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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~『邪惚教都』~
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62、《春光大作戦》

  ●【No.062】●



 勇者マイカたち一行と神光聖者ミラドリルスの激戦は苛烈さを極める。


 神光聖者ミラドリルスが再び勇者マイカに襲いかかる。 ()()を私や勇者マトオたちが迎え撃つ。 まず私とマトオの二人がかりで、神光聖者ミラドリルスと剣で攻防する。 主に私と神光聖者ミラドリルスが一対一の剣の勝負をして、横からマトオが神光聖者ミラドリルスに剣で攻撃する。 ()()を神光聖者ミラドリルスが盾で(ふせ)ぐ。


「はっ!」

「よし、行くぞ!」


「ちっ!」


 ガキィン、ガキィン、ガキィン、ガキィーン!

 タッタッ!


 次に戦士ハーリルと戦士ラグレテスが神光聖者ミラドリルスの後方から剣で攻撃する。


「でぇいぃ!」

「とりゃああぁ!」


「くっ!」


 ガガァーーン、タッ!


 神光聖者ミラドリルスが剣&盾を持つ両腕を伸ばし、グルリと一回転して、その遠心力のついた剣&盾で、私たち四人の剣を(はじ)()ばし、そのまままた上空へジャンプして回避する。





 そこへ後方待機の大魔女シャニルが、右手の(てのひら)を身体の前方上側に突き出し、上空へジャンプした神光聖者ミラドリルスを狙う。


『私は(ほむら)の王を放つわ!』


 シャニルの右手の(てのひら)から紅色の魔法陣が出現する。


『【焔王砲】!』


 ズゴゴオオオォーーーッ!!


 紅色の魔法陣から "真紅の(ほむら)の極大光線" が放出されて、その(ほむら)で神光聖者ミラドリルスのことを焼き尽くそうとする。



 すると今度は神光聖者ミラドリルスの "透明の球体結界" が突然光りだし、光の球体結界となる。 その光の球体結界が向かってくる攻撃魔法【焔王砲】を(ふせ)ぐ。


 ピカァァァーーーン!!


「【ライトニングブック・ミラージュ】!」


 ズババババァァァ―――


「アレはまさか……」

「アレはヤバイ……」

「シャニルたち、すぐに避難してぇ!」

「「「…ッ!?」」」


 この光の球体結界に吸収された【焔王砲】が、すぐさまシャニルたちの方へ向かって発射された。


「「「きゃぁあああああぁーーーーっ!!!」」」


 ズゴゴオオオォーーーッ!!


 後方待機のシャニルたちが、それぞれ違う場所(バラバラ)に散って退避したので、なんとか直撃は免れた。 しかし、なんと攻撃魔法を跳ね返された。


 この神光聖者ミラドリルスの "透明の球体結界" は、ただ攻撃魔法を(ふせ)ぐだけだが、ここから "光の力" が加わり、"光の球体結界"【ライトニングブック・ミラージュ】になると、さらに(ふせ)いだ攻撃魔法を吸収して跳ね返す効果が加わるようね。 大魔女シャニルの最強攻撃魔法【焔王砲】ですら跳ね返せる。 非常に厄介な結界ね。



 それを見た私が―――


「ちっ、非常に厄介な結界だわ。

 アレをなんとかしないと、攻撃魔法が一切通用しないわ。」

「しかし、アレは魔法ではなく結界です。

 あの結界を打ち破る方法がありますか?」

「「………」」

「……なんとかするわ。

 それよりもアイツが上空にいる間に、こちらも態勢を整えるのよ!」

「「はい、判りました!」」


 まだ上空に浮いていて、こちらを見下ろす神光聖者ミラドリルス。


 ここで私たち前衛の四人と、シャニルたち後衛の四人が合流して、態勢を整える。 そして作戦会議する。



 現状、このままの状態では勝てない。 そこで攻撃方法・戦法を変更せざるを得ない。 ここは私が試行錯誤した作戦を使用するか?


