。 わかったよお姉ちゃん。 お姉ちゃんたちのための船を急いで造らせるよ。」

「ええ、お願いね」

「それではマイカさん。 あの "バイオメドリグス" の国で用事を終えたら、またこの国に戻ってきて下さい。 その頃には、もう船も完成してると思いますから」

「ええ、わかったわ」

「遂に船ですか…」


 王様が私たちのために急ピッチで大型船を造船してくれるそうね。


 ここで遂に船が手に(はい)る予定。

 これで大陸間を自由に行き来できるわね。

 別の大陸にも行きたいしね。

 今から楽しみだわ。




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