表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~王都の反乱を阻止せよ~
72/122

65、[黒兵]《ブラッククーデター》A

  ●【No.065】●



 ここはアリスノヴァイン王国の王都・城下町 "プリデミア" の出入口になる大きな門、その右側にある大きな塔の中である。 その大きな門は閉じており、街に入ることはできない。 その塔の中には、勇者マイカたち『ブラックファントム』と、勇者マトオたち『セックス・ハーレム・ナイトメア』の混成チームに、国王・アリスノヴァイン六世とヤナイ姫に、その護衛の王護聖騎士が12人いる。 あとの18人の王護聖騎士と、たくさんの衛兵で塔の外周を厳重に警備・警戒する。 この塔が現在の仮の玉座の間になる。



 今現在、私たちが王様と謁見してる最中。



 なんと上位魔族と共謀して、ヤナイ姫を誘拐・拉致しようとした犯人が、王に忠誠を誓う貴族伯爵のカシオスト卿であった。 貴族の反乱に王とヤナイ姫が玉座の間から逃亡。 そのまま王都・城下町を抜け出した。 一方のカシオスト卿の私兵である漆黒の鎧を着た兵士たち [黒兵]ブラッククーデターと、王を守る衛兵・王護聖騎士が混戦・乱戦して、多数の犠牲者が出る。 そのカシオスト卿が今度こそ、王とその姉を殺害して、この国を我が物にせんと企む。 このカシオスト卿の暴挙に、他の貴族たちが立ち上がって、カシオスト卿を説得するが、見事に返り討ちにあう。 最後まで王に忠誠を誓う貴族は殺害されて、カシオスト卿に忠誠を誓う者だけが生き延びる。



 そんなカシオスト卿の胸のうちは、すぐにでも少年王を殺害したいところである。 その玉座に座るカシオスト卿が号令をかける。


「ようやくこの俺様が王になる時が来た。

 あんなガキのオモリなど、もうゴメンだ! さっさとあの姉弟(きょうだい)を殺して、この王国を奪うのだ!」

「「「「……」」」」


 だが…未だに王に忠誠を誓う貴族も黙ってはいない。


「ふ……ふざけるなぁ!

 こんなことをして、タダで済むと思うのかっ!?」

「そ……そうだぁ!

 王を殺害して王位を奪うなんて、他の貴族や国民が納得するはずがないぃ!」

「そうだそうだ!

 これはクーデターだ! 極刑モノだぞぉ!」


(※[死罪だぁーーーっ!!!])


 そこにカシオスト卿が[黒兵]ブラッククーデターに命令を出す。


「ふふふ、()れ!」

「「「はっ!」」」


「ぐぅあっ!」

「ぎぃやっ!」

「うわぁっ!」


 ザァン、ザァン、ザァン!


 カシオスト卿を批判する貴族たちに対して、漆黒の鎧を着た兵士たち [黒兵]ブラッククーデターが、その貴族たちを殺害する。 剣で首を斬り飛ばし、貴族たちの頭が宙を舞う。


「「「ファイヤー・ボール!」」」


 ボォウ、ボォウ、ボォウ!


 漆黒の鎧を着た兵士たち [黒兵]ブラッククーデターが宙を舞う貴族たちの頭が地面に落ちきる前に、火系攻撃魔法 《ファイヤー・ボール》 を放って全ての頭を焼き尽くす。


「「「!!!」」」


 ()()()を見た他の貴族たちが動揺・困惑・絶句する。


「どうかな?

 これだけの力があれば邪魔者は全て()し、この俺様の新王国が思いのままに誕生するのだ! 逆らう者は全て死ね! 国王の(しかばね)を俺様の前に引きずり出せ! はははーーっ!」

「「「「……」」」」


 この常軌を逸したカシオスト卿の言動に、無力な他の貴族たちは無言で従うしかなく、誰もがこのイカれた暴挙を退治してくれる救世主の到来を待ち望んでいた。 でも…彼らはまだ知らない。 ()()勇者マイカの存在を―――


「サァーーーッ!!