 あの《春光大作戦》を―――


「………」

「どうします? マイカさん」

「まずムラサキと【デスキラー・シャ】に攻撃してもらうわ。 ムラサキは炎を吐いて、アイツに攻撃して。 シャも自慢のカマでアイツに攻撃して。 別にアイツにダメージを与える必要はないわ。 これはあくまで牽制と陽動よ」

「グギャアアッ!」

『おう、任せとけ!』

「その(スキ)をついて、私がこの【八魔蛇の剣】の特殊能力で、アイツの動きを封じるわ。 そしたらマトオが例の剣の特殊能力で、アイツに攻撃して」

「はい、判りました。」


「でもマイカさん。

 マトオの特殊能力も跳ね返されるのでは?」

「おそらくアレは攻撃魔法を跳ね返す結界。

 特殊能力の攻撃は防御が可能でも反射までは出来ないはずよ」

「なるほど、確かに…」

「それにまだ終わりじゃないわ。

 その(スキ)をついて、私がアイツの背後に回り込み、私の必殺技をアイツの背後から叩き込むわ。 マトオは自分の攻撃が終了したら、さっさと退避してちょうだい。」

「はい、判りました。」


「えっ、じゃあマトオの攻撃も囮なんですか?」

「そういうことよ。

 この作戦でアイツを倒せるか、その確認をさせてほしいのよ」

「す、凄い……!」

「他の皆は、少し離れた所で待機・援護してちょうだい。」

「「はい、判りました。」」

「これだけの波状攻撃なら、いくらアイツでも耐えしのぐのは難しいでしょう。」

「いやいや、これなら確実に勝てるわ。」

「うん、イケるわ!」

「では皆、持ち場に移動してちょうだい。」

「「「「はい!」」」」


 ここで私たち全員が各所へ散った。





 では《春光大作戦》開始。


 まずはムラサキと【デスキラー・シャ】が前に出る。


「グギャアアアアァァァーーーッ!!」


 ムラサキが口から《激しい炎》を吐いて、神光聖者ミラドリルスに攻撃する。


 ズゴゴゴゴォォォーーーーン!!


「…?」


 しかし、神光聖者ミラドリルスの "透明の球体結界" で、ムラサキの《激しい炎》を(ふせ)ぐ。 また【デスキラー・シャ】が神光聖者ミラドリルスの側面から現れて、自慢のカマで神光聖者ミラドリルスを斬り裂こうとする。


 スパァスパァスパァッ!!


『それそれそれそれ!』


「…?」


 しかし、神光聖者ミラドリルスが飛びながら、【デスキラー・シャ】のカマ攻撃を素早く避ける。 すると今度は私が、伝説の皇剣【八魔蛇の剣】を避ける神光聖者ミラドリルスの方へ思いっきり投げる。


 ブゥン!


「でぇいぃ!」


「…?」


 しかし、神光聖者ミラドリルスが黄金の盾で(ふせ)ごうとする。 だけど私はニヤリと笑う。


 カァン!


 なんと黄金の盾に、伝説の皇剣【八魔蛇の剣】が引っ付いて、突然…神光聖者ミラドリルスが飛行不能に陥る。


「なっ!!?」


 ダァン!


 なんとか地面に着地した神光聖者ミラドリルスだが、伝説の皇剣【八魔蛇の剣】の相手の動きを封じる能力で、思うように自由に身体を動かせない。 でも(かろ)うじて立つことはできた。


「なんですこれはっ!!?」


 神光聖者ミラドリルスが立つ真正面に、マトオが【剛魂の剣】の剣先を前方に突き出して構える。 ()()を見た私が高速移動&【ストリンガー・デスロック】を併用させて、素早く神光聖者ミラドリルスの背後に回り込む。


「くっ!」


「喰らえ、『(あかね)』!」


 ズバァッ、ドカァッ!


「ッ!!?」

「よし、直撃したぞ!」


 その【剛魂の剣】の剣先から発射された中型火球『(あかね)』が、素早く神光聖者ミラドリルスの黄金の鎧の胸部に当たる。 やっぱり特殊能力の攻撃までは、あの "透明の球体結界" でも(ふせ)ぐことは出来なかった。 攻撃を終了したマトオが素早く退避する。


「ぐあぁっ!!?」


 中型火球『(あかね)』が胸部に当たるが、まだ(かろ)うじて立つ神光聖者ミラドリルス。


 そこに神光聖者ミラドリルスの背後から、私が特殊能力【フルメタルジャケット・ミラージュ】を発動。 無数の小型の光の弾丸が神光聖者ミラドリルスの周囲を取り囲む。


「そ、そんなバカなぁ……」

「ふふふ」


 神光聖者ミラドリルスの背後で、また私が笑う。


 さすがに大ダメージは与えられなかったものの『(あかね)』の直撃によるダメージと、伝説の皇剣【八魔蛇の剣】の効果で自由に動けない神光聖者ミラドリルスに今、最大の危機が迫る。



《春光》……意味、春の光景・春の日ざし。



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