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絶望老人が異世界転生をしたら、もう既に最強無双になっている?  作者: 賭博士郎C賢厳
A.アリスノヴァイン王国編 ~『邪惚教都』~
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57、最後はツッコミ?

  ●【No.057】●



 細く狭い地下通路をただひたすらまっすぐ歩く勇者マイカたち四人。 しばらくまっすぐ歩くけど、その間に出現するモンスターも、イモムシ系モンスターやカエル系モンスターやトカゲ系モンスターなどがよく出現する。 ここでは巨大昆虫モンスターよりは大きくなく、巨大昆虫モンスターよりはあまり気持ち悪くないと思う。


「なんかさぁ~、気持ち悪いのが出てきたけどさぁ~」

「また変な魔物が出てきたモノだね」

「ちっ、巨大昆虫モンスターとは違うモノなのか?」

「どうやらここから先は、別のまた違う魔物が出てくるようだね」

「う~ん、そうねぇ~」


 そこから出現するイモムシ系モンスターやカエル系モンスターやトカゲ系モンスターなどを片っ端から倒していく勇者マイカたち四人。 ちなみにここでも勇者マイカは列の一番後ろにいる。 今回も強敵に備えて温存する。






 またまたしばらくまっすぐ歩いていると、突き当たりで通路が左右に分かれてる。


「あらあら、また通路が左右に分かれてるわね」

「おや、ここまで来て、また通路が左右に分かれてるのか?」

「今度はどっちに行きます?」

「ええ、そうね。 どうする?」

「さて、どっちに行くか?」


 そこで今度は左右どちらかの通路を歩いていくか? さてさて、左→右と来たから今度は左と行くか? それとも今度も右に行くか? これは考えどころかしらね?






 ここで私は再びみんなの意見を聞いた。


「みんな、どっちに行きたい?」

「はい、俺は左だと思います。」

「私は右だと思います。」

「私は左だと思います。」

「私は右かな?」


 なんとここで見事に意見が真っ二つに分かれた。 ここでは私とハーリルが右側の通路を、勇者マトオとラグレテスが左側の通路を、それぞれ選んだ。 私たち四人からの二対二となり、多数決もできずに、これでは先には進めない。 でもマトオに何か考えがあった。


「……」

「ん~、どうしようか?」

「では次は、剣の剣先を地面に立たせて、倒れた方向へ向かう、と言うのは…どうでしょうか?」

「「「!?」」」


 このマトオの発言に、私たちは目から鱗が落ちる。


「それいいわね!

 それでいこう!」

「さすがマトオ!

 良いアイデアだよ!」

「なかなかやるなぁ。

 さすがは勇者マトオだよ!」

「いや、それほどの事でもありませんけど…」


 そのマトオが、私たちに称賛されて照れ笑いしてる。


「よーし、早速やってみよう!」

「「「はい」」」


 さすがはマトオ。 私にその発想がなかった。


 なるほど、剣を立てて倒した方向へ向かう、とはなかなか良いアイデア・発想だわ。 見事よマトオ。


 そこでラグレテスが自分の剣を使って、地面に剣先を立たせて、そのまま()の部分から手を離す。


「みんな、いくよ」


 タッ、コトン!


 地面に倒れた剣の()の部分が左側を向いている。 次は左側へ向かえ、ということね。


 私たちは左側の通路を歩く。






 一方の地下階段の外。 つまり地上では、巨大化した紫色のドラゴン・ムラサキと、何故かマイカの事が気に()った巨大カマキリモンスター【デスキラー・シャ】と、あと大魔女シャニルが、地下階段から地上に出てくる巨大昆虫モンスターを片っ端から倒していく。


 その紫色のドラゴン・ムラサキが口から《激しい炎》を吐いて、地上に出てくる巨大昆虫モンスターを焼き尽くし灰にする。

 一方で【デスキラー・シャ】も自慢のカマで襲ってくる巨大昆虫モンスターをスパスパと真っ二つに斬り裂く。

 さらに大魔女シャニルも炎系攻撃魔法の【焔王砲】で巨大昆虫モンスターを撃退して灰にする。


 もうだいぶ巨大昆虫モンスターも減ってきて、ようやく一息つける。


『ふう、やっといなくなったわ』

「お疲れ様、ムラサキ」

「ギァァオオオ」

「まぁ、こんなものですかね?」

「「……」」


 ムラサキになつかれるアロトリスと、強力な攻撃魔法を駆使するシャニルと、マイカに味方する【デスキラー・シャ】の活躍で、とりあえず地上に出てきた巨大昆虫モンスターはあらかた片付けた。

 その様子を無言で見ていたルシティークとエミリアス。 でも内心は、"凄い!" とでも思っているのか?


『これであとはマイカたちが戻ってくるのを待つだけや』

「この地下通路って結構長いんですか?」

『さぁなぁ、実際に中に入った者にしかわからんしな』

「あら、あなたは地下に行ったことがないんですか?」

『見てわかるように、オレのこの巨体じゃあ、中に入れんわ』

「あっ、確かに…」

「なるほど、確かにそうですね」

「「……」」


 もう既にマイカだけでなく、いつの間にかシャニルやアロトリスも、平然と【デスキラー・シャ】と普通に会話してる。


「ところであなたの事をもう少し聞きたいのですが?」

『おう、そうやな。

 大魔王ゼンの部下ってことかな。

 この身体を巨大化させてもろうたんも、力を強くさせてくれたんも、全部大魔王ゼンのお陰やな。』

「あら、その割には大魔王ゼンについて、あまり尊敬していませんよね?」

『もともとオレはただの虫や。

 そんな雲の上の存在相手に、今更敬語も忠誠心もないわ』

「あら、そうなのね」

「所詮は虫だから?」

『ハハハ、そうやな。

 大魔王ゼンに従うよりも勇者マイカに味方した方が面白い思うてな。

 なんせ、オレは所詮は虫やからな。 ハハハ』

「「……」」


 何故か笑い話になってるけど、何気にサラッと凄い事を言ってる巨大カマキリモンスター【デスキラー・シャ】だが、彼の真意はいかほどのものか?





 非常に気になるところだ。


『ちょっと待った!

 オレはそんな裏表のある虫やないでぇ!』

ハハハ、そういう終わり方ね。

なかなかサマになってるんじゃあない?

あんたのツッコミ。

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