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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~『邪惚教都』~
65/122

58、【反射鏡の剣】と《ウォークゾンビ》

  ●【No.058】●



 地下通路を歩く勇者マイカたち一行。


 相変わらず細く狭い通路をただひたすらまっすぐ歩く私たち四人。 その間もこの通路に出現するモンスターを倒していく。 ただ変わった事といえば、出現するモンスターの種類がまた変わった。 もう既に巨大昆虫モンスターやイモムシ系モンスターもカエル系モンスターもトカゲ系モンスターも出現しなくなった。


 ここからは鎧系モンスターやゴースト系モンスターや剣・マント系モンスターなどの通常モンスターが出現しており、ここから先はようやくマトモでスムーズに戦闘できるようになった。 なお相変わらず勇者マイカは列の一番後ろにいる。 それは勿論、最強無双の勇者を温存する為だ。


 細く狭い通路をただひたすらまっすぐ歩くと、また広く何もない空間が現れる。 ここまで来ると、もう床には人骨も何もない。 ただ広い空間の中央には、大きな赤い宝箱がひとつ置いてあるだけ。 あと向こう側(反対側)にも細く狭い通路があるだけ。


「あら、何かしら?」

「大きな赤い宝箱ですか。

 カギはついていないようですね」

「それなら簡単に()けられるね?」

「ええ、そうね。

 それでは()けて見ましょうか?」

「……」


 そこで私は伝説の皇剣【八魔蛇(はまじゃ)の剣】を取り出して、剣先で宝箱の蓋を()けてみる。 これはあくまでトラップやモンスターの疑いがあるだけで、決して横着してる訳ではない。


「「「「……」」」」


 宝箱を()けて中を見てみると、その中には鏡張りの兜が入ってた。 この兜はもしかして―――


「これはもしかして―――」

「はい、間違いありません」

「どうやらモンスターと戦う必要がないみたいね」

「遂に手に()れたわね」

「これが【反射鏡の兜】なのね」


 私が鏡張りの兜を宝箱から取り出した。


 うん、間違いないわね。

 これは【反射鏡の鎧】や【反射鏡の盾】と同じ素材で造られた【反射鏡の兜】だわ。 これでようやく【反射鏡の鎧】と【反射鏡の盾】と【反射鏡の兜】を入手したことになるわね。


 勇者マイカは【反射鏡の兜】を手に()れた。


 よーし、これであとは【反射鏡の剣】を手に()れるだけだわ。


 ちなみに【反射鏡の兜】は誰にも装備できないので、マトオが所持するアイテム袋の中に()れて、そのまま向こう側(反対側)にある通路へ向かう。






 その後も私たち四人が地下通路の奥の方までまっすぐ歩く。 ただひたすら歩くけど、ここまで来ると、もうほとんどモンスターが出現しなくなる。 まだ一応は鎧系モンスターやゴースト系モンスターや剣・マント系モンスターなどが出現するけど、()()()()()()()、突然出現しなくなる。


 ()()()通路が突き当たりで右側に曲がった直後にある広く何もない空間が見えた()ね。 そこも床には何もない。 しかも向こう側(反対側)には、もう通路もない。 つまりこの広く何もない空間で行き止まりとなり、ここから先へは進めない。


 本当に何もない・・・?


「あら、何もないの?」

「宝箱も何もないのかしら?」

「こ、これは…一体どうすればぁ……?」

「……」


 確かに何もないけど、何かがおかしい?


 道に迷ったとか、道を間違えたとか、そういう意味じゃなく、何かこう具体的な理由も解らないけど、やっぱり何かがおかしい?


 ……………?


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ―――


 グラグラグラグラグラ―――


 私たちがこの広く何もない空間に入ると突然、床から轟音が聞こえてきた。 さらに床全体が地震のように揺れており、まるで何かが出現するかのような演出がなされてる。


「な、なんだ?」

「こ、これは?」

「この揺れは?」

「こんな音が?」


 な、なんだ?

 この揺れは?

 何が起こるの?


 ……………ッ!?





 すると床の下から灰色の巨体ゾンビモンスター《ウォークゾンビ》が出現した。 そんな右手には、あの【反射鏡の剣】を持ってる。 これで全ての反射鏡シリーズが揃うことになる。


「あっ、あの剣は?」

「鏡の剣じゃない?」

「何っ、あのゾンビは?」

「もしかして、この地下のラスボスかしらね?」


 この広く何もない空間の中央には、あの【反射鏡の剣】を装備した《ウォークゾンビ》が立ってる。 さらに、その【反射鏡の剣】を構えて臨戦態勢をとった。


「どうやら戦うつもりらしいね。

 みんな戦闘準備はいい?」

「「はい」」

「こっちはOKよ」


 そこで私たちが後方にジャンプして距離をとった。


 戦闘フォーメーションとしては、勇者マトオが前方中央、戦士ラグレテスが前方左側、戦士ハーリルが前方右側、勇者マイカが後方中央である。 まずはマトオ・ラグレテス・ハーリルの三人が先に攻撃する予定ね。






 《ウォークゾンビ》

〇レベル:40

〇危険度:C

〇狂暴度:C

灰色の巨体ゾンビモンスター。 何故、こんな所にゾンビが? でも、それは後で考えて、今は戦闘に集中だ。

〇攻撃方法:【反射鏡の剣】による攻撃。




 この《ウォークゾンビ》が持つ【反射鏡の剣】。 つまり私たちは、この【反射鏡の剣】と戦わないといけないらしい。



 まずマトオ・ラグレテス・ハーリルの三人が通常の剣を持って構えて、どんどんと《ウォークゾンビ》の方へ少しずつ近づく。


 次に《ウォークゾンビ》が地面を蹴って、一気に前進して、そのままマトオの方へ向かって突進する。


 タッ、ブゥーン、カキィーン!


 このまま一気にマトオに近づき、振り上げた剣を一気に振り下ろし、マトオの頭上めがけて、一気に斬り裂こうとする。 そこにマトオが剣を横に構えて刀身で敵の剣を受け止めて、その《ウォークゾンビ》の斬撃を(ふせ)ぐ。


「……」「えいっ」「このっ」


 タタッ、ブブゥーン、シュッ、タッ!


 今度は横からラグレテスとハーリルの二人が地面を蹴って、そのまま《ウォークゾンビ》の方へ向かい、左右から《ウォークゾンビ》を剣で斬り裂こうとする。 そこで《ウォークゾンビ》が後方へジャンプして後退。 ラグレテスとハーリルの斬撃から身を守る。


「くっ」「あっ」「ちっ」


「……」「……」


 ここで私と《ウォークゾンビ》の目が合う。



 まだまだ序盤戦だが、マトオ・ハーリル・ラグレテスの三人とボスレベルの《ウォークゾンビ》とでは、互角の強さに見える。




 だけど、それでも忘れてはいけない。 こちら側には、まだ最強無双の勇者マイカがいることを。




今度のゾンビがラスボスなのか?

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