 外にいるガキ共を殺してこい!!」

「「「「はっ!」」」」

「はーはっはっはぁーーーっ!!」


 カシオスト卿の号令により、遂に漆黒の鎧を着た兵士たち [黒兵]ブラッククーデターが玉座の間を出ていき、王様やお姉様が立てこもる大きな塔まで整列しながら歩く。 続いてカシオスト卿も玉座から立ち上がって、そのまま漆黒の鎧を着た兵士たち [黒兵]ブラッククーデターを追うように歩く。まぁ…彼自身は何の力もなく、自慢の [黒兵]ブラッククーデターがいないと何もできない愚者だ。 私兵の後をついていくだろう。 あとに残る貴族たちは、ただただ呆然自失の状態だった。








 一方の大きな塔の中にいる私たちと王様との謁見―――と言うよりも密会は続く。 貴族伯爵のカシオスト卿の人となりや漆黒の鎧を着た兵士たち [黒兵]ブラッククーデターの戦力・兵力など、今回の経緯を私なりに分析する。 その中で、()()()()()の答えが出た。


「なるほど、話はだいたいわかったわ。

 そのカシオストという貴族を討伐すればいいのね?」

「できる?」

「なんとかやってみるわ」

「ありがとう。

 当然、お礼ははずむよ。」

「それで王様にひとつ進言があります。」

「なんだろう?」

「カシオストの殺害の許可をいただきたい。」

「……………」

「殺してしまうのですか?」

「はい、殺します」

「理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

「残念ながら彼は()()()()()()()

 この上はきっちりと殺してあげることが、()()()()にもなるでしょう。」

「「……?」」

「マイカさん……まさか……」

「ええ、彼は()()()()()()()()()()()()。 おそらくは人間に寄生するオークの仕業…」

「えっ!!?」

「なっ!!?」

「「「……」」」

「やっぱり…そうですよね。

 人間の言動にしては異常すぎます。 俺も薄々感じていました。」


 私たちは『邪惚教都(じゃこつきょうと)』での出来事を思い出す。 勿論、盗賊の件は王様やお姉様には、もう報告済みよ。 その中でも、盗賊のリーダーがオークに寄生されており、人間の皮を被るオークの存在を否定できない。 それで人間に寄生するオークという表現は、あくまで私たちが便宜上、呼称してるにすぎない。 本当に寄生してるのか、それとも他の経緯・能力があるのかは不明。 ただ人間になりすますオークがいることは事実である。


 王様が私に質問する。


「じゃあ、そのオークがカシオストの身体を乗っ取って、ボクを殺して、王位を奪おうとしてるの?」

「可能性としては大です」

「でも、オークが人間の王位を欲しがるかしら?」

「勿論、欲しいでしょう。

 王様になれば、その王国の人間を思いのままに出来ますから…」

「「……………」」


 ()()を聞いた王様とお姉様が思わず驚愕・絶句する。 まさに言葉に出来ないとは、この事である。 それでもすぐに気を取り直して―――


「それじゃあ、全部お姉ちゃんに任せるよ。」

「……」

「了解。 作戦とかも私が考えるわ」

「うん、お願い」

「それじゃあ、みんな。 外に出ましょうか。

 奴らももう来るだろうし…ね」

「「「はい」」」

「はい、判りました。」


 そこで私たち全員が立ち上がって、そのまま大きな塔から外へ出る。 その逆賊カシオストを迎え撃つために―――




 ◎『ブラックファントム』

 勇者マイカ  :爵位→男爵

 勇者.冒険者ランクD

 戦士ラグレテス:爵位→男爵

 戦士.冒険者ランクD

 神官アロトリス:爵位→男爵

 神官.冒険者ランクD

 大魔女シャニル:爵位→男爵

 魔女.冒険者ランクD


それとブクマ・感想・評価・いいね等ありましたら、是非宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=629877154&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